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情報が氾濫する時代にこそ,アイデアを生み出す力は貴重な存在となる

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よいアイデアがなかなか出てこなくて頭をかかえる……そんな経験は誰にでもあるはず。これだけインターネットが発達し,グーグルもあればソーシャルメディアもあり,多種多様な情報管理・整理のためのアプリも揃っているにもかかわらず,⁠よいアイデア」は簡単には出てきません。情報は検索することができますが,アイデアは検索からは生まれてこない。情報とアイデア(=価値を生み出す源)は別物なのです。

では,アイデアを生みだすためにはどうすればいいのか。どんなトレーニングが必要なのか。そんな疑問に正面から答えたのが本書です。

よいアイデアはよい畑から生まれます。よい畑を持つためには,アイデアの「地層」が必要。その「アイデア地層」はいくつかのツールと多少のノウハウさえあれば,誰にでもつくることができる。これが著者の主張です。

『知的生産の技術』⁠超」発想法』など古今東西の発想術のポイントをふまえ,そのうえで著者が自身の実践から編み出した具体的な手法を,ノート・メモ帳を中心とした昔ながらのアナログツールと,Evernoteを中心としたデジタルツール(iPhone,iPad,PC環境⁠⁠,それぞれの特長を活かした合わせ技で紹介します。

アイデアの種を見つける様々なメモ術,見つけたアイデアの種を大きく育てるための連想ノート術,育てたアイデアの実を収穫するための「整想」のプロセス,そして本書のハイライトとなる,思いつきのメモ,気になったフレーズ,面白かったウェブの記事のURL…などを,Evernoteによって「地層化」していく「アイデア地層のつくり方」など,実践的なノウハウがぎっしり詰まっています。

デジタルもアナログも駆使して「いいとこどり」するハイブリッド発想術。最新版「アイデアの教科書」とも言える内容です。