生物ミステリー(生物ミステリー プロ)シリーズカモノハシの博物誌
~ふしぎな哺乳類の進化と発見の物語

[表紙]カモノハシの博物誌 ~ふしぎな哺乳類の進化と発見の物語

紙版発売
電子版発売

A5判/224ページ

定価2,508円(本体2,280円+税10%)

ISBN 978-4-297-11512-8

電子版

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書籍の概要

この本の概要

ヘンな動物の代表格・カモノハシ。
関西のicocaカードのキャラクターでもあり,巷ではけっこうな人気者。
そのわりになぜだか情報が少ない・・・。
理由はいたって簡単。
原産地オーストラリア以外で全く飼育されていないので,現地に行かないと観察できないから。
このおかげで,人気のある動物なのに類書が全くない状況。
専門書を除くと世界的にもオーストラリアに数冊あるのみという惨状。。。

一体カモノハシはどんな動物なのだろう?
カモノハシはどうやって進化してきたの?

そんなカモノハシの不思議に,気鋭のカモノハシ研究家がぐっと迫る。
謎多きカモノハシ,その魅力にぜひふれてほしい。

目次

Chapter1カモノハシの形態学

  • 1-1図解 カモノハシ
  • 1-2カモノハシの体
  • 1-3カモノハシの消化

Chapter2カモノハシの生態学

  • 2-1カモノハシの生態
  • 2-2カモノハシの一日
  • 2-3カモノハシの子育て
  • 2-4動物園で繁殖

Chapter3カモノハシと哺乳類の進化

  • 3-1カモノハシから考える哺乳類の進化の歴史
  • 3-2哺乳類の誕生
  • 3-3哺乳類らしさの進化1 子育てと授乳
  • 3-4哺乳類らしさの進化2 胎盤の進化
  • 3-5哺乳類らしさの進化3 恒温性と体毛
  • 3-6哺乳類らしさの進化4 歯の形態
  • 3-7哺乳類らしさの進化5 顎の骨と耳の骨
  • 3-8哺乳類らしさの進化6 脊椎動物における運動様式の進化

Chapter4化石単孔類の研究

  • 4-1さまざまな化石単孔類
  • 4-2いまだ明かされていない単孔類進化の謎
  • 4-3カモノハシ生存の秘訣

Chapter5カモノハシが歯を失った話と私

  • 5-1カモノハシの研究者になるまで
  • 5-2カモノハシが歯を失った理由

Chapter6カモノハシの発見と研究の歴史

  • 6-1カモノハシ発見の歴史
  • 6-2東洋の博物学
  • 6-3カモノハシの博物学
  • 6-4進化という考え方の歴史とカモノハシの影響
  • 6-5戦争 & 国際社会とカモノハシ

Chapter7人間社会とカモノハシ

  • 7-1カモノハシの危機と保護
  • 私のカモノハシ研究の背景とこれから あとがきにかえて
  • カモノハシ・ファクトシート
  • 参考文献

著者プロフィール

浅原正和(あさはらまさかず)

幼い頃からのカモノハシ好きが高じて,カモノハシなど哺乳類のかたちの進化を研究しています。
頭の骨や歯のかたちの進化が専門です。
京都大学大学院理学研究科修了,博士(理学)。現在,愛知学院大学で生物学を教えています。
専門はこの通り生物学分野ですが,カモノハシ好きのせいで専門を飛び出してオーストラリアが行ってきた“カモノハシ外交”の歴史を調べたりもしています。
2016年日本哺乳類学会奨励賞,2019年日本進化学会研究奨励賞受賞。