Software Design plusシリーズ進化する銀行システム 24時間365日動かすメインフレームの設計思想

書籍の概要

この本の概要

人々の生活や企業活動を支える銀行のオンラインシステム。地震などの大規模災害対策として,銀行の国際競争力を高める手段(振込の24時間化や休日・夜間の即時決済など)として,24時間365日止まらずに稼動し続けることが求められています。本書は,多くの銀行システムで採用されているメインフレームのしくみ,とくに信頼性,可用性,保守性を高める技術をわかりやすく解説します。銀行システムの歴史や特性,メインフレームやそのOS「z/OS」の特徴や機能を学びたい人,システムの障害・災害対策を検討したい人に役立つ1冊です。

こんな方におすすめ

  • 金融機関システムの開発/運用に携わっているSE
  • 金融機関のシステム部門のSE

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フィンテックでますます求められる銀行システムの24時間化
今,金融業界では「フィンテック(FinTech)」という言葉が注目されています。

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目次

第1部 銀行の勘定系オンラインシステムの特徴と歴史
第1章 勘定系オンラインシステムとは

  • 1-1 勘定系オンラインシステムとは
  • 1-2 銀行オンラインシステムの歴史

第2章 第1次オンラインシステム以前

  • 2-1 預金業務の多くは手作業
  • 2-2 業務における課題
    • コラム 預金勘定元帳と記帳会計機
  • 2-3 都市銀行独自の課題

第3章 第1次オンラインシステム

  • 3-1 オンラインシステム登場の背景
  • 3-2 この時代のオンラインシステムの特徴
    • 3-2-1 単科目オンライン
    • 3-2-2 どの支店からでも引き出し可能に
    • 3-2-3 CDの登場
  • 3-3 システムの構成
    • 3-3-1 命令実行速度
    • 3-3-2 窓口端末
    • 3-3-3 機器の構成
  • 3-4 その他の特徴
    • コラム IBM 1410/1440システム

第4章 第2次オンラインシステム

  • 4-1 オンラインシステム更改の背景
    • 4-1-1 科目間連動とCIFの利用
  • 4-2 店舗外CDとATMの登場
    • コラム 入金専用の自動機
  • 4-3 銀行間のCD提携
    • コラム 海外の銀行ATM
  • 4-4 システムの構成
  • 4-5 オンラインシステムに対する信頼性
    • コラム 世田谷火災と銀行業務への影響

第5章 第3次オンラインシステム

  • 5-1 オンラインシステム更改の背景
  • 5-2 システム更改内容と開発規模
  • 5-3 システム的な特徴
    • 5-3-1 システム構成
    • 5-3-2 情報処理管理システムの採用
    • 5-3-3 ホットスタンバイシステムの採用
    • 5-3-4 データ共用のしくみの導入
    • 5-3-5 開発生産性向上
    • 5-3-6 サブシステム・パッケージの導入
    • 5-3-7 情報系へのデータ受け渡しのしくみ
    • 5-3-8 バッチ運用管理
    • コラム 銀行システムのネットワーク①──ATMのネットワーク
    • コラム 銀行システムのネットワーク②──銀行間の振込
    • コラム 銀行システムのネットワーク③──電信扱いと文書扱い

第6章 ポスト第3次オンラインシステム

  • 6-1 システムの統合
  • 6-2 ネットワークのTCP/IP化
  • 6-3 インターネットバンキングの普及
  • 6-4 システムの共同化
  • 6-5 オープンシステムの登場
  • 6-6 災害対策システムの高度化

第2部 システムを構成するハードウェア,ソフトウェア
第7章 銀行オンラインシステムの構成

  • 7-1 銀行オンラインシステムの全体像

第8章 メインフレームとオペレーティングシステム「z/OS」

  • 8-1 メインフレームとはどんなコンピュータか
    • 8-1-1 名称の由来
    • 8-1-2 ほかのコンピュータとの違い
    • コラム ホストとメインフレーム──用語の統一がされない世界
  • 8-2 メインフレームとz/OSの特徴
    • 8-2-1 アーキテクチャに基づいた仮想化
    • 8-2-2 独立した入出力機構
    • 8-2-3 マルチユーザを前提としたシステム
    • コラム JCLのREGIONパラメータ
    • 8-2-4 属性つきのデータ
    • 8-2-5 複数システムを前提としたシステム

第9章 IMSというミドルウェア

  • 9-1 歴史
  • 9-2 IMSのデータベース管理機能
    • 9-2-1 DEDB
    • 9-2-2 MSDB
    • 9-2-3 DEDBの拡張機能VSO
  • 9-3 IMSのトランザクション管理機能
    • コラム ATMの画面と電文の関係
  • 9-4 IMSのアドレス・スペース構成
    • 9-4-1 制御リージョン
    • 9-4-2 DBRCリージョン
    • 9-4-3 DLISASリージョン
    • 9-4-4 従属リージョン
  • 9-5 FP機能
    • 9-5-1 高い処理能力
    • 9-5-2 高い可用性
    • 9-5-3 大容量データベース

