良いコード/悪いコードで学ぶ設計入門
―保守しやすい 成長し続けるコードの書き方

[表紙]良いコード/悪いコードで学ぶ設計入門 ―保守しやすい 成長し続けるコードの書き方

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電子版発売

A5判/400ページ

定価3,278円(本体2,980円+税10%)

ISBN 978-4-297-12783-1

電子版

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書籍の概要

この本の概要

「ITエンジニア本大賞2023」技術書部門で大賞受賞!

本書は,より成長させやすいコードの書き方と設計を学ぶ入門書です。

システム開発では,ソフトウェアの変更が難しくなる事態が頻発します。コードの可読性が低く調査に時間がかかる,コードの影響範囲が不明で変更すると動かなくなる,新機能を追加したいがどこに実装すればいいかわからない……。

変更しづらいコードは,成長できないコードです。ビジネスの進化への追随や,機能の改善が難しくなります。

成長できないコードの問題を,設計で解決します。

こんな方におすすめ

  • コードの設計スキルに興味がある人
  • 日々,悪いコードと向き合っていて改善したい人
  • より良いコードを書きたい人

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悪いコードの正体を知り,良いコードを書けるようになろう
本書は、より成長させやすいコードの書き方と設計を学ぶ入門書です。

本書のサンプル

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目次

1 悪しき構造の弊害を知覚する

  • 1.1 意味不明な命名
  • 1.2 理解を困難にする条件分岐のネスト
  • 1.3 さまざまな悪魔を招きやすいデータクラス
  • 1.4 悪魔退治の基本

2 設計の初歩

  • 2.1 省略せずに意図が伝わる名前を設計する
  • 2.2 変数を使い回さない,目的ごとの変数を用意する
  • 2.3 ベタ書きせず,意味のあるまとまりでメソッド化
  • 2.4 関係し合うデータとロジックをクラスにまとめる

3 クラス設計 ―すべてにつながる設計の基盤―

  • 3.1 クラス単体で正常に動作するよう設計する
  • 3.2 成熟したクラスへ成長させる設計術
  • 3.3 悪魔退治の効果を検証する
  • 3.4 プログラム構造の問題解決に役立つ設計パターン
  • Column 種類の異なる言語と本書のノウハウ

4 不変の活用 ―安定動作を構築する―

  • 4.1 再代入
  • 4.2 可変がもたらす意図せぬ影響
  • 4.3 不変と可変の取り扱い方針

5 低凝集 ―バラバラになったモノたち―

  • 5.1 staticメソッドの誤用
  • 5.2 初期化ロジックの分散
  • 5.3 共通処理クラス(Common・Util)
  • 5.4 結果を返すために引数を使わないこと
  • Column C#のoutキーワード
  • 5.5 多すぎる引数
  • 5.6 メソッドチェイン

6 条件分岐 ―迷宮化した分岐処理を解きほぐす技法―

  • 6.1 条件分岐のネストによる可読性低下
  • 6.2 switch文の重複
  • Column クソコード動画「switch文」
  • 6.3 条件分岐の重複とネスト
  • 6.4 型チェックで分岐しないこと
  • 6.5 interfaceの使いこなしが中級者への第一歩
  • 6.6 フラグ引数

7 コレクション ―ネストを解消する構造化技法―

  • 7.1 わざわざ自前でコレクション処理を実装してしまう
  • Column 車輪の再発明
  • 7.2 ループ処理中の条件分岐ネスト
  • 7.3 低凝集なコレクション処理

8 密結合 ―絡まって解きほぐせない構造―

  • 8.1 密結合と責務
  • Column クソコード動画「共通化の罠」
  • 8.2 密結合の各種事例と対処方法
  • Column クソコード動画「継承」

