モバゲーオープンプラットフォームに挑戦!――面白法人カヤック流モバゲーオープンプラットフォーム企画と開発のイロハ

第2回 アプリ超えた『ソーシャル』でバズを起こせ!キーワードは,ソーシャル&シンプル。

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2.5 分

携帯錬金術師とは?

今回は1月27日にモバゲーオープンプラットフォームにてリリースをした「携帯錬金術師」について,その開発経緯とサービス内容を紹介したいと思います。まずはじめに,携帯錬金術師について。携帯錬金術師はゲーム内でプレイヤーが錬金術師となり,ゲーム内で拾った素材を組み合わせて練金を行う,錬金術ゲーム。ただそれだけのきわめて単純なゲームとなっています。モバゲーオープンプラットフォームでは,⁠ギャンブル」のカテゴリーにて提供されています。

「ギャンブル」カテゴリー
URLhttp://pf.mbga.jp/12000038

それではさっそく,携帯錬金術師の開発経緯をお話しましょう。

中高生の男子の心をつかむ!ターゲットのペルソナを描く

モバゲーオープンプラットフォームにアプリを提供する利点はなんといってもモバゲーという巨大ポータルサイトへ投入することで,そこにいるユーザーの流入が見込めるという点。Webサイトのでも当然のことながら,すでにユーザーが滞留するソーシャルアプリでは,とりわけ企画段階でいかにそこにいるユーザーの属性を明確に想起して,マッチしたゲーム内容を企画できるかが鍵となります。今回紹介する「携帯錬金術師」「中高生の男子」をターゲットに開発しました。

中高生に流行っているもので私がまず頭に浮かべたのがカプコンのモンスターハンター。モンスターハンターは様々なプラットフォームで販売されておりますが,その中でも発売から2年たった現在も販売本数を伸ばしているモンスターハンターポータブル2ndGはPSPというポータブルゲーム機で販売されています。

実際に私もトータルプレイ時間1,000時間強をやってしまうほどはまってしまう面白さ。このゲームの1番の面白いポイントは,⁠友達と集まってわいわいプレイするところ” にあると考えています。隣でプレイする友達がどうやってそのアイテムを手に入れたのかが気になったり,自分の手持ちアイテムを自慢したくなったり,そんな経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

その感覚を再現できたらと,今回の携帯錬金術師でも,友達どうしで錬金できたもの,錬金回数で競いあってもらうことでモンスターハンターに近い面白さの演出を目指しました。

キーワードは2つ「ソーシャル」「シンプル」

このターゲットを踏まえ,今回モバゲーアプリを企画するにあたって自分の中で設定したキーワードが2つあります,それは『シンプル』『ソーシャル』⁠この2点を念頭に置き企画を進行させました。

それぞれ,どのようにゲームに落としこんでいったかを解説します。

アプリを超えたリアルソーシャルで話題を誘発する仕掛け

実際に『携帯錬金術師』で遊んでいただいた方なら,⁠えっ?これがソーシャルアプリ?」と感じるのではないでしょうか?

実は携帯錬金術師のゲーム内には,いわゆる「ソーシャルアプリ」といわれる要素,たとえば『友だち』などはまったくないのです。また,よくあるアイテムを交換したり,戦ったり,盗んだり…,といったコミュニケーションの仕組みはもうけていません。リリース前の社内でも『ソーシャルアプリなのに全然ソーシャルがない…』と散々言われたというのは事実です。

しかし,今回着目したのはゲーム内での「ソーシャル」ではなく「リアルのソーシャル」⁠リアルに使用者同士が対面のコミュニケーションで盛り上がるように,と考えてあえてゲーム内にソーシャル機能は盛り込みませんでした。ゲーム内でコミュニケーションが完結してしまっては,外へと,口コミで広がる可能性が下がります。実際に,ここ数週間の問い合わせの内容を見ていると,友達と一緒にゲームをしている方が多いことが読み取れており,初期段階でリアルソーシャルで広がっているという体感を得られています。

携帯錬金術師では,口コミで教えたくなるような仕掛けを2つ用意しています。

所有欲をくすぐる 豊富なアイテム

この手のゲームサービスに絶対必要なのが,友だちが持っているとうらやましくなるスペシャルアイテムの存在です。

まず携帯錬金術師には3種類のアイテムがあります。1つ目は基本的に錬金に利用する素材アイテム,この素材アイテムは1時間に10個まで無限に拾うことが可能です。つまりいとも簡単に手にはいるもの。2つ目は錬金の末に出来上がるコレクションアイテム。これはコレクション性の強いアイテムで,複数集めることで,錬金に有利なパラメーターが付加されることがあります。3つ目が召喚アイテムで,商品と交換できる「○○の召喚書」のようなアイテムがあります(詳しくは後述)⁠

いろんなアイテムが錬金できるワクワク感から,次々に錬金してしまい,いつの間にか携帯錬金術師にはまってしまう流れができています。

そして,ここで改めて考え直したいのが「クリック」という操作です。アイテムを拾う際は,必ず1回ずつクリックして自分から自発的に取得しにいきます。そこには,⁠クリックというこの能動的な行動によって,何かが発生するインタラクティブ性” があります。もし,アイテムがクリックではなく,誰かから受け取るものになっていたら多くのユーザーはすぐやめていたことと思います。

図1 素材アイテムの一例

図1 素材アイテムの一例

リアルで話題となる!ゲームアイテムを超えて賞品に交換

錬金を進めていくと召喚書というアイテムが錬金できます。この召喚書とは,手に入れると召喚士に召喚依頼ができるようになり,召喚書に応じたリアルの商品に交換することができるという特別アイテムです。これが,リアルで広まる仕組みになっています。

図2 召還アイテム一覧

図2 召還アイテム一覧

たとえばPSPと交換したら,学校に持っていき友達に自慢をする,そうすると友達も自分も欲しくなり,携帯錬金術師を始めてくれる。さらに公式サークル(モバゲーにアプリを提供すると1アプリに1つ必ず作成されます)で,入手したことが書き込まれ,ユーザーの日記に書き込まれることで,さらに広がっていきます。

ちなみに,このままソーシャルな機能は追加しないのかというとそうではありません。あくまでもこれはリリース初期に集客するための仕掛け。リアルから引き込み,ソーシャルを形成できるに十分な会員数が集まった時点で効果的に機能追加も予定しています。

著者プロフィール

熊岡良修(くまおかよしひさ)

プログラマとして多数のWebサイトのクライアントワークを担当。最近ではモバイルサービスのディレクターとして,「携帯マンガキ」「漫ガキmixi」などアプリを中心に企画・制作をする。カヤックNo.1ガジェッター。

コメント

コメントの記入