しっかりわかる新しい医療シリーズ腎機能が低下したときにすぐ読む本

[表紙]腎機能が低下したときにすぐ読む本

紙版発売

A5判/208ページ

定価1,738円(本体1,580円+税10%)

ISBN 978-4-7741-8690-0

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書籍の概要

この本の概要

慢性腎臓病(CKD)とは慢性に経過する腎臓病のことです。患者は1,330万人,20歳以上の成人の8人に1人いると考えられる,新たな国民病ともいわれています。生活習慣病との関連も深く,誰もがかかる可能性のある病気です。本書は,その方々の指針となる,正しいCKDの知識と,生活における対策を易しく伝えるために企画しました。本書のウリは,メタボとの関係をしっかり詳しく解説すること,民間療法色を排し医学的にしっかりかつ平易に書いてあること,スマホアプリの使い方が解説してあること,データブックなど資料を豊富に掲載してあること,にあります。

勢いで増えている慢性腎臓病。本書は最新のガイドラインに沿って,その病気を治すための考え方をわかりやすく解説しました。個々の遺伝子や生活環境によって,病気の進み方,薬の効き方が変わってくるので,自分に最適なライフスタイルの改善や治療を,読者が発見できることを願っています。

目次

序章 CKDは21世紀の新たな国民病

  • 増え続けるCKD患者数
  • 世界の患者数
  • CKDという考え方が生まれたわけ
  • CKDによって可能になったこと
  • CKDは生活習慣病の中心
  • 心血管疾患はCKD死因の第1位
  • コラム 世界的なCKD早期発見・早期治療の流れと国際協力

第1章 CKDとはどういう病気なのか

  • 1 腎臓のつくり
  • 2 腎臓の働き①
  • 3 腎臓の働き②
  • 4 CKDになりやすい要因
  • 5 メタボは危険因子
  • 6 健康診断で早期発見
  • 7 CKD患者の年齢層
  • 8 CKDの自覚症状
  • 9 CKDの検査①
  • 10 CKDの検査②
  • 11 CKDの検査③
  • 12 CKDの検査④
  • 13 CKDの診断
  • 14 CKDの重症度分類
  • 15 CKDの原因疾患
  • 16 CKDの原因疾患①
  • 17 CKDの原因疾患②
  • 18 CKDの原因疾患③
  • 19 このほかのCKD原因疾患
  • 20 CKDが危険な理由①
  • 21 CKDが危険な理由②
  • コラム 血中たんぱく質AIMがすべてを説明する?

第2章 腎機能を守るCKDの治療

  • 1 CKD治療の目的
  • 2 生活習慣の改善
  • 3 肥満の解消
  • 4 高血圧の改善
  • 5 高血糖の改善
  • 6 脂質異常の改善
  • 7 食事療法①
  • 8 食事療法②
  • 9 食事療法③
  • 10 嗜好品のとり方
  • 11 禁煙の必要性
  • 12 運動のすすめ
  • 13 ストレス対策
  • 14 重症度分類と治療
  • 15 薬物療法
  • 16 原因疾患の治療①
  • 17 原因疾患の治療②
  • 18 原因疾患の治療③
  • 19 CKDの合併症
  • コラム 進行を抑える最先端の試み

第3章 それでも,透析が必要になったら

  • 1 透析療法
  • 2 血液透析
  • 3 腹膜透析
  • 4 透析療法中の生活
  • 5 腎移植
  • コラム 失われた腎臓を取り戻す,再生医療の未来

第4章 CKD治療に役立つデータブック

  • CKDデータ
  • 食塩データ
  • たんぱく質データ
  • リンデータ
  • カリウムデータ
  • 運動データ
  • CKDの薬データ
  • コラム 診断と治療の確からしさと,個人への適性と,個人の選択

第5章 血圧・塩分摂取を管理する!便利なスマホアプリの使い方

  • 1 血圧の測り方
  • 2 血圧記録アプリの使い方
  • 3 食事の記録
  • 4 食事記録アプリの使い方

著者プロフィール

塚本雄介(つかもとゆうすけ)

IMSグループ板橋中央総合病院副院長・腎臓内科部長
1976年北里大学医学部を卒業し5年間の内科臨床研修の後,米国ベイラー医科大学に4年間留学。1985年には透析患者に水道水やリン吸着薬が原因で毒性のあるアルミニウムが蓄積することを明らかにした研究で医学博士号取得。2000年に誰もが最新の腎臓病に関する知識を得られるように「腎臓ネット」を 立ち上げる。2004年からKDIGOの国際ガイドラインを作成して世界の腎臓病患者の予後を改善する事業に共感して参加し,2006年米国腎臓財団から国際貢献賞を受賞。2007年に「アジアCKD対策フォーラム」を立ち上げ,アジア全体でCKD対策を推進する人的ネットワークを形成し,現在に至る。