エンタープライズだけじゃない! Web屋のためのWindows Azure Web サイトケーススタディガイド

第1回 Web屋にも身近になったクラウド「Windows Azure Web サイト」

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Windows AzureでWebサイトを作ろう

ここ数年,クラウドサービスを利用したWebサービスやWebサイトの構築・運用が定番となりつつあります。その状況を牽引している理由の1つがソーシャルゲームをはじめとした急激なトラフィック増の可能性があるWebコンテンツの登場でしょう。また,Twitterなどのソーシャルメディアと連動したキャンペーンサイトでの利用でも,クラウドサービスの採用は浸透しています。

一方で,コーポレートサイトや中小企業のサイトでのクラウド利用はどうなっているのでしょうか? コスト面とメンテナンスのバランスでまだまだ導入に悩んでいる担当者や制作者の方たちは多いのではないでしょうか。

そうした中,昨年バージョンアップしたWindows Azureでは,機能の1つとして「Windows Azure Web Sites(以降Windows Azure Web サイト)⁠がリリースされました。その名のとおり,Webサイト向けのWindows Azureの機能で,Windows Azure上に必要な分だけWebサイトを構築してデプロイできるというものです。

Windows Azure Webサイト
http://www.windowsazure.com/ja-jp/home/features/web-sites/

また,同社のWebサイト構築支援ツールWebMatrixを併用することで各種OSSの利用が可能となり,今まで以上にクラウド上へのWebサイト構築が手軽になりました。

こうした背景の中,最近では実際にWindows Azure上にWebサイトを構築し,運用するサイトが増えてきています。本連載では,こうした事例を紹介しながら,Windows Azure上でのWebサイト構築・運用のポイントについて紹介します。

なお,今回の連載で取り上げる事例はクラウドの月額利用コストが1,000円以下のものばかりです。この点にも注目してご覧ください。

ケーススタディ1:神戸市ママフレ

今回紹介するのは,株式会社アスコエパートナーズが神戸市と一緒に取り組んでいる「神戸市ママフレ」です。サイト制作・運用を担当した株式会社アスコエパートナーズ矢原祥史朗さんにお話を伺いました。

インタビュイー

矢原祥史朗(やはらしょうしろう)

株式会社アスコエパートナーズ
http://www.asukoepartners.co.jp/

調査・制作を担当。

ママフレとは?

――ママフレについて教えてください。

私たちアスコエパートナーズは,自治体Webサイトの標準メニュー体系ユニバーサルメニューを活用したWeb関連事業を展開しています。神戸市と一緒に取り組んでいる神戸市ママフレは,とくに市民ニーズの大きい「妊娠・出産・育児」に関する行政サービス情報を,妊娠中や子育て中の方に,わかりやすく伝えるための情報発信メディアプロジェクト「子育てタウン」の一環で開設しました。

ママフレ
神戸市ママフレ
サイト運用年数 3ヵ月(2012年10月オープン)
運用体制:制作は社内6名+外注4名,運用は社内4名+社外で行っています。

画像

Windows Azureを選んだポイント

――なぜWindows Azureを選んだのでしょうか。

Webサイトが各自治体に増えていくので,将来の拡張をスムーズに行えることがポイントでした。

また,設立間もない企業向けにBizSparkという支援プログラムがあることも,日本マイクロソフトと協働する魅力でした。

――Windows Azureを採用して,期待していることはありますか?

日本マイクロソフトならではの技術力が,よりセキュアなシステムと使いやすいインタフェースに結びつくことを期待しています。

――これまでのサイト運用経験から感じたことや課題はありますか?

ママフレはWordPressで構築しています。これまで,WordPressを利用したWebサイト構築・運用の場合,LAMPの構成が多かったのですが,今回はOSがWindowsとなっています。そのため,⁠構成としては)大変シンプルですが,Linuxサーバで使っていたときの機能との相関関係を把握するのに少し時間がかかり,乗り換えた直後にサーバの世界観が違うことに戸惑いました。このあたりは今後の運用とともにノウハウを貯めていきたいです。

価格帯については妥当だと感じています。

――最後に,今後,取り組みたいことを教えてください。

「神戸市ママフレ」型のWebサイトを全国の自治体に展開し,子育てに関わる皆さんの助けになりたいです。他の分野でも,市民生活の課題を解決するようなソリューションに,とくに情報政策の面で,当社が提唱している「ネット上の官民連携(ePPP)⁠実現に取り組んでいければ嬉しいです。

――ありがとうございました。

小規模の案件でも利用可能

今回,自治体サイトである「神戸ママフレ」について,制作・運用を担当したアスコエパートナーズさんにお話を伺いました。すでに,Webサイト制作・運用実績はあるものの,Windows Azureの利用は初めてとのこと。

その中で,スムーズに制作,リリースができたこと,また,価格面でも妥当になったというのは1つの参考になるのではないでしょうか。現在,リリースしてから3ヵ月とのことですので,今後またしばらく経ってからお話を伺ってみたいです。

著者プロフィール

馮富久(ふぉんとみひさ)

株式会社技術評論社クロスメディア事業室室長。

1975年生まれ。横浜市出身。1999年4月株式会社技術評論社に入社。入社後から『Software Design』編集部に配属され,2004年1月に編集長へ就任。同2004年9月に『Web Site Expert』を立ち上げ,同誌編集長に就任,現在に至る。その後,2008年9月に設立したクロスメディア事業部(現クロスメディア事業室)に配属。現在,社外活動として電子書籍を考える出版社の会の代表幹事やWebSig 24/7のモデレーター,TechLIONプロデューサーなども務める。過去にIPAオープンソースデータベースワーキンググループ委員やアックゼロヨン・アワード他各賞審査員などの経験を持つ。

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