知りたい!サイエンスシリーズ知るほどハマル!温泉の科学
−温泉の“癒し”にはワケがある−

[表紙]知るほどハマル!温泉の科学 −温泉の“癒し”にはワケがある−

四六判/256ページ

定価(本体1,580円+税)

ISBN 978-4-7741-3894-7

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書籍の概要

この本の概要

疲れを感じたとき,なんだか気分がすぐれないとき,温泉に浸かると何と心地よくなれることか。しかしなぜ温泉で癒されリラックスできるのでしょうか? 一般に温泉は「気分こそが心地よさの源」といわれ感覚的なものとされますが,とんでもありません。本書は温泉がなぜ私たちを惹きつけ,実際に癒しを与えるのかを科学的に掘り下げていきます。著者は「源泉かけ流し」を世に広め新聞連載やテレビでおなじみの松田忠徳さん。温泉の成り立ちや体への医学的効果,脳科学と温泉,掘削技術,温泉の問題点などを分かりやすく科学的に語ります。

こんな方におすすめ

  • 温泉が好きな人
  • 温泉や火山に興味がある人
  • 地球物理学に興味がある人

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美肌のもとは泉質+微量成分にあった―メタケイ酸とカルシウムイオン―
温泉法で掲示が定められている「温泉分析書」には,泉質による適応症が記されています。

目次

はじめに 温泉の癒しは“科学”だった!

第1章 「温泉科学」の誕生と医療効果

  • 1 温泉を近代医学の目で評価した町医者,後藤艮山
  • 2 「熱い湯に浸かるほどよい」という一気留滞説
  • 3 体験・分析に基づいた,香川修徳の温泉の見方,入り方
  • 4 温泉を分析学の視点でとらえた,宇田川榕庵の「舍密開宗」
  • ◎コラム 身近に温泉の効能を!~江戸期に考案された数々の「人工温泉」
  • ◎コラム 温泉資源を“守る”のではなく“育てる”~長湯温泉の「温泉資源涵養条例」

第2章 温泉の起源と掘削技術

  • 1 地下に浸透した雨水が温泉の源とする「循環水説」
  • 2 マグマ起源など,諸説登場した温泉の起源
  • 3 人工衛星が進化させた,温泉掘削の確度
  • ◎コラム ORP(酸化還元電位)による温泉の評価と,アンチエージング効果~野沢温泉の実証実験
  • ◎コラム 温泉の熱と地中熱を活用したヒートポンプで,熱エネルギーをすべて賄う~「星のや 軽井沢」の画期的システム

第3章 温泉を科学していない温泉法の功罪

  • 1 温泉の混乱をもたらした,温泉法の定義
  • 2 温泉の所有権がもたらす弊害とは
  • 3 温泉分析書は「死亡診断書」?
  • 4 「真水に温泉を一滴たらせば,天然温泉」になる!?
  • 5 安らぎの温泉で命を落とす,レジオネラ属菌の恐怖
  • 6 自然の状態なら感染の危険性は低い常在菌
  • ◎コラム 玉川温泉が,がんに効くワケ~強酸性泉と放射線ホルミシス
  • ◎コラム 泉質+微量成分が美肌のもと~メタケイ酸とカルシウムイオン
  • ◎コラム 源泉100%かけ流しを守れ!~熱交換器を巡るさまざまな工夫

第4章 高温の温泉に棲む生物がいる

  • 1 温泉に生息する多種多様な動物
  • 2 地球の営みを教えてくれる温泉の生物たち
  • ◎コラム 源泉かけ流しで健康被害!?~水質汚濁防止法による温泉旅館の規制
  • ◎コラム 水蒸気も温泉?~吹き出す火山性ガスに水を当てて造る「造成温泉」

第5章 予防医学としての「湯治」という文化

  • 1 シャワーも原因のひとつ? 日本人の低体温化
  • 2 1300年を経て引き継がれるDNA,湯治
  • 3 科学的に証明された一週間一回りの根拠
  • ◎コラム 温泉熱を有効活用!~発電に利用する取り組みが続々と

第6章 脳科学でわかってきた温泉の新たな効能

  • 1 温泉の「気持ちよさ」を感じさせる,脳内のセロトニン
  • 2 身体が反応する温泉の心地よさ
  • ◎コラム 日本最古の共同浴場~地球深部の「プレート」が起源だった
  • ◎コラム 温泉ガスとその危険性~都会の“汲み上げ温泉”が図らずも教えてくれた

第7章 温泉の分類と入浴法の科学

  • 1 水素イオン,浸透圧……さまざまな温泉の分類
  • 2 極めて個性的な温泉とのつきあい方
  • ◎コラム 「上総掘り」というクリーンな技術~竹を“動力”に井戸や温泉を掘削

第8章 癒しを与えてくれる風呂の造りと設え

  • 1 浴槽や浴場の造りと温泉効果との因果関係
  • 2 浴場の造りと材料の科学
  • ◎コラム 温泉の効能が科学的に証明されはじめた!~ 糖尿病に高血圧,適応症はさまざま
  • ◎コラム これまでは野放し!? ~温泉の「定期検査」が温泉法で義務づけに

おわりに 温泉の科学に欠かせない,温泉の精神性

著者プロフィール

松田忠徳(まつだただのり)

1949年,北海道洞爺湖温泉を産湯に生まれ,混浴の共同浴場を揺りかご代わりに育つ。東京外国語大学大学院終了。文学博士。旅行作家,札幌国際大学観光学部教授(温泉学)。温泉学の第一人者で,全国の温泉地活性化の指導を精力的に行っている。著書は,『温泉教授・松田忠徳の古湯を歩く』(日本経済新聞社),『温泉教授の温泉ゼミナール』,『これは,温泉ではない』,『ホンモノの温泉は,ここにある』(以上,光文社新書),『温泉の未来』(共著,くまざわ出版),『温泉力』(集英社),『江戸の温泉学』(新潮社),DVD『温泉教授・松田忠徳の日本百名湯』全10巻(日本経済新聞社)など100タイトルを超える。