多様化する消費者心理に響く、イマドキのプロモーション

第1回顧客の多角化が進む現状求められるプロモーション活用・制作物とは

多様化しているメディアとユーザニーズの状況

現代の消費者は日々、膨大な情報と接しながら生活しています。そんな状況下において、顧客が情報を見逃す可能性は少なくありません。

インフラを見ればわかるようにスマートフォンやタブレットなどデバイスの普及や、企業が提供する商品が複雑化しユーザにとっての選択肢も増えています。また、テレビ広告、街頭広告、テレマーケティング、ダイレクトメール、オンライン広告、オフライン広告、ソーシャルメディア広告などメディアも多様化しています。

たとえばオンライン上の場合、従来は、SEMと呼ばれるリスティング広告やSEOとWEBサイトを基に消費行動を取っていましたが、現在はソーシャルメディアや純広告、 SEM、コミュニティサイト、ブランディングサイトなどのWEBサイトを参考に消費行動を取るようになってきています。

見込客によって⁠刺さる⁠ポイントも違ってくるため、伝えたいメッセージも変わってきますので、メディアの種類が増えてきているのです。

過去と現在の比較で見えてきた、通用しない部分・通用する部分

前述しましたように、テレビ広告、街頭広告、テレマーケティング、ダイレクトメール、オンライン広告、オフライン広告、ソーシャルメディア広告などから消費行動へ至るというように、ユーザの動向は複雑化しています。そのため、感度の高い企業は、それら多様化してきた広告手段をいち早く取り入れようとしています。

しかし、人の注意を引き訴えかける方式が主流だった広告手段も情報の氾濫により陳腐化したため、そのような広告は嫌がられ、効果がかつてより低くなってきました。今後は、データに基づき顧客を深く理解した上で、多様化したメディアを選択しプロモーションを行う必要があります。

また、制作物に関しても従来は綺麗なサイト、面白いアプリ、デザイン性の高い販促物を制作することにより評価が得られていたかもしれませんが、現在は違います。マーケティング予算の縮小、従業員の削減などから、投資対効果が求められ、実利に影響を及ぼさない制作物の需要が減ってきています。

こうなりますと、単に制作物を提供する会社が存続できないのではないかとさえ思えます。つまり、事業収益化を視野に入れた制作物が要求されるようになってきているのです。

変化に対しての問題提起

それでは、どのようなプロモーションや制作物であれば、現代の消費者心理に響き、事業の収益化に結び付くのでしょうか? そして、既存顧客離れを阻止するためにはどうすればよいのでしょうか?

制作者にとって意識すべきポイント、今後制作者に求められる視点

ブログ、Twitter、Facebookなどのソーシャルメディアの台頭により、⁠ソーシャルメディアのみを活用したプロモーションや制作を行えば、事業の収益化に結び付くのではないか?」という質問をよく頂きますが、そのような単純なことではありません。まずは、環境分析、自社分析、競合分析から経営戦略を練り戦術を考えてゆきます。

戦術は、ゴールを設定し、オンライン上、オフライン上では何を目標値とすべきなのか決定するとことから始まります。たとえば、店舗ビジネスをしている場合、新規来店数増加と1人当たりの消費額を上げることをゴールとし、オンライン予約数をオンライン上の目標値、1人あたりの消費額をオフライン上の目標値とします。

そして、新規顧客獲得、既存顧客の育成(既存顧客離れ阻止)やブランディングなどにおいて、トリプルメディアの観点から具体的なプロモーションを考案していきます。トリプルメディアとは、アーンド(Earned)メディア、ペイド(Paid)メディア、オウンド(Owend)メディアから成り立っています。

アーンドメディアとは、消費者からの評判や信用などを得るメディアです。ペイドメディアとは、費用を支払い広告の出稿により利用できるメディアです。オウンドメディアとは、自社が所有し情報発信しているメディアです。

とくに意識したいオウンドメディア

トリプルメディアの中でもとくに重要視されるのは、オウンドメディアです。

それは、自社の商品やサービスの顧客化を促進するツールとして自社メディアを発信することが、結果として企業価値に繋がりビジネス成果を生むからです。そして、オンライン上ではアクセス解析ツールを利用して解析を行い、オウンドメディア活用の最適化に努める必要があります。

また、アーンドメディア、ペイドメディア、オウンドメディアのすべてにおいて、経営戦略、戦術、具体的なプロモーションを念頭に全体像を意識し一貫性を持たせることも重要なファクターです。

ですから、たとえば制作会社や企業発注担当者であれば、指示があったもののみを直感的に制作するのではなく、現状どのような段階で、何が不足しているから、何を補う必要があるのかを考える行動が重要になります。

この連載で目指すこと(何が得られるのか?プラスになること)

当社は、コンサル会社として、オンラインとオフライン広告代理店として、ソーシャルメディアマーケティング会社として、制作会社として実績が豊富です。ですから、現代消費者動向に合った制作物、プロモーション内容とは何かを事例を交えながら提示していく事ができます。

本連載では、売上を上げたい通販企業、店舗企業、認知度を高めたいメーカ企業、顧客の囲い込みをしたいメーカー企業に参考にしてほしいのはもちろん、当社と同様の立場であるクライアント企業支援会社、制作会社にも読んでもらいたい内容です。

同様の立場である方々にも読んでもらうことで国内のプロモーション、制作スキルが向上し、企業は現代の消費者が望んでいるものを提供する土壌が整備されるはず。そうすることにより、企業と消費者が真意につながることができるような環境に期待しています。

第2~8回までの概要

第2回では、現代の消費者動向に合わせた制作物、プロモーションを行うには必要となる経営戦略についてです。現状の、事業状況、事業計画を把握した上で、環境分析、自社分析、競合分析を行い、自社の強み、競合、顧客を考案し、経営戦略からどのようにプロモーションや制作物を活用していくのか提示します。

第3、4回では、アーンドメディアと、オウンドメディアをどのように捉え活用をしていくのか提示します。

第5回では、ペイドメディアの中でもリスティング広告やSEO、ディスプレイ広告などのオンライン広告とオウンドメディアをどのように捉え活用を していくのか提示します。

第6回では、ペイドメディアの中でもマス広告やチラシやダイレクトメールなどのオフライン広告とオウンドメディアをどのように捉え活用をしていくのか提示します。

第7回では、商品の複雑化、メディアの多様化により従来まで注視されていた新規顧客獲得単価の上昇が予想されています。顧客を優良顧客まで育成していくために、オウンドメディアとリピート対策ツールの有効な活用方法を提示していきます。

第8回では、長期的な視野で、企業のビジョン、コンセプトから導き、

顧客を定着化させるために、オウンドメディアとブランディングツールの有効な活用方法を提示してゆきます。

今後に向けて

スマートフォンやPC、タブレットなど各デバイスに対応するレスポンシブWebデザインなど新しい制作手法が持てはやされる中、流行だからと単に取り入れたら良いというものではありません。多様化する消費者心理に響くプロモーションを理解した上で制作する必要があります。

企業は現代の消費者が望んでいるものを提供することで、企業と消費者が真意につながれる。そのようなの成功事例が、これから増えていくことを期待したいと思います。

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