ITIL V3実践の鉄則

書籍の概要

この本の概要

ITILは社内でITサービスを有効活用するためのフレームワークであり,最近は資格試験を受験する人も増えてます。本書はITILの最新バージョン「ITIL v3」について,理論の意味や実践方法などをわかりやすく解説しています。著者は早期にITILファウンデーションの資格を取得して,ITコンサルティングの職務で活躍するほか,ITILの日本語化に参画するなどの実績があります。また,難しい概念は一般家庭内の出来事にたとえて理解しやすくしており,ITILを勉強するための1冊目の解説書として最適です。

こんな方におすすめ

  • ITILについて勉強している人
  • ITIL V3ファウンデーションの資格取得を目指している人

著者の一言

本書を読んでいただけば,サービスマネジメントの考え方がどのようなものであるか,サービスマネジメントがこれまでどのように変遷してきたかなど,ITIL V3の基本的な考え方を理解していただけると考えています。特に,ITIL V2を読んで「1つの機能と10のプロセス」について理解されている方は,本書を読んでいただければ,ITIL V3の全体像をより理解できるのではないでしょうか。

また,ITIL V2と比べて実例やエピソードなど“ITオペレーションの本音”の部分が削除されたため,ITIL V3ではよりいっそうフレームワーク的に(単なる枠組みに近く)なり,明確さを失ったプロセスもあります。そのようなプロセスについては,基本的な目的と主な活動などに絞り込んで解説しています。

筆者の経験では,サービスマネジメントを実現するうえで最大の成功要因は,その理念や考え方を理解して実行することだといえます。ITILはフレームワークであり,特定の業種や企業,組織などに的を絞ったものではありません。このため,ITILに記述してあるとこをそのまま自らに適用するのが最善だとは限らないのです。

IT組織として,すべての人に対して「最も効率的・効果的に,よりよいビジネスの結果を導き出す活動ができていること」を論理的かつ物理的に証明できるならば,サービスマネジメントを実現していると言えるのです。ただし,それは容易なことではありませんが。

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近年,ITは目覚ましい速度で進歩しており,企業ビジネスもITなしでは成立しないといってよい状況です。

本書のサンプル

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目次

序章 ITILのプロセスを家庭に置き換えると?

  • 1 ビジョンの設定
  • 2 サービスマネジメントにおける戦略と組織
  • 3 サプライヤ管理
  • 4 財務管理と課金
  • 5 需要管理
  • 6 サービスデスク
  • 7 インシデント管理
  • 8 問題管理
  • 9 変更管理
  • 10 リリース管理
  • 11 サービスレベル管理
  • 12 可用性管理
  • 13 可用性と満足度
  • 14 ITサービス継続性管理
  • 15 キャパシティ管理
  • 16 ITサービス財務管理
  • 17 構成管理

1章 ITILとは何か?

  • 1.1 ITILの生い立ち
  • 1.2 ITILの概念
  • 1.3 ITILに対する間違った理解

2章 ITIL V2からITIL V3への進化

  • 2.1 ITIL V3でどこが変わったのか?
  • 2.2 ITIL V3を実践するために必要なこと
  • 2.3 ITILの資格試験について

3章 ITIL V3のメインテーマについて考える

  • 3.1 ITIL V3のメインテーマ:①サービス~IT組織が提供するサービスとは?
  • 3.2 ITIL V3のメインテーマ②:サービスライフサイクルマネジメント~サービスはどのように回すのか?
  • 3.3 ITIL V3のメインテーマ③:価値創出~価値によって評価されるIT組織
  • 3.4 ITIL V3のメインテーマ④:4つのP~人,プロセス,プロダクト,そして社外のパートナー

4章 ITIL V3のプロセス

  • 4.1 細分化されたプロセス
  • 4.2 各コアブックに共通する要素

5章 コアブック「サービスストラテジ」のプロセス

  • 5.1 財務管理
  • 5.2 投資利益率
  • 5.3 サービスポートフォリオ管理
  • 5.4 需要管理

6章 コアブック「サービスデザイン」のプロセス

  • 6.1 サービスカタログ管理
  • 6.2 サービスレベル管理
  • 6.3 キャパシティ管理
  • 6.4 可用性管理
  • 6.5 ITサービス継続性管理
  • 6.6 情報セキュリティ管理
  • 6.7 サプライヤ管理
  • 6.8 サービスパッケージ

7章 コアブック「サービストランジション」のプロセス

  • 7.1 移行の計画立案およびサポート
  • 7.2 リリース管理および展開管理
  • 7.3 サービス資産管理および構成管理
  • 7.4 変更管理
  • 7.5 サービスの妥当性確認およびテスト
  • 7.6 評価
  • 7.7 ナレッジ管理

8章 コアブック「サービスオペレーション」のプロセス

  • 8.1 イベント管理
  • 8.2 インシデント管理
  • 8.3 要求実現
  • 8.4 問題管理
  • 8.5 アクセス管理

9章 コアブック「継続的サービス改善」のプロセス

  • 9.1 7ステップの改善プロセス
  • 9.2 サービス報告
  • 9.3 サービス測定

10章 SLAの導入~SLAの考え方

  • 10.1 SLAの概念を理解する
  • 10.2 合意文書の定義
  • 10.3 SLAの種類
  • 10.4 SLAの導入を成功させるための要因
  • 10.5 サービスレベルマネージャの役割
  • 10.6 サービスのベースライン

11章 SLAの導入~策定から導入まで

  • 11.1 SLAを策定するまでの流れ
  • 11.2 SLAを記述する
  • 11.3 SLAのパイロットオペレーション
  • 11.4 OLAとCの整備

12章 価値創出とIT戦略

  • 12.1 価値創出では何が重要なのか?
  • 12.2 価値創出・サービスマネジメントを実現するには

13章 サービスポートフォリオ管理の考え方と実践

  • 13.1 サービスポートフォリオとは?
  • 13.2 サービスポートフォリオ管理の目的
  • 13.3 サービスポートフォリオ管理の実践

付録 ITIL実践で作成する書類のサンプル

著者プロフィール

久納信之(くのうのぶゆき)

大手消費財メーカーにて長年,国内外のシステム開発,導入プロジェクト,IT運用に従事。1999年からはITILを実践し,ITSMの標準化と効率化に取り組む。2002年,itSMF Japan設立に参画するとともに,ITILの日本語化に協力。2004年からはITサービスマネジメントを中心としたコンサルタントとして活動中。itSMF Japan SLA分科会座長,itSMF Japan Value Creation分科会座長,EXIN ITILマネージャ認定資格試験採点を担当。

1999年,フィリピンのマニラで受験し,自分でも気づかないまま日本人としてはじめてEXIN ITIL Foundationの資格を取得。趣味はスポーツをすることと観ること。毎週末は冬の期間はスキー,それ以外はテニスをプレーしています。

著書:『強い会社はこうして作られる! ITIL実践の鉄則』(技術評論社刊)