知りたい!サイエンスシリーズ地球とヒトと微生物
―身近で知らない驚きの関係―

[表紙]地球とヒトと微生物 ―身近で知らない驚きの関係―

四六判/272ページ

定価(本体1,580円+税)

ISBN 978-4-7741-7310-8

電子版

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書籍の概要

この本の概要

ヒトが生きていく上で欠かせないもの,それが微生物。
肉眼では見えない小さな生き物が,地球という大きなものに多大なる影響を与えている。
微生物と地球の関係とは? それがヒトの生活にどう関わっているのか?
そういう関係を追求するのが「生物地球化学」。
「生物地球化学」を通じて,微生物を介した地球とヒトの相互作用を見てみよう。

こんな方におすすめ

  • 微生物に興味のある方
  • 極限環境の生物に関心のある方
  • ※地球環境と微生物の関係を知りたい方に,とくにオススメです

目次

第1章 微生物とは何か

1-1 肉眼では見えない生物

  • 原核生物と真核生物/抗生物質への挙動が違う

1-2 微生物は何を食べるか

  • 光なしで有機物を食べる微生物/発酵とは/光なしで無機物のみを食べる微生物/光を利用して生きる微生物

1-3 発酵,呼吸,光合成

  • 発酵における基質レベルのリン酸化/アルコール発酵/乳酸発酵と癌細胞/呼吸と光合成

第2章 シトクロム

2-1 シトクロムとは何か

2-2 シトクロムの種類

2-3 ヘムおよび関連物質の生合成

  • 癌治療に利用されるプロトポルフィリンⅨ

第3章 自然界における窒素の循環と細菌たち

3-1 窒素の循環

  • 窒素の循環と微生物

3-2 窒素ガスをアンモニアに変える細菌

  • 根粒菌が窒素固定できる理由/マメ科植物の栽培の不思議/アゾトバクター属細菌/アゾスピリルム属細菌/シアノバクテリア/窒素ガスをアンモニアに変える細菌は生物進化の初期からいたか/酸素ガスに強いニトロゲナーゼ

3-3 アンモニアを硝酸にする細菌たち

  • アンモニア酸化細菌/亜硝酸の硝酸への酸化/有機物を食べてアンモニアを酸化する細菌

3-4 硝化細菌で火薬を造る

  • 床下の土から硝石を造る/硝石土培養法による製造

3-5 細菌による硝化が不完全だと野菜がしおれる

  • 大量の窒素肥料による影響

3-6 パラコートという除草剤

  • パラコートの作用/EPSPシンターゼを阻害するグリホセート

3-7 太古の地球表面は亜硝酸で汚染されていた?

  • アミノ酸配列の比較

3-8 硝酸塩を窒素ガスに変える微生物

  • 還元に関与する特有の酵素/異化型硝酸レダクターゼ/異化型亜硝酸レダクターゼ/一酸化窒素レダクターゼ/亜酸化窒素レダクターゼ/同化型硝酸レダクターゼ/同化型亜硝酸レダクターゼ

3-9 一酸化窒素は狭心痛を治しペニスを勃起させる

  • 硝酸塩は動物の体内組織で生成される/平滑筋を弛緩させる一酸化窒素

3-10 廃水中のアンモニアの処理

  • アンモニアを窒素ガスに変える/アナモックス細菌の活用

第4章 自然界における硫黄の循環と細菌たち

4-1 自然界を循環する硫黄

  • ヒトの細胞と硫黄

4-2 硫黄化合物を酸化する細菌

  • 光栄養硫黄細菌/硫黄酸化細菌とは/スタルケヤ・ノベラの硫黄化合物の酸化

4-3 硫酸塩の細菌による還元

  • 硫酸呼吸の仕組み/膜結合性シトクロムC3Ⅱの発見/無機硫黄化合物を体の構成物質に取り込む反応

4-4 細菌による硫化水素の生成・酸化と環境

  • 深い湖を護る光栄養硫黄細菌/硫黄鉱床の形成/硫酸還元菌の残した足跡から生命の起源の古さを探る/イネ(水稲)の秋落/硫黄酸化細菌は暗黒の深海底の動物界を支えている

4-5 硫黄酸化細菌によるコンクリートの腐食

  • 腐食されたコンクリートの中の細菌/細菌によるコンクリートの腐食のメカニズム/細菌によるコンクリートの腐食に対する防菌剤/ギ酸カルシウムの効果

第5章 細菌による鉄の酸化と還元

5-1 二価鉄を酸化する細菌

  • 酸性で二価鉄を酸化する細菌/アシジチオバチルス・フェロオキシダンスの二価鉄酸化メカニズム/中性で二価鉄を酸化する細菌/酸素ガスなしで二価鉄を酸化する細菌

5-2 三価鉄を還元する細菌

5-3 磁石を持つ細菌

  • 酵素によって作られるマグネタイト

5-4 酸性で二価鉄を酸化する細菌の応用

  • バクテリアリーチング/バクテリアリーチングによる銅の精錬/バクテリアリーチングによるウランの精錬/金属の湿式製錬/硫化水素の処理/微量の金を含むパイライトからの金を回収/鉱山の湧き水の処理

5-5 宅地の盤膨れ

  • 盤膨れの様相/盤膨れと細菌/盤膨れのメカニズム/各地で見られる盤膨れ/盤膨れの予防

第6章 炭素の循環と微生物

6-1 炭素の循環のあらまし

  • 食糧と競合しないバイオ燃料/二酸化炭素を消費する微生物

6-2 二酸化炭素を有機物に変えるメカニズム

  • カルビン-ベンソンサイクル/ハッチ-スラック経路/C3-植物とC4-植物/多肉植物の二酸化炭素固定反応

6-3 メタン生成菌によるメタンの生成

  • メタン生成菌は呼吸によりメタンを作る/メタン生成のメカニズム

6-4 メタン生成菌と環境

  • 水田からメタン発生の抑制/自然湿地からのメタンの発生/反芻動物の呼気から発生するメタン/廃水とメタン生成菌/メチル水銀とメタン生成菌

6-5 一酸化炭素を利用する細菌

第7章 地球のマグマ活動と古細菌

7-1 超高温で生育する微生物

7-2 古細菌

  • 古細菌の特徴/メタン生成菌/硫黄化合物を酸化,還元する高度好熱菌/高度好塩菌/マグマ活動との関連性

第8章 生命の起源当時の生物は何を食べていたか

8-1 解糖系は最古のエネルギー獲得系ではない

  • アルコール発酵する微生物/フリーな糖は存在したか

8-2 生命の起源当時の生物のエネルギー獲得系

  • 水素ガスを消費する微生物/呼吸の進化/原始地球の環境とエネルギー獲得反応

著者プロフィール

山中健生(やまなかたてお)

1932年高知県に生まれる。県立高知丸の内高等学校から大阪大学理学部に入学,化学生物学コース(生物学科)卒,同大学院で生物化学専攻,理学博士。1960年大阪大学理学部助手,同助教授。1982年東京工業大学理学部教授,1991年同生命理工学部教授。1993年同大学を停年退官,同名誉教授。1993~2002年日本大学理工学部教授。2002~2012年高知工科大学客員教授。1964~1966年米国カリフォルニア大学サンディエゴ校客員研究員。
主要著書:文献に引用したものの他,「微生物のエネルギー代謝」(学会出版センター),「微生物学への誘い」(培風館)など多数。