慢性病薬は,飲み続けなければいけないか? -薬の正しい知識を身につけて,自分の体を守ろう!-

[表紙]慢性病薬は,飲み続けなければいけないか? -薬の正しい知識を身につけて,自分の体を守ろう!-

紙版発売

四六判/224ページ

定価1,738円(本体1,580円+税10%)

ISBN 978-4-7741-8641-2

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書籍の概要

この本の概要

高齢化が進む中,高血圧や糖尿病,メタボリックや脂質異常など生活習慣病が問題になっています。50歳以上の人で薬を飲んでいない人の方が少ないかもしれません。中には毎日何種類もの薬を飲み続けている人も。果たして薬は飲み続けなければいけないのか? 薬と賢く付き合う方法を腎臓の専門医であり現クリニックの院長が,最新のエビデンスをもとに薬の種類から作用機序までを丁寧に解説します。最近やたらと批判の多い薬の処方ですが,現役の医師が明らかにした本当に飲むべき薬とそうでない薬とは?

こんな方におすすめ

  • 40代以降で,生活習慣病や持病を持ち,血糖値・血圧や尿酸値など数値を抑えるための薬などを処方されている人たち
  • またはその家族

目次

第1章 薬の効用とメカニズムを知ろう

  • 薬に対する基本的な知識と情報を増やそう
  • 薬のその他の分類とは
  • 薬を飲むタイミングとその意味とは?
  • 意外に知られていない薬の効き方と役割り
  • 薬が効くメカニズムとは?
  • 細胞の中で薬が働くしくみ……受容体と薬理作用
  • 薬の副作用の種類を知っておく
  • 恐ろしい薬の飲み合わせ

第2章 薬と現代医療のさまざまな問題点とは?

  • 薬の「凄さ」と「怖さ」を知っておこう!
  • 新薬の怖さと処方の仕方
  • 現代医療と多剤併用(ポリファーマシー)の問題
  • 多剤併用を招く日本の医療の構造的問題点とは?
  • 薬を減らす手順の確立が望まれる
  • 処方を受ける側のポリファーマシーに対する意識と注意点とは?
  • ガイドラインの重要性とその意義
  • 「標準治療」に終始することの問題点とは?
  • 個別医療と標準治療の問題
  • 医師と患者の信頼関係をどう築くかが先決

第3章 高血圧……飲むべき薬とそうでない薬(降圧薬)

  • 年間10万人が高血圧によって死亡している!
  • 降圧薬を飲んだ方がいいこれだけの理由
  • Ca拮抗薬の作用の仕方と特徴
  • ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)の作用の仕方と特徴
  • ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬の作用の仕方と特徴
  • 利尿薬の作用の仕方と特徴
  • 交感神経抑制薬の作用の仕組みと特徴
  • 高血圧の二つの種類とは?
  • 塩分制限と運動……生活習慣の改善が第一
  • 降圧薬の処方の実際
  • 降圧薬がいらない体を作る

第4章 糖尿病……飲むべき薬とそうでない薬

  • 60歳以上は2人に1人!?
  • 増え続ける糖尿病患者
  • 糖尿病が起きるしくみとは?
  • 糖尿病検査の数値の読み解き方
  • 糖尿病の種類……2型は生活習慣病
  • 糖尿病の薬にはどんなものがある?
  • インスリン製剤の作用の仕方と特徴
  • 「GLP1受容体作動薬」の作用の仕方と特徴
  • スルホニル尿素(SU)剤の作用の仕方と特徴
  • 速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)の作用の仕組みと特徴
  • DPP4阻害薬の作用の仕組みと特徴
  • ビグアナイド薬の作用の仕方と特徴
  • チアゾリジン薬の作用の仕組みと特徴
  • αグルコシダーゼ阻害薬の作用の仕組みと特徴
  • SGLT2阻害薬の作用の仕組みと特徴
  • 怖いのはむしろ低血糖!?
  • 現代の糖尿病治療薬,飲むべき薬と飲まなくてもいい薬とは?

第5章 脂質異常の薬……飲むべき薬とそうでない薬

  • 脂質異常症は動脈硬化を呼び込む
  • 脂質異常症が起きる原因とは?
  • コレステロールと中性脂肪の働きは謎だらけ!?
  • 脂質異常症の治療の種類とは?
  • 脂質異常症の薬の区分と種類
  • HMG CoA還元酵素阻害薬(スタチン)の作用の仕組みと特徴
  • 陰イオン交換樹脂(レジン)の作用の仕組みと特徴
  • 小腸コレステロールトランスポーター阻害薬(エゼチミブ)
  • フィブラート系薬の作用の仕組みと特徴
  • ニコチン酸誘導体の作用の仕組みと特徴
  • プロブコールの作用の仕組みと特徴
  • EPA(多価不飽和脂肪酸)の作用の仕組みと特徴
  • 動脈硬化のリスク評価と管理目標値
  • 厳しすぎる食事制限よりもむしろ薬を飲む!?
  • 脂質異常症で飲むべき薬とそうでない薬とは?

第6章 高尿酸血症・痛風……飲むべき薬とそうでない薬

  • 5人に1人が高尿酸血症に!
  • 高尿酸血症の定義と意識の変化
  • 尿酸ができるわけと尿酸値が高くなる仕組み
  • 痛風発作が起きる原因と激しい痛みの理由は?
  • 高尿酸血症の治療指針と実際の流れ
  • 痛風関節炎の発作時に使う薬
  • 尿酸生成抑制薬の作用の仕組みと特徴
  • 尿酸排泄促進薬の作用の仕組みと特徴
  • その他の薬の作用の仕組みと特徴
  • まずは生活習慣を改めることが先決
  • プリン体が多く含まれる食品とは?
  • 高尿酸血症と痛風で飲んだ方がいい薬とそうではない薬

第7章 腎臓病……飲むべき薬とそうでない薬

  • 増増え続ける腎臓病と透析患者数
  • あらたに定義されたCKD(慢性腎不全)の内容とは?
  • CKDとeGFRの関係
  • 腎臓は一度機能が低下したら復活は難しい!?
  • さまざまな合併症がCKD治療を複雑にする
  • CKDにおける降圧治療と薬
  • CKDにおける血糖コントロールの薬と治療
  • CKDにおける脂質異常の治療と薬
  • CKDにおける骨,ミネラルの代謝異常の治療と薬
  • CKDにおける尿酸管理と薬
  • 高K血症,代謝性アシドーシスの管理と薬

著者プロフィール

柘植俊直(つげとしなお)

1965年生まれ。1991年順天堂大学医学部卒業。国立病院医療センター(現・国立国際医療 研究センター)にて内科研修。2000年,順天堂大学医学部大学院卒業。2001年,フランス 国立衛生医学研究機構研究員(フランス国費留学生)。2006年,順天堂大学医学部腎・高血 圧内科講師。2007年順天堂大学医学部 腎・高血圧内科准教授・医局長。2009年,順天堂大 学付属順天堂医院 医療安全対策室室長を経て,2011年,茅ケ崎メディカルクリニック開院。 日本内科学会・総合内科専門医,日本腎臓学会・腎臓専門医,日本高血圧学会・高血圧専門医。 腎臓病や高血圧の専門医であり生活習慣病に詳しい。エビデンスに基づいた最新の治療を行 うとともに,患者一人一人と向き合う質の高い個別医療を目指す。