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ロクナナワークショップ NEWS & REPORT

フォローアップ「Try the ActionScript 3D 野中文雄のFlash CS4で学ぶ3次元表現」

野中文雄氏

野中文雄氏

本イベントでは、ロクナナワークショップの人気講座「野中文雄の応用力に差をつけるActionScript数学講座 」を担当され,Flash解説書籍の執筆など幅広く活躍されている野中文雄氏をゲストに,Flash CS4 Professionalより加わった3次元表現を可能にする3つのクラスとひとつのメソッドが紹介されました。

本稿では野中氏からの解説記事をご紹介します。

01:3次元座標空間の表現

Flash Player 10では,3次元の表現ができるようになった。これは,3次元空間のオブジェクトを2次元のスクリーンに投影するときの遠近法,いわゆる「パースペクティブ」(perspective)が採入れられたことを意味する。具体的には,奥行きが遠ざかるほど,物体は小さく,間隔は狭く表現する。

たとえば,Flash CS4 Professionalで,タイムラインに配置した長方形のインスタンスをY軸で[3D回転]させると,奥の辺が短くなって台形として表示される(図1)。

図1 インスタンスをY軸で[3D回転]させる

図1 インスタンスをY軸で[3D回転]させる

コンピュータグラフィックスでこのような表現をする場合,画像を複数の三角形に分けて,それぞれを変形してからつなぎ合わせるのが通常だ。もちろん,Flash Player 10/ActionScript 3.0では,インスタンスに3次元の設定を加えれば,パースペクティブは自動的に与えられる。しかし,必要があればその三角形分割による変形の機能を利用できるように,ActionScript 3.0のGraphicsクラスにメソッドがひとつ加えられた。

この機能を用いると,矩形などの平面に3次元の凹凸を加えたかのような表現ができる(図2)。なお,分割した三角形に面として設定する画像は「テクスチャ」ともいい,それぞれの三角形にテクスチャを貼りつける操作は「マッピング」と呼ばれる。

図2 矩形を分割した三角形にテクスチャマッピングして3次元の凹凸を表現する

図2 矩形を分割した三角形にテクスチャマッピングして3次元の凹凸を表現する

02:Graphics.drawTriangles()メソッド

複数の三角形を描いて,それぞれに塗りを変形して適用するのがGraphics.drawTriangles()メソッドだ[※1]。テクスチャを複数の三角形に分割して,変形したうえで合成することにより,3次元を2次元に投影できる。まずは,Graphics.drawTriangles()メソッドのシンタックスを確認しよう。

drawTriangles(頂点座標:Vector.<Number>, 頂点番号:Vector.<int> = null, uvtデータ:Vector.
<Number> = null):void 

3つの引数には,分割する三角形の頂点座標や頂点番号,テクスチャのマッピングの仕方(uvtデータ)などの情報を指定する。分割する三角形の数を増やせば,複雑で多彩な表現ができる(図2参照)。

メソッドの3つの引数は,データ型がFlash Player 10から備わったVectorクラスで定義されている。インスタンスの生成やデータ型の指定が少し変わっているので,先に簡単に説明しておこう。

Vectorクラス

Vectorクラスは,いわば最適化されたArrayクラス(配列) だ。Vectorインスタンスには,配列と同じように,複数の値にインデックスをつけて納められる。配列と違うのは,第1にエレメントに対して,データ型をひとつだけ指定する。そして第2に,エレメントのインデックスは連番でなければならない。

VectorクラスがArrayクラスと異なる点
  1. エレメントのデータ型をひとつだけ指定。
  2. エレメントのインデックスは連番。

Vectorクラスのコンスラクタメソッドは,以下のシンタックスでインスタンスを生成する。コンストラクタの後のドット(.)に続けて,山括弧<>の中にエレメントのデータ型(「ベース型」)を指定する。

Vector.<データ型>(長さ:uint = 0, 長さの固定:Boolean = false) 

インスタンスを代入する変数宣言のデータ型にも,山括弧<>でベース型を指定する。たとえば,変数myVectorにベース型が整数(int型)のVectorインスタンスを代入するのは,つぎのようなステートメントだ。

var myVector:Vector.<int> = new Vector.<int>(); 

Vectorインスタンスのエレメントにアクセスするには,配列と同様に配列アクセス演算子[]を用いる。また,Arrayクラスと同じく,Vector.lengthプロパティやVector.push()メソッドなども備えている。

塗りのビットマップの指定

Graphics.drawTriangles()メソッドで三角形にテクスチャマッピングするには, Graphics.beginBitmapFill()メソッドで塗りのビットマップを指定しなければならない。第1引数には,塗りに用いるビットマップのインスタンスを渡す。

beginBitmapFill(ビットマップ:BitmapData):void

メソッドの第1引数には,[ライブラリ]のビットマップを指定することができる。そのビットマップには,[ビットマッププロパティ]ダイアログボックスで[クラス]に任意の名前を設定する(図3)。

図3 [ビットマッププロパティ]ダイアログボックスで[クラス]を入力

図3 [ビットマッププロパティ]ダイアログボックスで[クラス]を入力

Graphics.beginBitmapFill()メソッドの引数に渡すのは,BitmapDataインスタンスだ。[ライブラリ]のビットマップは,デフォルトで[基本クラス]としてBitmapData クラスを継承する(図2)。よって,ビットマップのインスタンスを生成するには,[クラス]に入力したクラス名(Pen)をコンストラクタメソッドとして,以下のようにnew演算子で呼出す。なお,コンストラクタの引数には,幅と高さを意味するふたつの数値を指定する。値はともに0でよい。

var myTexture:BitmapData = new Pen(0, 0);   // ふたつの0を引数として渡す
mySprite.graphics.beginBitmapFill(myTexture);   // メソッドにBitmapDataインスタンスを渡す

生成したビットマップ(データ型はBitmapDataで指定)のインスタンスは,Graphics.beginBitmapFill()メソッドに引数として渡す。メソッドは,塗りの対象となるインスタンスのSprite.graphicsプロパティを参照して呼出す。これで,Spriteインスタンス(mySprite)への描画の塗りとして,ビットマップ(BitmapDataインスタンス)が設定された。あとは,Spriteインスタンスに描画メソッドでシェィプを描けば,その塗りにビットマップが適用される。

[※1]
Graphics.drawTriangles()メソッドについて詳しくは,Adobeデベロッパーセンターに寄稿した「三角形分割によるテクスチャマッピング - Graphics.drawTriangles()メソッド Part 1」および「角形分割によるテクスチャマッピング - Graphics.drawTriangles()メソッド Part 2」で解説している。

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