デジタルブランドマネジメント

第27回 ブランドのオンラインコラボレーション

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マーケティング予算には常にROIの改善が求められるものです。しかし,大きく改善できる方法はそう簡単に見つかるものではありません。デジタルマーケティングにも,それなりの媒体費がかかり,制作・開発・インフラ費もバカになりません。少ない予算でマーケティング施策の規模を縮小せずに,成果を倍増するにはどうすれば良いのでしょうか?

多くのブランドはマーケティング予算以外に活用できるアセットを持っています。それは,メール・ソーシャルメディア・Webサイトで媒体費をかけずにリーチできるユーザーです。一回の配信で数万人~数十万人にリーチできるブランドは多く,ターゲットの親和性が高い異業種ブランドにとっては,新規顧客の獲得が大いに期待できる立派なメディアだと言えます。そんなアセットを異業種のブランド間で共有することができれば,お互いのマーケティング施策に大きな相乗効果を与えることができるはずです。

キャンペーン・プロモーションへの相互集客

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もちろん異業種だからといって,顧客データベースをそのまま共有することはできません。しかし,お互いのキャンペーンやプロモーションをメールやソーシャルメディアで告知することはできるでしょう。マネジメントがそのようなコラボレーションに消極的だとしても,削減できる広告費に換算すれば説得もできるはずです。コラボレーション相手のデータベースの規模や質にもよりますが,キャンペーンやプロモーションの相互集客が成功すればユーザーの10~20%をオプトインでき,大きな広告費の削減につながるでしょう。

インセンティブとしての商品提供

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こちら側がコラボレーションを希望する相手に十分なリーチを提供できない場合,商品の無償提供も有効なコラボレーション方法です。相手がターゲットへの商品の発送や大量当選のキャンペーンなどを実施していれば,送料やキャンペーン運営費などの大幅な削減ができる効果的なサンプリング施策になります。また,インセンティブとして魅力的であれば,相手側のキャンペーンやプロモーションのコンバージョン率を高めることもできます。

共同キャンペーンの実施

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共同キャンペーンの実施には社内外との様々な調整が必要となりますが,実施には多くのメリットが存在します。まずはマーケティング予算を含むお互いのアセットを共有することで,コストを半減・施策の規模を倍増することができます。さらに,本来は関係のないブランド同士がコラボレーションをするという意外な展開から,ユーザーの興味を強く引くストーリーを構築し,PRやソーシャルメディアでの波及効果が期待できます。

メールやソーシャルメディアのアカウント情報に限らず,ユーザーの行動データをベースとしたターゲティング情報なども将来的にはブランド間のコラボレーションでの共有対象となるでしょう。マーケティング予算は,このような様々なアセットを活用できるデジタルマーケティングへとシフトし続け,さらに高いROIが求められるようになります。デジタルアセットの有効活用を通じたROIの改善に,異業種ブランドとのコラボレーションはとても効果的です。コラボレーション可能な異業種ブランドとの関係構築は,テクノロジーのマーケティング活用と同様にその重要性を増すでしょう。

著者プロフィール

荻野英希(おぎのひでき)

デジタルマーケティングエージェンシー,FICC inc. 代表取締役社長。
デジタルがブランドをどのように強化し,その役割はブランド毎にどう異なるのか? デジタルブランドマネジメントの仕組みを検証する。

URLhttp://www.ficc.jp/

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