現場の即戦力シリーズはじめての半導体リソグラフィ技術

[表紙]はじめての半導体リソグラフィ技術

紙版発売

A5判/312ページ

定価2,838円(本体2,580円+税10%)

ISBN 978-4-7741-4939-4

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書籍の概要

この本の概要

半導体リソグラフィ技術は,半導体集積回路の微細化,高集積化を牽引してきた中心的な技術です。しかもその技術は,パターンの原版となるマスクを作るマスク技術から,露光を行う露光装置技術,そして露光した潜像をレジストパターンとして,実際の加工につなげるレジストまで含む大きなシステム技術となっています。

本書では,光,電子線,X線,EUV光,その他のエネルギー線にわけて,それらのエネルギーレベル毎のリソグラフィ技術をわかりやすく紹介しています。さらにリソグラフィ技術を支えるマスク技術,レジスト技術,計測評価技術についても詳細に解説しています。

またリソグラフィ技術の進化が必ずしも半導体技術だけを中心にして進むとは限らない状況も生まれています。今後はメディアやMEMSなど,さまざまな応用分野に,リソグラフィ技術が応用されると思われます。そういう分野の方々への入門書としても活用できる一冊です。

こんな方におすすめ

  • 半導体デバイスの製造技術者・プロセスエンジニア
  • 半導体製造装置の設計・開発者
  • 半導体用材料メーカーの技術者
  • 半導体製造技術について勉強し知識を深めたいと志す人・研修生・学生

目次

1章 半導体集積回路の発展とリソグラフィ技術

  • 1.1 はじめに
  • 1.2 リソグラフィ技術とは
  • 1.3 リソグラフィシステムの発展
  • 1.4 まとめ

2章 光リソグラフィ技術

  • 2.1 はじめに
  • 2.2 光露光装置の歴史
    • 1 コンタクト・プロキシミティ露光
    • 2 ミラープロジェクション露光
    • 3 ステッパからスキャナへ
  • 2.3 縮小投影露光装置の実際
    • 1 縮小投影露光装置の構成
    • 2 Rayleighの式
    • 3 結像の基本
    • 4 投影光学系
    • 5 収差
    • 6 照明系
    • 7 解像力向上技術(RET)
    • 8 オーバーレイ精度
    • 9 ステージ
    • 10 フォーカス・レベリング検出
    • 11 液浸
  • 2.4 光リソグラフィの今後

3章 電子線リソグラフィ技術

  • 3.1 はじめに
  • 3.2 レジスト中での電子の散乱
    • 1 電子線の散乱過程の解析
    • 2 電子の物質中での軌跡
  • 3.3 近接効果とその補正技術
    • 1 電子線の堆積エネルギーの近似式と相反定理
    • 2 パターン内近接効果とパターン間近接効果
    • 3 近接効果補正
  • 3.4 電子線描画方式
    • 1 集束電子ビーム露光技術
    • 2 マルチビーム型電子線露光技術
    • 3 その他の方式

4章 X線・EUVリソグラフィ技術

  • 4.1 はじめに
  • 4.2 X線等倍近接転写技術
    • 1 露光システム(光源と露光装置)
    • 2 X線マスクとレジスト材料
    • 3 短波長化への取り組み
    • 4 その他の応用
  • 4.3 EUV露光技術(X線縮小投影露光技術)
    • 1 EUV露光装置の開発と経緯
    • 2 EUV光源
    • 3 非球面多層膜反射光学系
    • 4 多層膜反射マスク
    • 5 EUV露光装置
    • 6 EUVレジストプロセス
    • 7 今後の展開

5章 その他のリソグラフィ技術

  • 5.1 はじめに
  • 5.2 イオンビーム露光技術
  • 5.3 ナノインプリント技術
  • 5.4 自己整合型パターン形成技術
  • 5.5 その他のリソグラフィ技術

6章 マスク技術

  • 6.1 はじめに
  • 6.2 マスクパターンの作成
  • 6.3 光リソグラフィ用マスク
    • 1 基本構造
    • 2 位相シフトマスク
    • 3 ハーフトーン型位相シフトマスク
    • 4 計算機リソグラフィ技術とマスク技術
    • 5 欠陥検査・修正技術
  • 6.4 X線等倍近接転写露光用マスク
  • 6.5 EUV露光用マスク
  • 6.6 ナノインプリント用モールド(マスク)

7章 レジスト技術

  • 7.1 はじめに
  • 7.2 レジストの基礎
    • 1 レジストとは
    • 2 レジストに要求される性質
    • 3 光化学
    • 4 リソグラフィ技術で用いる露光波長と光化学
    • 5 X線(EUV)と分子との相互作用
    • 6 電子線と分子との相互作用
    • 7 現像
  • 7.3 レジスト材料開発の動向
    • 1 リソグラフィ動向とレジスト材料
    • 2 ポリケイ皮酸ビニル
    • 3 環化ゴム-ビスアジド系レジスト
    • 4 ジアゾナフトキノン(DNQ)-ノボラック樹脂系ポジ型フォトレジスト
    • 5 Dillの解析
    • 6 アジド化合物系フォトレジスト
    • 7 KrFエキシマレーザ(248nm)用化学増幅系レジスト
    • 8 ArFエキシマレーザ(193nm)用化学増幅系レジスト
    • 9 液浸用レジスト
    • 10 ダブルパターニング用レジスト
    • 11 EUV(Extreme UV: 13nm)用レジスト
    • 12 微細加工用レジストの課題
    • 13 電子線レジスト
  • 7.4 レジスト膜の多層化
    • 1 反射防止膜
    • 2 多層レジストプロセス
    • 3 コントラストエンハンスメントリソグラフィ

8章 計測評価技術

  • 8.1 はじめに
  • 8.2 SEMを用いた計測評価
    • 1 FE-SEMによるレジスト寸法の評価
    • 2 パターン形状評価と欠陥検査
  • 8.3 スキャトロメトリー(光散乱計測)
  • 8.4 パターン位置の計測評価
  • 8.5 パターンや表面の形状および寸法評価

9章 リソグラフィ技術の課題と今後の展望

  • 9.1 はじめに
  • 9.2 技術的な課題と今後の展望
  • 9.3 経済的課題と今後の展望
  • 9.4 まとめ

著者プロフィール

岡崎信次(おかざきしんじ)

1970年東京工業大学理工学部電子工学科卒業。1970年㈱日立製作所中央研究所に入所。1980年より1年間米国Rensselater Polytechnic Instituteに留学。1994年東京工業大学より工学博士授与。1995年日立製作所半導体事業部,1998年同社デバイス開発センターに異動,同年中央研究所に戻りASETに出向,EUV研究室室長としてEUVリソグラフィ技術の研究に従事。2002年ASET,EUVプロセス技術研究部部長に就任し,2006年日立中研に戻る。2008年日立を退社し同年㈱ギガフォトンに移り,EUVAに出向。IEEEフェロー,SPIEフェロー,応用物理学会フェロー。


鈴木章義(すずきあきよし)

1973年東京大学物理工学専門課程修士修了。1973年キヤノン㈱に入社。現在,半導体機器第4開発センター所長,キヤノンフェロー,SPIEフェロー。1984年光学論文賞,1985年機械振興協会賞。1991年東京大学より工学博士授与。


上野巧(うえのたくみ)

1979年東京工業大学大学院理工学研究科博士課程修了(理博)。1979年㈱日立製作所中央研究所に入所。1995年同社日立研究所,2001年日立化成工業㈱総合研究所,2002年日立化成デュポンマイクロシステムズ㈱,2005年より日立化成工業㈱筑波総合研究所主管研究員。