デジタルブランドマネジメント

第29回 消費財ブランドがデジタルマーケティングでフォーカスすべき4つのポイント

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2 分

画像

消費者のメディア接触は確実にテレビからデジタルへとシフトしており,多くの広告主は従来のテレビと店頭中心のマーケティングに効果の陰りを感じています。さらに,エージェンシーのスキル不足に対する危機感から,今までブランド毎に分散していたノウハウやアセットを1つの部署に集約し,総合代理店を介さずにスペシャリストエージェンシーを直接採用するなど,クライアント企業が自らの手でデジタルマーケティングの課題を解決しようとする動きが本格化しています。

このような努力は数年以内に確実な競合優位性を生み出すでしょう。しかし,ただデジタルマーケティングの部署を立ち上げ,闇雲に試行錯誤を重ねるだけでは大きな成果を出すことはできません。競合も同様に,積極的にデジタルマーケティングに取り組んでいるとすれば,フォーカスするポイントが勝敗を分けることになります。

消費財メーカーがデジタルマーケティングでフォーカスすべきポイントは4つ。リーチ,フリーケンシー,クチコミ,そしてパッケージです。従来のマーケティングと大きくは変わりませんが,それぞれ少し考え方が異なります。

リーチ

画像

このスプライトの動画は2013年にYouTubeで最も人気の高かった動画広告に選ばれました。2013年は他にも多くの動画広告が配信され,100万回以上の再生回数も珍しいものではなくなりました。再生回数や,増え続ける広告の数を見るだけでも,その効果は高く,比較的多額の広告費が投下され始めたことがわかります。私たちもいくつかのプロジェクトで測定をした結果,YouTubeでの動画広告の費用対効果はTVCMよりも高く,商品やブランドの認知度を確実に向上させていました。

画像

YouTubeの動画広告がTVCMを代替する訳ではありませんが,十分にその効果を補完し,高い費用対効果で認知度を高めてくれるメディアであることがわかります。比較的少ないコストで確実にリーチを稼ぐことでできるため,今年は多くのブランドがメディア費の一部をYouTubeへとシフトすることが予想されます。

動画広告はTVCMとは違い,強制的に見せるべきではありません。YouTubeでもスキップできない広告が一部存在しますが,ユーザーにとってネガティブな体験になるだけでなく,デジタル本来の強みである詳細なターゲティングや,行動データの獲得ができなくなります。

画像

動画広告はユーザーに自らの意志で閲覧してもらうため,広告としての情報と,エンターテイメント性を兼ね備えたコンテンツであるべきです。先ほどのスプライトの事例はコンテンツとしてのエンターテイメント性があり,ブランドが持つ爽快感のイメージを広告として上手く伝えています。このようなコンテンツとしての動画広告は,TVCMをそのまま流すケースに比べ,ユーザーが積極的に閲覧し,知人へと共有します。結果,視聴単価を下げ,費用対効果を大きく高めることができます。

さらに,エンターテイメント性の高い動画広告はブログメディアやまとめサイトなどを経由し,ソーシャルメディアへと広がります。優れたコンテンツの拡散経路には必ずインフルエンスの高い媒体が含まれており,継続的なテストを通じた費用対効果の改善が必要となります。

画像

動画広告だけでなく,バナー広告でも十分な認知度の向上が見込めます。バナー以外の広告を配信しなかったプロジェクトでは,測定した結果,インプレッション数と店頭での売上に相関関係が見られました。クリックされず,コンバージョンに至らないインプレッションも確実にビジネス成果に寄与していることがわかります。

著者プロフィール

荻野英希(おぎのひでき)

デジタルマーケティングエージェンシー,FICC inc. 代表取締役社長。
デジタルがブランドをどのように強化し,その役割はブランド毎にどう異なるのか? デジタルブランドマネジメントの仕組みを検証する。

URLhttp://www.ficc.jp/

コメント

コメントの記入