知りたい!サイエンスシリーズなぜ人はドキドキするのか?

[表紙]なぜ人はドキドキするのか?

紙版発売
電子版発売

四六判/208ページ

定価1,738円(本体1,580円+税10%)

ISBN 978-4-7741-8693-1

電子版

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書籍の概要

この本の概要

私達の身体を動かしているのは,脳と神経伝達物質たちです。脳は,生命維持の指令を出し,逆に異常や痛み情報を受け取ります。その際の指令や情報のやり取りに,神経伝達物質が働いています。神経伝達物質には,人をドキドキさせたり,落ち着かせたりなどの重要な役割を担い,記憶や心の変化にまで影響を与えています。 本書は,神経伝達物質と脳の基礎知識から,神経伝達物質と心,神経伝達物質と病気,食物と神経伝達物質の関係,神経伝達物質と薬の作用などをやさしく解説します。理解しやすいように多数の図を掲載しています。人の心と行動にかかわる神経伝達物質の不思議な世界が見えてきます。

こんな方におすすめ

  • 神経伝達物質のはたらきを知りたい人
  • 脳と人の行動にかかわる神経伝達物質に興味のある人
  • 薬の作用機序を知りたい人

目次

第1章 神経と脳とは何者なのか?

  • 1-1 細胞と細胞の情報伝達
  • 1-2 中枢神経を構成する細胞たち《ニューロン》
  • 1-3 中枢神経を構成する細胞たち《オリゴデンドロサイト・シュワン細胞》
  • 1-4 中枢神経を構成する細胞たち《グリア細胞》
  • 1-5 神経ネットワークの中での情報伝達
  • 1-6 ニューロンの構造とその中で生み出される神経伝達物質
  • 1-7 神経伝達物質を受け取るのは受容体
  • 1-8 科学者は脳と心をどう考えてきたか?
  • 1-9 なぜ生命はシナプスと神経伝達物質を選択したのか?

第2章 すべては神経伝達物質の創造物

  • 2-1 こんな小さな分子で様々に変化する私たちの心
  • 2-2 神経伝達物質の一生
  • 2-3 皮膚で感じたことを脳に伝えるにはどうするか
  • 2-4 光を情報に変えて外界を認識する
  • 2-5 空気の振動をニューロンが音として認識するには
  • 2-6 臭覚と神経伝達物質
  • 2-7 神経伝達物質で料理をおいしく
  • 2-8 自律神経の働き
  • 2-9 言語能力は脳の特殊な領域の神経伝達物質で生み出されている
  • 2-10 運動が得意なのも苦手なのも神経伝達物質が原因だった
  • 2-11 心の中の予測を読み取る

第3章 神経伝達物質による生命の調整

  • 3-1 2つの受容体
  • 3-2 電気シナプス
  • 3-3 ノルアドレナリンが臓器の働きを最適化する
  • 3-4 セロトニンが覚醒させる心
  • 3-5 運動を調節するドパミン
  • 3-6 アセチルコリンによる全身バランスの調節
  • 3-7 ヒスタミンはアレルギーだけではなかった 摂食の調節
  • 3-8 興奮させるグルタミン酸,それを抑えるガンマアミノ酪酸
  • 3-9 その他の主な神経伝達物質の働き

第4章 こんな人の神経伝達物質はどうなっているのか

  • 4-1 すぐに忘れる記憶と保存しておく記憶
  • 4-2 非常に優れた自伝的記憶を持つ人
  • 4-3 楽しいことをしている人の神経伝達物質
  • 4-4 お笑い番組を見て笑い転げているときの神経伝達物質
  • 4-5 ギャンブルに依存する人の神経伝達物質
  • 4-6 覚醒剤に依存する人の神経伝達物質
  • 4-7 パーキンソン病患者の神経伝達物質
  • 4-8 タバコが吸いたくて仕方がない人の神経伝達物質
  • 4-9 感情を失った人の神経伝達物質
  • 4-10 一目惚れしたときの神経伝達物質
  • 4-11 ものすごいスポーツ選手の神経伝達物質
  • 4-12 キレる子供たちの神経伝達物質
  • 4-13 犯罪者の神経伝達物質
  • 4-14 手を洗い続ける心配性の人の神経伝達物質
  • 4-15 緊急事態に陥った人の神経伝達物質
  • 4-16 休憩している人の神経伝達物質
  • 4-17 眠くなっている人の神経伝達物質

第5章 食品が神経伝達物質に与える影響

  • 5-1 お茶を飲んで神経興奮(カフェイン)
  • 5-2 お酒による脳の機能変化(アルコール)
  • 5-3 肉が食べたくなるのは,セロトニン不足
  • 5-4 唐辛子がやめられない(カプサイシン)
  • 5-5 神経活動コントロールイオン(塩)

第6章 神経伝達物質やその受容体に作用する薬

  • 6-1 抗うつ薬
  • 6-2 抗てんかん薬
  • 6-3 抗パーキンソン病薬
  • 6-4 統合失調症治療薬
  • 6-5 認知症治療薬
  • 6-6 重症筋無力症治療薬
  • 6-7 制吐薬
  • 6-8 動揺病(乗り物酔い)
  • 6-9 双極性障害治療薬
  • 6-10 抗不安薬
  • 6-11 麻酔薬
  • 6-12 筋弛緩薬
  • 6-13 アルコール依存症治療薬

7章 幸せの青い鳥はどこにいるか

  • 7-1 神経系以外の体内情報ネットワークの発見
  • 7-2 幸福は脳のどこにあるの
  • 7-3 人はなぜドキドキするのか(恋愛中の脳の活動)