デジタルブランドマネジメント

第11回 ブランドサイトのビジュアルデザインを正しく評価する34の質問

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ブランドサイトのビジュアルデザインを客観的に評価することは簡単ではありません。多くの場合,正しい評価方法がわからず,見た目やちょっとしたディテールの知識を基に主観的な判断をされてしまいます。トーン&マナーがブランドイメージに合っていても,コンバージョンを獲得する工夫がされていなかったり,その逆も大いにありえます。しかし,機能性とイメージは決してトレードオフではなく,優れたビジュアルデザインを通じて両立しなければならないものです。では,ブランドサイトのビジュアルデザインの良し悪しはどのように評価すべきなのでしょうか?

これらの評価はヒューリスティックなチェックリストを通じて行うことができます。レイアウトやデコレーションがコンバージョンを達成するよう工夫されているか,クリエイティブのトーン&マナーがブランドイメージに合っているか,そして全体のルック&フィールが競合より高い品質のイメージを与えているかを,34の質問を通じて1つずつ確認します。

このチェックリストはストラテジーやコミュニケーションを評価するものではありません。あくまで正しいストラテジーやコミュニケーションが存在する前提で,ビジュアルデザインを評価するものです。

レイアウト

ウェブページのコンテンツやデザイン要素がヒエラルキーに沿ってレイアウトされているか,ヘッドラインやコールトゥアクションなどの重要な要素が十分な大きさでレイアウトされているかなどを確認します。

  1. コンテンツやデザイン要素はその重要性に沿ったサイズでレイアウトされているか
  2. ヘッドラインや重要なコールトゥアクションは十分な大きさでレイアウトされているか
  3. ヘッドラインや重要なコールトゥアクションはファーストビューに含まれているか
  4. 重要なコンテンツやコールトゥアクションは周りに十分なスペースがあるようレイアウトされているか

デコレーション

ユーザーの視線を正しく誘導するようコントラストやカラーが設定されているか,重要な要素が目立つようボールドやボーダー3Dやモーションエフェクトが正しく使われているかを確認します。

  1. コンテンツエリアのコントラストは他のエリアに比べ高くなるよう配色されているか
  2. ヘッドラインや重要なコールトゥアクションは十分なコントラストで配色されているか
  3. コンテンツやデザイン要素は主にブランドカラーで配色されているか
  4. コンテンツはカラーによってグルーピングされているか
  5. 重要なコールトゥアクションは目立つように配色されているか
  6. 色数は最小限に保たれているか
  7. ヘッドラインや重要なコールトゥアクションにはボールドのフォントが使用されているか
  8. テキスト内の重要な言葉やフレーズにはボールドのフォントが使用されているか
  9. 立体的なエフェクトの使用は重要なコンテンツやコールトゥアクションに限られているか
  10. 立体的な3Dエフェクトの光の方向やテクスチャーは統一されているか
  11. モーションエフェクトの使用は重要なコンテンツやコールトゥアクションに限られているか

トーン&マナー

ウェブページの様々なクリエイティブやデザイン要素がブランドイメージに適しているか,他チャネルのとの一貫性を保っているか,競合との差別化に貢献しているかを確認します。

  1. コンテンツのトーン&マナーはブランドイメージに適しているか
  2. レイアウトのトーン&マナーはブランドイメージに適しているか
  3. デザイン要素のトーン&マナーはブランドイメージに適しているか
  4. タイポグラフィのトーン&マナーはブランドイメージに適しているか
  5. モーションエフェクトのトーン&マナーはブランドイメージに適しているか
  6. コンテンツのトーン&マナーは他チャネルのクリエイティブと一貫性を保っているか
  7. レイアウトのトーン&マナーは他チャネルのクリエイティブと一貫性を保っているか
  8. デザイン要素のトーン&マナーは他チャネルのクリエイティブと一貫性を保っているか
  9. タイポグラフィのトーン&マナーは他チャネルのクリエイティブと一貫性を保っているか
  10. モーションエフェクトのトーン&マナーは他チャネルのクリエイティブと一貫性を保っているか
  11. コンテンツのトーン&マナーは競合との差別化に貢献しているか
  12. レイアウトのトーン&マナーは競合との差別化に貢献しているか
  13. デザイン要素のトーン&マナーは競合との差別化に貢献しているか
  14. タイポグラフィのトーン&マナーは競合との差別化に貢献しているか
  15. モーションエフェクトのトーン&マナーは競合との差別化に貢献しているか

ルック&フィール

ウェブページの様々なクリエイティブやデザイン要素が競合よりも品質の高いブランドイメージを確立できているかを確認します。

  1. レイアウトのルック&フィールは競合より高いブランドイメージを確立しているか
  2. デザイン要素のルック&フィールは競合より高いブランドイメージを確立しているか
  3. タイポグラフィのルック&フィールは競合より高いブランドイメージを確立しているか
  4. モーションエフェクトのルック&フィールは競合より高いブランドイメージを確立しているか

以上の質問を通じてブランドサイトのビジュアルデザインを客観的に評価することができます。もちろん,どのような判断にもある程度の主観性は残るものですが,単なる直感と情報に基づく推測には大きな違いが生まれます。ビジュアルデザインの評価を単なる好みではなく,目的が達成される度合いで考えることができれば,ある程度の主観が入ったとしても,議論を通じて構築的な評価プロセスを実施する事ができるはずです。

この34の質問を1枚にまとめた「ブランドサイトイメージレビューシート」を作成しました。サイトのビジュアルデザインをレビューする際にご活用ください。

著者プロフィール

荻野英希(おぎのひでき)

デジタルマーケティングエージェンシー,FICC inc. 代表取締役社長。
デジタルがブランドをどのように強化し,その役割はブランド毎にどう異なるのか? デジタルブランドマネジメントの仕組みを検証する。

URLhttp://www.ficc.jp/

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