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美肌のもとは泉質+微量成分にあった―メタケイ酸とカルシウムイオン―

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温泉法で掲示が定められている「温泉分析書」には,泉質による適応症が記されています。これはあくまでも一般的なこと,たとえば温泉で血行がよくなれば神経痛が和らぐといった程度のものですが,そこには病気や症状の名前などが書かれています。

実際にその温泉がどんな効能をもたらしてくれるかは,宿の主人やそこに通ってきている人たちの声を参考にするのがベターといえ,何らかの疾病を改善させたいというなら,情報収集が大切になります。

一方,多くの人は温泉に疲労回復やリフレッシュ効果を求めるなか,特に女性にとってもうひとつ,気になるのが美肌効果ではないでしょうか。「あの温泉は,肌がすべすべになる」とか「肌がしっとりして化粧のりがよくなった」等々,温泉が肌を若々しく,イキイキさせてくれることを,文字通り肌で知っているわけです。

そのひとつの目安とされているのが泉質です。肌への刺激が少ないアルカリ性単純温泉,皮膚を柔らかく滑らかにしてくれる重曹泉,肌の角質に効果がある硫黄泉などを多く含む温泉は,よく「美人の湯」などと呼ばれ,人気があります。

そのいずれもが,それぞれに効果を発揮するせいか,湯上がりの浴衣姿に思わずハッとしたという経験を持つ男性も少なくないと思いますが,この美肌効果には共通する温泉の微量成分が関係していることがわかってきました。

そのひとつが,半導体部品に使われるケイ素と酸素,水素の化合物であるメタケイ酸。コラーゲンの生成を助けて肌をみずみずしくしてくれる効果があります。そこに,肌をつるつるにする作用を持つカルシウムイオンが加わることで,表皮細胞の角質化が促進され,肌のセラミド(細胞間脂質)を整えてくれるというのです。

露天風呂(鶴の湯温泉)

露天風呂(鶴の湯温泉)

まだ,科学的に解明されない部分もありますが,これらの成分が多い温泉で美肌効果が高いことは経験的に知られており,そうした温泉は女性にとってまさに若返りの水,ということになりそうです。提供している温泉に含まれるメタケイ酸やカルシウムイオンについて,ホームページ等でアピールする宿も増えていますので,温泉旅行の際に参考にしてみるのもいいかもしれません。

(「知るほどハマル! 温泉の科学」コラムより)

温泉の泉質 ※[ ]は新表記

単純温泉[単純温泉,アルカリ性単純温泉]
食塩泉[ナトリウム-塩化物泉]
硫黄泉[単純硫黄泉,単純硫化水素泉]
鉄泉[鉄Ⅱ-炭酸水素泉,鉄Ⅱ-硫酸塩泉]
重曹泉[ナトリウム-炭酸水素塩泉]
明ばん泉[アルミニウム-硫酸塩泉]
硫酸塩泉[マグネシウム-硫酸塩泉,ナトリウム-硫酸塩泉,カルシウム-硫酸塩泉]
単純炭酸泉[単純二酸化炭素泉]
酸性泉[単純酸性泉]
放射能泉[単純放射能泉,単純弱放射能泉]
重炭酸土類泉[カルシウム(マグネシウム)-炭酸水素塩泉]

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