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虚数と複素数から見えてくるオイラーの発想~e,i,πの正体~

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なぜ虚数があるの?

虚数iやネイピア数eなど,数学にはなんでこんな数があるの?といわれるものがあります。ふだん生活していて使うことがなく,また実際に目に見えるものでもありませんからそう思うのも無理はありません。虚数は二次方程式の解を求めたときくらいしかお目にかからなかったという方もいらっしゃるでしょう。複素数や無理数は確かに日常の会話では出てきませんね。しかしながら,そういった数(超越数)がなければ,物理や化学という分野も成り立たなかったかもしれないのです。そして虚数やネイピア数を発見した人こそ,かの大数学者レオンハルト・オイラー(1707-1783)なのです。

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オイラーの発想に迫る!

それではなぜオイラーは虚数やネイピア数を考えだすに至ったのでしょうか。なんのためにこんな数を無理矢理作って定義したのか気になりますね。それを解明するのが本書の目的です。

複素数が真価を発揮する一つをご紹介すると,電気回路のインピーダンスです。実数の世界で考えると複雑な関係式も,複素数の世界では簡単で美しい式で表すことができます。このように虚数やネイピア数は意外なところに潜んでいるのです。これまで遠い存在だった虚数や複素数に親近感がわくこと間違いなしです。

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