デジタルブランドマネジメント

第3回ブランドのデジタルストラテジー

ブランドはそれぞれ異なる問題点を抱え、それを解決するソリューションを必要としています。ストラテジーを考えるためには、先ずその問題点を正しく理解しなければいけません。なぜ、そのブランドは選ばれていないのか? 認知から購入、クチコミまでの間の何処にボトルネックがあるのか? バリア・ラダーはブランドが選ばれない理由を順に並べたものです。バリアが特定できれば、マーケティング活動がフォーカスすべきポイントや、測定すべきパフォーマンスも明確になります。

バリア・ラダー
バリア・ラダー

デジタルの様々な施策も、このバリア・ラダーと同じグループに分ける事ができます。アウェアネス(認知)を高める広告や検索エンジン対策、アンダースタンディング(理解)を高める映像コンテンツ、レレバンス(自己関連性)を高めるインタラクション、プレフェランス(選好)を高めるカスタマーボイス、パーチェス(購入)を高めるe-コマースやプロモーション、そして、アドボカシーを高めるCMRやソーシャルメディア施策、など。バリアを知ることができれば、注力すべき施策が明確になり、ブランドにとって不要な施策への過剰な投資もなくなるはずです。

バリア・ラダーのすべてのステップの克服は、デジタルなコミュニケーションだけで完結する事が可能です。これはブランドのデジタルストラテジーを考える上で非常に重要なポイントになります。デジタルをメディアミックスの一つとしてではなく、コミュニケーション全体を繋げる柱として考えることが可能です。そして一つ一つの施策を、アウェアネスからアドボカシーまで、一人一人のユーザーを次のステップへと誘導するように実施するべきです。

サイクル
サイクル

各ステップが解決すべき問題と、その施策が明確であれば、測定すべき数値も明確になります。アウェアネスであればリーチした人数、アンダースタンディングであれば動画コンテンツの再生回数、レレバンスはエンゲージメントできた人数、など。実施後に改善すべきポイントも明確になるでしょう。

ブランドのデジタルストラテジーを考えるには、ブランドが抱える問題点を正しく理解し、それを解決する施策へのフォーカスと、アウェアネスからアドボカシーまでのコミュニケーションを完結させるフローが必要です。単に新しいトレンドの集合ではなく、個々のブランドに適したソリューションと、様々な施策をつなげ、効果を最大化するストラテジーが必要とされています。

おすすめ記事

記事・ニュース一覧