ファーストブックシリーズ電磁気学がわかる

書籍の概要

この本の概要

電磁気学という山を征服しようとすると,見慣れない記号や計算が立ちはだかります。本書は,はじめて学ぶ人に電磁気学の魅力を伝えるべく,ストーリーをつくり,順を追って読みやすいように工夫してあります。読者が途中で迷わないように,目印となる項目を各テーマごとにまとめました。マクスウエルの方程式を見ると驚くかもしれませんが,最初は,計算を追う必要はありません。全体を通して読んでください。高校物理のクーロンの法則を出発点にガウスの法則を導き,電位,静磁場,マクスウエル方程式へと進み,特殊相対論まで進めていきます。全体を読み通せば,電磁気学の理論体系の美しさや電磁気学が持つ原理的な問題を考える楽しさを感じてもらえると思います。きっと新しい世界が見えてくるでしょう。電磁気学という新しい世界に挑戦してみてください。

こんな方におすすめ

  • はじめて電磁気学を学ぶ人
  • もう一度電磁気学を学び直したい人

目次

第1章 電磁気学の歴史

1-1 歴史的背景を知り,モチベーションアップ

1-2 遠隔作用力についての物語

  • 磁力と生命
  • 遠隔作用力を認めなかったデカルト
  • ニュートンの「我,仮説を作らず」

1-3 光の媒質は何?

  • ニュートンの「光学」
  • ヤングの実験
  • 光の媒質の物性を論じたフレネル

1-4 電気と磁気の法則化

  • ギルバートの『磁石論』
  • 静電気力を法則化したクーロン
  • ガルヴァーニの動物電気
  • ボルタによる電池の発明
  • イギリス王立研究所のスター,デイヴィー
  • 電流の磁気作用を偶然発見したエルステッド
  • 電気のニュートン,アンペール

1-5 ファラデーは真理を嗅ぎつける

  • 電磁誘導の発見
  • 近接作用力の復活
  • すべてはつながっている?
  • ファラデーからマクスウェルへ

1-6 マクスウェル方程式

  • 近接作用によって電磁作用が伝わるメカニズムの探求
  • 変位電流の考察
  • 電磁波の存在を理論的に予想
  • ヘヴィサイドによるマクスウェル方程式の整理

1-7 電磁気学の学び方

  • 電磁場を表す数学
  • ストーリーをつかもう

第2章 静電場

2-1 クーロンの法則

  • 電場
  • 電気力線
  • 電気力線と流体とのアナロジー

2-2 ガウスの法則(積分形)

  • 閉曲面内に多数の点電荷を含む場合
  • 閉曲面内に電荷が連続的に分布している場合

2-3 ガウスの定理(微分形)

  • 発散(ダイバージェンス)
  • 電気力線に適用してみよう
  • ガウスの法則(微分形)

第3章 電位

3-1 電位とは何か

  • 電場が一様なとき
  • 電場が一様ではないとき

3-2 電位から電場を求める

  • 勾配(グラディエント)

3-3 電場から電位を求める

3-4 電位の存在条件(積分形)

  • 保存力
  • ポテンシャルの存在条件
  • 非保存力
  • 電位(静電ポテンシャル)の存在条件(積分形)

3-5 電位の存在条件(微分形)

  • 回転(ローテーション)
  • 回転は何を表しているのか?
  • ストークスの回転定理
  • 電位の存在条件(微分形)

3-6 静電場の基本方程式

  • div,grad,rot の公式
  • 電位の存在条件を導く
  • ポアソン方程式

3-7 ここまでのまとめ

第4章 定常電流

4-1 定常電流の保存則

  • 電流の定義
  • 電流密度ベクトル
  • 定常電流の保存則(積分形)
  • 定常電流の保存則(微分形)
  • 電流密度j (r) と電荷の体積密度ρの関係

4-2 オームの法則

  • オームの法則と抵抗率
  • オームの法則(微分形)

第5章 静磁場

5-1 静磁場の性質

  • 電場と電束密度,磁場と磁束密度

5-2 磁場中の電荷と電流

  • 電磁力(アンペール力)
  • ローレンツ力

5-3 電流の作る磁場(高校物理の復習)

  • 直線電流の作る磁場
  • 円電流の中心磁場
  • ソレノイドコイルの内部磁場

5-4 1A の定義

5-5 ビオ・サバールの法則

5-6 線電流の作る磁場を計算する

  • 直線電流が作る磁場
  • 円電流の中心磁場
  • 円形コイルの中心軸上の磁場
  • ソレノイドコイルの中心軸上の磁場

5-7 太い導線を流れる電流の作る磁場

  • ビオ・サバールの法則とクーロンの法則の対応関係

5-8 アンペールの法則

  • ソレノイドコイルの作る磁場

5-9 アンペールの法則の微分形

第6章 ベクトルポテンシャル

6-1 ベクトルポテンシャルとは何か

6-2 ベクトルポテンシャルを具体的に求める

  • di,grad,rotの公式(その2)
  • ビオ・サバールの法則からベクトルポテンシャルを導く

6-3 B=∇×Aのイメージ

6-4 静磁場の基本方程式

  • 静磁場の基本方程式を連立する

6-6 ここまでのまとめ

第7章 マクスウェル方程式

7-1 ファラデーの電磁誘導の法則

  • ファラデーの法則(積分形)
  • ファラデーの電磁誘導の法則(微分形)
  • 静電場の基本方程式との関係
  • ベクトルポテンシャルを用いた表現
  • 電場を2つのポテンシャルで表す

7-2 アンペール・マクスウェルの法則

  • コンデンサーの交流回路
  • 変位電流

7-3 マクスウェルの方程式

第8章 電磁波

8-1 波動方程式

  • 波動方程式の導出
  • 1次元波動方程式
  • 一次元波動方程式の解
  • 一次元波動方程式の一般解

8-2 電場の波と磁場の波の関係

8-3 電磁場のエネルギー

第9章 特殊相対論への道

9-1 マクスウェル方程式は,電磁気学の基本方程式なのか?

  • ニュートン力学は,ガリレイ変換に対して共変
  • マクスウェル方程式はガリレイ変換に対して共変なのか?
  • ヘルツの方程式を実験で検証する
  • エーテルは物体に引きずられて運動するのか?

9-2 ローレンツの理論

  • マイケルソン・モーレーの実験
  • ローレンツ変換
  • 特殊相対論
  • ローレンツ変換とガリレイ変換の関係
  • パラドックスの解答