第10章 SAIL/CAP

  • 10-1 SAILのメリット
    • 10-1-1 開発および保守生産性の向上
    • 10-1-2 高可用性
    • 10-1-3 拡張性
    • 10-1-4 運用容易性
    • 10-1-5 レス・バッチ・システム機能

第11章 メインフレームが選択された理由

  • 11-1 信頼性に優れている
  • 11-2 可用性に優れている
  • 11-3 互換性に優れている
  • 11-4 拡張性に優れている
  • 11-5 業務全体の処理効率が優れている
  • 11-6 I/O処理の効率が優れている

第3部 システムの安定性,性能を高める技術
第12章 障害に強いシステムを作るための技術

  • 12-1 計画外停止を起こさないために
  • 12-2 データの二重化
    • 12-2-1 オンライン資源の二重化
    • 12-2-2 バッチデータの二重化
    • 12-2-3 新しいデータの二重化の方式
  • 12-3 サーバの二重化
    • 12-3-1 ホットスタンバイ方式
    • 12-3-2 並列処理方式
    • 12-3-3 サーバの二重化のまとめ
  • 12-4 ネットワークの二重化
  • 12-5 データセンターの二重化
    • 12-5-1 災害対策の9レベル
    • 12-5-2 アメリカと日本の災害対策の違い
    • 12-5-3 新たな災害対策の考慮
    • 12-5-4 災害対策の方式
    • コラム GDPSとは

第13章 パフォーマンスを維持するための技術

  • 13-1 基本機能としてのパフォーマンス向上技術
    • 13-1-1 背景
    • 13-1-2 データベース自体のI/O処理の高速化
    • 13-1-3 データベースを高速化する技術
    • 13-1-4 プログラム呼び出しを高速化する技術
  • 13-2 データベースI/Oの長時間化を防止する技術
    • 13-2-1 背景
    • 13-2-2 技術
  • 13-3 業務プログラムの処理の長時間化を防止する技術
    • 13-3-1 背景
    • 13-3-2 技術
  • 13-4 デッドロックを解消させる技術
    • 13-4-1 背景
    • 13-4-2 技術
  • 13-5 ロック待ちの長時間化を防止する技術
    • 13-5-1 背景
    • 13-5-2 技術
  • 13-6 その他の技術 異常終了回数の制限
    • 13-6-1 背景
    • 13-6-2 技術

第4部 システム安定化への取り組みと今後
第14章 銀行オンラインシステムの技術を活かす取り組み

  • 14-1 同じソフトウェアを使用してもシステムの安定性は異なる
    • 14-1-1 使用している機能が異なる
    • 14-1-2 ソフトウェアの修正度合いが異なる
    • 14-1-3 システムに対する負荷が異なる
    • 14-1-4 CPUのモデルや処理速度が変わる
    • 14-1-5 統一したソリューションの展開
  • 14-2 ソフトウェアの修正をどのように検証しているか
    • 14-2-1 一般的なソフトウェアの修正と検証
    • 14-2-2 銀行に特化した検証
  • 14-3 パラメータを共通化することによるメリット
    • 14-3-1 使用する機能が同じ
    • 14-3-2 予定外の動きをしても見分けやすい
    • 14-3-3 銀行に特化した検証をメーカー側で実施しやすい
  • 14-4 安定化の取り組み事例
    • 14-4-1 銀行に特化した検証
    • 14-4-2 障害情報の横展開
    • 14-4-3 ヒヤリハット情報の横展開
    • 14-4-4 安定化のためのガイドラインと点検

第15章 銀行オンラインシステムの今後のゆくえ

  • 15-1 災害対策機能の強化
    • 15-1-1 取引集中による業務停止
    • 15-1-2 電力の供給に対する認識の甘さ
  • 15-2 オンラインシステムのソフトウェア構成は変わるか
    • 15-2-1 現状の形態が続く場合の予想
    • 15-2-2 共同システムに乗り換える場合の予想
    • 15-2-3 システム全体を再構築する場合の予想
  • 15-3 全銀システムの24時間化
  • 15-4 海外の銀行などを参考としたシステム
    • 15-4-1 clearXchange
    • 15-4-2 Faster Payments
    • 15-4-3 デビットカードの普及

著者プロフィール

星野武史(ほしのたけし)

1960年生まれ。銀行のオンラインシステムに携わりたいと希望し,1985年日本アイ・ビー・エム株式会社に入社。最初の配属先で銀行の第3次オンラインシステムの基盤製品の品質検証を行う。以来通算25年以上,日本だけでなくアジアもふくめた銀行システムの安定稼働・品質向上のための各種活動を実施し,現在も継続中。その一環として米国シリコンバレーの開発部門にて安定稼働のための製品開発を行ったこともある。現在は銀行システムの将来像を見据えた活動も実施中。


花井志生(はないしせい)

監修。
入社当時はC/C++を用いた組み込み機器(POS)用のアプリケーション開発に携わる。
10年ほどでサーバサイドに移り,おもにJavaを使用したWebアプリケーション開発に軸足を移す。
2015年夏からクラウドを用いたソリューションのテクニカル・コンサル,PoCを生業としている。
おもな著書にJava,Ruby,C言語を用いたものがある。