デジタルブランドマネジメント

第5回 カスタマーボイスの活用

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カスタマーボイスを活用するためには,まずクチコミと分けて考える必要があります。カスタマーボイスは商品やブランドに対する実際のエンドースメント(または不満の声)ですが,クチコミはそれを伝えるための媒体のひとつです。多くのマーケティング担当者はリーチやアウェアネスへの過剰な執着から,この2つを分けて考えることができていません。カスタマーボイスをマーケティング活動の中で活用するためには,消費者とカスタマーボイスの関わりを理解する必要があります。

カスタマーボイスは貴重

レビューという形でのカスタマーボイスは購買意思決定を大きく左右するため,消費者とブランドの双方にとって大変貴重なものです。ライトスピードリサーチ社の調査によると62%の人が過去6ヶ月で買い物の前にオンラインのレビューを参考にしています。イニシアティブ社の調査では多くの消費者が車などの大きな買い物だけでなく,シャンプーなどの日用品の購買意思決定を行うためにもオンラインの情報を必要としていると伝えています。どのカテゴリーにもカスタマーボイスの重要性が増していることがわかります。

消費者はカスタマーボイスを期待している

検索エンジンやショッピングサイト,比較サイトなどがカスタマーボイスを探す場所の上位を占めていますが,ライトスピードリサーチ社によると47%の消費者がカスタマーボイスを求めて「企業のウェブサイト」を訪れています。消費者は彼らの購買意思決定のためにブランドが誠実に第三者の評価を提供することを望んでいるのです。しかし,それだけのブランドがウェブサイト上で消費者にカスタマーボイスを提供しているとは思えません。

オフライン > ソーシャルメディア

ケラー・フェイ社の調査によると,ソーシャルメディアのペネトレーションも平均的な利用時間が日本より長いUKでのクチコミは94%がオフラインで起きています。ライトスピードリサーチ社の調査ではカスタマーボイスをソーシャルネットワークに求める消費者はたった7%。それではなぜ多くのマーケターは自社のブランドや商品のエンドースメントをソーシャルネットワーク上に広めようとするのでしょうか。よりクチコミが起きやすい場所,またはカスタマーボイスが求められている場所にフォーカスすべきではないでしょうか。

アドボカシーはファネルの最後

ブランド(または商品)はまず知られ,理解され,消費者自身と関連付けられ,選ばれ,購入されなければ,満足した顧客が他人に勧めることはありません。ヴィヴァルディ・パートナーズ社の調査はバーガーキングのソーシャルメディア活動を例に,単なる「バズ」はブランドの強化に何も効果が無いとしています。ポジティブなブランド体験無しでは,多くの消費者がバズを起こしたとしても何の意味も無いのです。アドボカシーを発生させるためにそれ以前のファネルのステップをスキップすることはできない,そしてアドボカシーはトライアル購入を起こすことよりも難しいということを知らなければなりません。

カスタマーボイスの活用

これらの事例からカスタマーボイスはポジティブなブランド体験から発生させる必要があり,消費者が期待する場所に配置しなければならないことがわかります。また,その活動はオンラインに限定してはならないということもわかります。あなたはカスタマーボイスを満足した顧客から獲得し,意味のある場所に掲載しているでしょうか。

著者プロフィール

荻野英希(おぎのひでき)

デジタルマーケティングエージェンシー,FICC inc. 代表取締役社長。
デジタルがブランドをどのように強化し,その役割はブランド毎にどう異なるのか? デジタルブランドマネジメントの仕組みを検証する。

URLhttp://www.ficc.jp/

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