9 設計の健全性をそこなうさまざまな悪魔たち

  • 9.1 デッドコード
  • 9.2 YAGNI原則
  • 9.3 マジックナンバー
  • 9.4 文字列型執着
  • 9.5 グローバル変数
  • 9.6 null問題
  • 9.7 例外の握り潰し
  • 9.8 設計秩序を破壊するメタプログラミング
  • 9.9 技術駆動パッケージング
  • 9.10 サンプルコードのコピペ
  • 9.11 銀の弾丸

10 名前設計 ―あるべき構造を見破る名前―

  • 10.1 悪魔を呼び寄せる名前
  • 10.2 名前を設計する―目的駆動名前設計
  • 10.3 設計時の注意すべきリスク
  • 10.4 意図がわからない名前
  • Column 技術駆動命名を用いる分野もある
  • 10.5 構造を大きく歪ませてしまう名前
  • Column クソコード動画「Managerクラス」
  • 10.6 名前的に居場所が不自然なメソッド
  • 10.7 名前の省略

11 コメント ―保守と変更の正確性を高める書き方―

  • 11.1 退化コメント
  • 11.2 コメントで命名をごまかす
  • 11.3 意図や仕様変更時の注意点を読み手に伝えること
  • 11.4 コメントのルール まとめ
  • 11.5 ドキュメントコメント

12 メソッド(関数) ―良きクラスには良きメソッドあり―

  • 12.1 必ず自身のクラスのインスタンス変数を使うこと
  • 12.2 不変をベースに予期せぬ動作を防ぐ関数にすること
  • 12.3 尋ねるな,命じろ
  • Column クソコード動画「カプセル化」
  • 12.4 コマンド・クエリ分離
  • 12.5 引数
  • 12.6 戻り値
  • Column メソッドの名前設計
  • Column staticメソッドの扱いに注意

13 モデリング ―クラス設計の土台―

  • 13.1 邪悪な構造に陥りがちなUserクラス
  • 13.2 モデリングの考え方とあるべき構造
  • 13.3 良くないモデルの問題点と解決方法
  • Column クソコード動画「Userクラス」
  • 13.4 機能性を左右するモデリング

14 リファクタリング ―既存コードを成長に導く技―

  • 14.1 リファクタリングの流れ
  • 14.2 ユニットテストでリファクタリングのミスを防ぐ
  • 14.3 あやふやな仕様を理解するための分析方法
  • 14.4 IDEのリファクタリング機能
  • 14.5 リファクタリングで注意すべきこと
  • Column Railsアプリのリファクタリング

15 設計の意義と設計への向き合い方

  • 15.1 本書はなんの設計について書いたものなのか
  • 15.2 設計しないと開発生産性が低下する
  • 15.3 ソフトウェアとエンジニアの成長性
  • 15.4 課題を解決する
  • 15.5 コードの良し悪しを判断する指標
  • Column クラスを分割すると読みにくくなる?
  • 15.6 コード分析をサポートする各種ツール
  • Column シンタックスハイライトを品質可視化に利用する
  • 15.7 設計対象と費用対効果
  • 15.8 時間を操る超能力者になろう

16 設計を妨げる開発プロセスとの戦い

  • 16.1 コミュニケーション
  • 16.2 設計
  • 16.3 実装
  • 16.4 レビュー
  • 16.5 チームの設計力を高める

17 設計技術の理解の深め方

  • 17.1 さらにステップアップするための設計技術書紹介
  • Column バグ退治RPG『バグハンター2 REBOOT』
  • 17.2 設計スキルを高める学び方
  • Column C#と長き旅,そして設計への道

著者プロフィール

仙塲大也(せんばだいや)

青森県出身。大手電機メーカーなどを経て,現在はREADYFOR株式会社にてアプリケーションアーキテクトを務める。リファクタリングや設計全般を推進。
悪しきコードとの戦いの中で設計の魅力に気付く。暇さえあれば脳内でリファクタリングしている。
Twitterではプログラミングの風刺動画を不定期で投稿。
Developers Summit 2021 Summerベストスピーカー賞3位。その他登壇多数。

Twitter : ミノ駆動(@MinoDriven