ECオープンプラットフォームとなったEC-CUBEを徹底活用!

第1回 プラグインでパワーアップ!EC-CUBEカスタマイズテクニック

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はじめに

EC構築オープンソースとしては国内で最大のシェアを持つEC-CUBEが,この度,コンセプトをリニューアルし,新しい「EC-CUBE」として生まれ変わりました。

本連載では,まずEC-CUBEの新コンセプトと今後の展開についてを整理し,その後4回にわたり,最新版「EC-CUBE 2.12.0」で新たに実装された「プラグイン機能」を使ったサイト作成方法や,そのプラグインの作成方法まで,徹底レビューしていきます。

EC-CUBEの概要

EC-CUBEは2006年にEC構築オープンソースとしてVer.1をリリースし,2012年6月現在では,累計100万ダウンロード以上,推定利用店舗数は1万7千店舗以上と,各種調査でもEC構築オープンソースとして国内で圧倒的なシェアを持っています。

開発は,広告効果測定ツールでも圧倒的なシェアを持つ「アドエビス」の開発元としても知られる株式会社ロックオンが中心となって行っています。

また,2012年5月にはEC-CUBEで初のコンセプトリニューアルが行われました。

EC-CUBE最新版2.12.0にプラグイン機能が実装され,また,EC-CUBEのオフィシャルサイトにプラグインの配布サイトが追加される等,今後はサイト構築の枠だけにはとどまらない,Eコマースのプラットフォームとしての展開が期待されます。

EC-CUBEオフィシャルサイト

EC-CUBEオフィシャルサイト

EC-CUBEの新しいコンセプト「ECオープンプラットフォームとは」

昨今の大手Eコマースは,ECサイト単体で成り立っておらず,事実,すでに,楽天・Amazon・eBayなどは,物流・決済・広告など,その範囲はネットに留まらず,リアルにまで広がってきており,さまざまな周辺サ-ビスと密接に連携して運用されています。

Eコマースはもはやショッピングプラットフォームと言えます。

しかし,このショッピングプラットフォームに求めるものは,利用者それぞれ多種多様です。

今後さらにショップサイトが増えると予想される現状においては,より柔軟性でユニークな展開ができることこそが必要です。

EC-CUBEは,2012年5月でリリースされたプラグイン機能からもわかるとおり,今後この多様なニーズに応えるために,自由に各種EC周辺サービスと連携できるようにという意図がECオープンプラットフォームというコンセプトにつながっています。

機能やサービスの無限な組み合わせにより,独自のショッピングプラットフォームを構築できるのが,EC-CUBEのECオープンプラットフォームと言えます。

2012年5月からリリースされたプラグイン機能

2012年5月からリリースされたプラグイン機能

EC-CUBEの特長

EC-CUBEの大きな特長としては,次の4つが挙げられるでしょう。

①純国産であること

国産のため,海外発の同種のソフトウェアと比較してローカライズの必要がありません。日本人が直感的に操作できる,馴染みやすいUIは最大の強みでしょう。もちろん,PCサイトだけではなく,スマートフォン,日本特有の3キャリアのモバイルにも対応しています。また日本語の情報も多く存在します。公式コミュニティサイトは会員数が1万人を突破し,書き込みも累計5万件の書き込みがあり,オープンソースの掲示板としては非常に巨大な規模を持つため,困った際に情報を得られる確率も高くなります。

EC-CUBEコミュニティ

EC-CUBEコミュニティ

②構築ベンダが全国に数多く存在している

EC-CUBEを利用してECサイト構築を手がけるベンダが,全国各地に数多く存在しています。公式のインテグレートパートナーとよばれるパートナー制度への登録だけで約100社存在し,非公式を含めるとその数倍のベンダがEC-CUBEの開発を手がけていると推測されます。多数のベンダが存在することで見積も比較しやすくなり,パッケージ製品やあまり使われていない同種のオープンソースのようにベンダロックインを心配せずに済みます。

③多数のEC関連事業者がEC-CUBEに対応している

国内の主要なホスティング会社と既に提携しており,そうしたホスティング会社を使えばオープンソースにありがちなインストール時での躓きを心配する必要はありません。また決済代行会社だけでも17社との提携モジュールが無料で提供されているため,つなぎ込みの手間が最小限で済みます。

また,今回リリースされたプラグイン機能により,より多種多様なサービスとの繋ぎこみが可能になっています。

今までカスタマイズを行う必要があった,佐川急便,クロネコヤマトといった物流サービスとの連携や,最近話題のソーシャルコマースをサポートするサービス,その他在庫連携サービス,レコメンドサービス,価格比較サイト連携サービス,テストサーバサービス等々,リリース初日から実に52ものプラグインがリリースされました。

今後,ECの世界も急速に発展する中,柔軟に各種サービスと連携できるというのはこれからEC事業をされる方にとっては非常に心強い味方になってくれそうです。また,日本のEC関連企業にとっては,これからEC-CUBEとの繋ぎこみが必須となる日が来るかもしれません。

EC-CUBEのプラグイン機能はまだリリースされたばかりですが,今後の発展を楽しみに追って行きたいと思います。

④定期的かつ安定的なリリース体制

EC-CUBEは,株式会社ロックオンという企業が開発のイニシアチブをとって定期的にバージョンアップされています。オープンソースコミュニティでは,主要メンバー間で意見が対立して開発やローカライズがストップすることもあるのですが,1社がしっかり主導権や権利を持っているため,そうした懸念をせずにすみます。

また,今回のプラグイン機能のリリース時にこれほど多くのプラグインが集まったというのも,その開発,運営に対する安心感や安定感があったらかこそでしょう。

もちろん裏返せば,開発元が開発を中断した場合は,急速にストップすることになりますが,現在のところはその心配はなさそうです。

EC-CUBEのプラグイン機能について

さて,今回は,EC-CUBEのコンセプトや特徴に関して,これからEC-CUBEを使う方,もしくは提案する方にとっては非常に重要な部分を説明しました。

次回からは,本題のプラグインに関して詳しく見ていきます。

プラグインのインストール等の基本的な部分から実際にサイト構築にどのように生かせるのか,といったとくにWeb制作の現場の方が気になることや,プラグインの仕様や作成方法等,実際にプラグインを作成するにあたっての必要な知識等,技術者向けの情報までしっかりおさえていきたいと思います。

著者プロフィール

馮富久(ふぉんとみひさ)

株式会社技術評論社クロスメディア事業室室長。

1975年生まれ。横浜市出身。1999年4月株式会社技術評論社に入社。入社後から『Software Design』編集部に配属され,2004年1月に編集長へ就任。同2004年9月に『Web Site Expert』を立ち上げ,同誌編集長に就任,現在に至る。その後,2008年9月に設立したクロスメディア事業部(現クロスメディア事業室)に配属。現在,社外活動として電子書籍を考える出版社の会の代表幹事やWebSig 24/7のモデレーター,TechLIONプロデューサーなども務める。過去にIPAオープンソースデータベースワーキンググループ委員やアックゼロヨン・アワード他各賞審査員などの経験を持つ。

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