多様化する消費者心理に響く,イマドキのプロモーション

第7回 オウンドメディアとリピーター獲得施策

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前回まではペイドメディアとオウンドメディアをどのように活用すればよいかを提示してきました。これまで,集客に力を注いで新規の消費者を囲い込むことに力を入れていた企業が多く存在していましたが,今後は,集客と追客のバランスをとることが必要です。

今回は,顧客を優良顧客まで育成していくために,オウンドメディアとリピーター獲得施策ツールの有効な活用方法を提示していきます。

とくにこんな方に読んでもらいたいと思っています。

  • 消費者とのコミュニケーションに課題を感じている方
  • リピーター対策の内容をすべて同一で実施している方
  • 顧客の嗜好に合わせたセグメントをしていない方
  • リピーター対策のどこに反応しているか分析していない方
  • どんな顧客がリピートしているのか分析できていない方
  • 広告や宣伝など新規顧客獲得コストばかりかかり効率が悪いと感じている方

なぜ顧客の育成をする必要があるのか?

商品やサービスの複雑化,競合先の新規参入,メディアの多様化により,従来まで注視されていた新規顧客の獲得単価が上昇してきました。また,インターネットの普及と進化によって,さまざまな販売チャネルが生まれ,他社での購入に簡単に流れてしまうようにもなりました。

このような消費者動向の変化により,信頼してもらい,ブランドに愛着を持ってもらう必要性が生まれ,信頼してもらい,ブランドに愛着を持ってもらうには,共創という視点で顧客育成をしていく他はないのです。

顧客育成の考え方

では,どのようにして既存顧客の育成を行っていけばいいのでしょうか?

まず前提として,⁠顧客を囲い込む」という発想ではいけません。失敗する可能性が高くなります。なぜなら,自社を選んでくれた顧客は,自分の意志で選んでくれているからです。そのような顧客には感謝の気持ちを伝え,顧客との間に良好な関係性を築くことを心がけるべきではないでしょうか?

顧客を囲い込むために,数多くのメルマガを配信したり,電話勧誘をしたりするのではなく,個客※1にとって有益かつ快適だと感じられるものである方が重要なのです。ですから継続的な質の高いコミュニケーションをとることによって,結果的に,リピート消費へとつながっていきます。

また,テクニックにこだわり過ぎて,効率的な施策を行おうとすると,消費者にもその意向は伝わってしまします。この記事でテクニック面も解説しますが,⁠個客と共創する」という観点を持った上で,ご参考にしていただきたいと思います。

※1)
一般的には,⁠顧客」は企業単位のお客様に対して,⁠個客」は人単位の個人のお客様のことを表しますが,本稿ではお客様を1人1人異なるものであることを意識するために「個客」と表現しています。

顧客育成の設計(テクニック面)

まず,顧客育成の実施の前に理解しておかないといけないのは,メルマガや手紙などの既存顧客育成においてのプロモーションは,新規顧客獲得のプロモーション時と同様に,⁠企業理念・経営ビジョンに従い,事業戦略に従ったものにする必要がある」ということです。

もし事業戦略とは何の事か理解していない方は,第2回をご覧ください。

そのうえで,顧客育成は次の順序で行っていきます。

  1. 現状分析
  2. 目標設定
  3. 全体設計
  4. ストーリー設定
  5. 施策設定
  6. タスク管理

①現状分析

まず,現状の分析を行い,現在の問題点(ボトルネック)⁠顧客育成ポイントを把握します。そのためには,全体のリピート売上の推移を確認,離脱しやすいステージを確認,離脱率と購入回数などピンポイントな問題点を確認します。

②目標設定

そして,どのポイントに対してCRM施策強化を行うか一定期間の目標を定めます。たとえば「目標設定」では,まず初回購入顧客を何%向上させ,売上を1年間で何%向上させたいかなどを決定します。

③全体設計

「全体設計」では,全体を見た上で,どのポイントを具体的に改善させていくかを決定します。

④ストーリー設定 / ⑤施策設定

「ストーリー設定」では,全体設計を基に,実際に改善をしたいポイントに対して何回フォローを行うのか,どの手段でフォローを行うのかを具体的に決めます。フォローの方法はメール,DM,コールセンター,同梱物等です。少額に抑えたい際は,掛かる費用が少ない「メール」から取り組む場合が多いです。

施策内容は必ず,ABテストを実施します。題名テスト,本文テスト,方向性テスト,構成ブロックテストなどで,たとえば,飲食店を次回も来店する理由を伝え,キャンペーンページへ誘導するブロックをテストしたり,⁠〇月〇日までに購入いただくと500円引き」という割引き価格をテストしたりします。

⑥タスク管理

④,⑤によりフォローを行うことが決定しても,誰が,どのタイミングで取り組むのかなど,担当者を分け,スケジュール管理する必要があります。

著者プロフィール

田中千晶(たなかちあき)

株式会社アント。

2009年在学中にアントに勤務し,新規開拓事業部に携わり,1年半で大手アパレルメーカ,大手スーパーマーケット,大手化粧品メーカや他中小企業を50社開拓し,Web広告,Web活用,ソーシャルメディア支援を担当。2010年からB2Cの事業収益に結び付くためのコンサルティング,コンテンツ制作,社内教育支援,講演を行い高い評価を得る。

マーケティング全般,ソーシャルメディアの情報サイト「UNT Social Media Lab」「Pinterest lab」「LinkedIn lab」「foursquare lab」「Movie Lab」を立ち上げ,中心的に運営管理している。

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