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2008年8月25日Firefox 3にトレーシングJIT技術統合、20-40倍の性能向上も

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Firefox boosts its JavaScript performance

ars technica - Firefox to get massive JavaScript performance boostにおいて、Firefoxの開発ブランチにマージされた新しい最適化技術によって、次期アップデート版となるFirefox 3.1のJavaScript処理性能は見事な向上を見せるだろうということが紹介されています。

MozillaではAdobe Systemsから寄贈されたJavaScript関連コードをTamarinに取り込んで開発を進めています。TamarinはFirefox 4のデフォルトJavaScriptエンジンになると見られる技術実装で、トレーシングJIT技術を活用した高速なJavaScript実装が最大の特徴です。

しかしながら、ECMAScript 4とECMAScript 3.1の協議の結果、いわゆるJavaScript 2.0のベース仕様として採用される規約がECMAScript 3.1になったとこで、Tamarinはさらに調整が必要になったといえます。TamarinはもともとECMAScript 4の規約策定に参加していたAdobe Systemsから寄贈された技術を採用しているためです。

この影響でMozillaにおけるJavaScript開発に遅れがでるのではないかと懸念されるところですが、MozillaはFirefox 3のJavaScriptエンジンであるSpiderMonkeyにTamarinで採用されているトレーシングJIT技術をマージし、現行のFirefox 3エンジンのまま性能の向上を実現しました。同記事によれば特定の処理で20倍から40倍の高速化が実現された他、SunSpiderベンチマークでも1.8倍の高速化が計測されています。

JIT技術の導入はApple主導で開発されているWebKitの開発でも取り組まれており、同成果物はSafari 4.0で取り込まれることになるとみられます。2008年終わりごろにリリースされる次期WebブラウザはそろってJavaScriptの性能を向上させることになりそうです。

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