広告代理店にお願いしているバナー広告のクリック数が,代理店からもらっている資料と,導入したアクセス解析ツールで見えるものとで違っていた。いったいどっちが正しいのかわからなかったので,矢島へ電話をした。
数字は正確ではない
「ツールで取得できる数字に100%正確なものなんてないからな」
これが矢島の一言目だった。なんだよ正確じゃないって。だってツールだろ。システムだろ。
「これにはいくつか理由があるんだ。ちょうどこの前,社内の勉強会用にまとめた資料があるからメールで送るよ」
数分後に資料がメールで送られてきた。しかし,こういったことにすぐに対応してくれる矢島には本当に感謝である。この資料によると,ツールが解析をする際に差が出るのはいくつか原因があり,それが箇条書きで書かれている。
1 取得方式の違い
同じサイトを解析してもツールの取得方法によって差異が出てしまうことがある。原因としては,ログ型,パケット型がサーバへのリクエストベースで計測を行っているのに対して,タグ型は読み込まれたページからのリクエストベースで計測を行っているためである(方式の詳細については第1回を参照)。
サーバへのリクエストベースで計測を行われている場合,ISPやコンテンツキャッシュサービスなどでキャッシュされたコンテンツが計測されない。つまり,キャッシュコンテンツを参照された場合,ログ型,パケット型ではカウントがされない。
また,タグ型の場合は計測タグがページ内に埋め込まれていることが計測の条件となる。これはJavaScritで実装されるものがほとんどのため,そもそも実装がうまくされていない,JavaScriptがうまく実行されない場合にも計測がされないことになる。
このように取得方式によって計測値が変わる可能性がある。
2 Cookieの設定による違い
最近のアクセス解析ツールでは,セッションを認識するためにブラウザにCookieというものを埋め込み,それでどのブラウザごとに認識を行っている。
CookieにはファーストパーティCookieとサードパーティCookieの2種類が存在する。Cookieを設定する場合,その範囲をドメインで設定をする。ファーストパーティCookieとは実際に計測を行っているサイトと同じドメインで設定されるもので,サードパーティCookieは計測を行うサイトとは別のサイト(ツールのサービス)ドメインで設定したものだ。
サードパーティCookieはブラウザの設定で受け取らなかったり,セキュリティソフトによっては削除をしてしまったりされてしまう可能性が高い。そうすることで,PVは取得できていても訪問者数や訪問回数,セッションの計測にブレが出てきてしまうことがある。
サードパーティCookieはASPサービスを利用したアクセス解析ツールで提供されることが多い。
3 取得場所の違い
遷移元と遷移先で違うツールで計測している場合に起こることが多い。遷移元では実際にクリックがされたものの,ページが表示される(リクエストされる)前にブラウザを閉じてしまったりすると,遷移先の計測ツールでは計測ができない。
また,広告などの場合は,どこからの遷移かを認識するために,遷移先のURLの後ろにパラメータを付けることがある。これらの文字化けにより認識できなかったり,リロードによりダブルカウントされてしまうことがある。
以上が資料に書かれていた内容だ。今回の件は3番目の原因にあたるようだ。なるほど,実際に広告代理店から提出されたクリック件数よりも,導入したツールで計測した流入件数の方が数が少しだけ少ない。
これでやっと,もともとやろうとしていた直帰率の改善にとりかかることができる。

