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「世界天文年」に宇宙を想うひととき

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ガリレオが望遠鏡を手にし,宇宙をのぞいてから400年が経ちました。これを記念し,今年は「世界天文年」としてさまざまなイベントが世界各地で催されます。

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「 宇宙はどうやって生まれたのか」「地球はなぜあるのか」だれもが一度は思いうかべる問いではないでしょうか。科学と技術,尽きることのない人の探求心によって,少しずつ宇宙の姿を知り,答えに近づくことができるようになりました。

この節目の年に,読書を通して宇宙をのぞいてみませんか?

羽馬有紗(はばありさ)さんに聞いてみました

イラストでめぐる宇宙の歴史ものがたり『エレンの宇宙』を執筆し,この春からオランダに活動拠点を移されたばかりの羽馬有紗さんに,制作裏話をお伺いしました。

この物語は,電子エレンが少女の一部であることを自覚したところから宇宙の歴史を回想しますが,エレンはどのように誕生したのですか?

宇宙の歴史を書きたいと思ったきっかけは父の「自分が宇宙のどういうところにいるのかがわからない」という言葉です。わたしたちは地球という惑星にいるわけですが,それは宇宙のどんな構造の中に位置して,どんな時代を経てここに存在するのか,おおまかな理解でもいいから,これまでの研究からいまのところわかっていることを物語風に書けたらなと思いました。

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この物語のタイムスケールは137億年という気の遠くなるような年月です。その年月についてこれる存在は何だろうと考えると,身近な素粒子・電子を思いつきました。そこから主人公エレンが生まれたのです。

物語と科学的な解説をを併行して描くことは大変ではなかったですか?

正直難しかったです! なるべく説明文にならないように気をつけましたが,それでもくどい説明になっているところがはじめのうちはたくさんあって,監修協力の須藤靖先生と編集担当のAさんに指摘してもらって,なんども書き直しました。

また,エレンのセリフにわざとらしさがないように気をつけました。エレンが疑問を投げかけて,語り手がそれに答える,というようないわゆる参考書的な本にしたくなかったので,エレンのセリフが明らかにこの先の展開の誘導になっているというようなことのないよう,なるべく絵本をかいているような気分で作りました。

羽馬さんが考える科学の面白さってどんなところだと思いますか?

見えている現象について理解できるってすごいと思いますが,見えていない,経験のできないことについて理解できることこそとても面白いことだと思います。

たとえば宇宙が誕生して1秒後にどうなっているのかとか,ブラックホールに入ろうとするとどうなるのかとか。

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「エレンがいま偶然にも自分の体の中にいるのかも」と思って読んでもらうと,宇宙137億年の思い出の中に自分がいつも入っているような気持ちで読み進められると思いますよ。

エレンと一緒に駆けめぐる,137億年の旅へようこそ

はるか遠い昔,宇宙のはじまりとエレンにはどのようなつながりがあるのでしょうか。また,人間とエレンの関係とは? こたえは,本書を読んでのお楽しみです。あまりに大きな存在である宇宙,その歴史をエレンとともにさかのぼっていくことで少しでも身近にとらえることができるかもしれません。

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本書のデザインは,「R25」「大人たばこ養成講座」などでおなじみのアートディレクター・寄藤文平氏の手によるもの。

強さを放つ独特の色あわせとダイナミックな文字使いにより『エレンの宇宙』にさらなる個性が加わりました。

はじめて宇宙の秘密に触れる方に,ぜひおすすめしたい1冊です。

世界天文年とは?

2009年はイタリアの科学者ガリレオ・ガリレイがはじめて望遠鏡を夜空に向け,宇宙への扉を開いた1609年から,400年の節目の年です。国際連合,ユネスコ(国連教育科学文化機関),国際天文学連合は,この2009年を「世界天文年(International Year of Astronomy:略称 IYA)」と定めました。

技術評論社でも,世界天文年を盛り上げるため,特設ページを用意しました。

こちらのページににぜひアクセスしてみてください。

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