効果測定 虎の巻

第5回 コンバージョンの測定(前編)

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直接コンバージョンとポストクリック(間接)コンバージョン

コンバージョンには直接効果と間接効果があります。 直接・間接効果を理解するにはセッションとユーザ(訪問者)の識別についての理解が必要です。 従来のアクセス解析ツールのコンバージョンは直接効果を測定している場合が多いようです。 直接コンバージョンとはユーザがサイトを訪問して,セッション内でコンバージョンすることを指します。

第1回でも説明していますが,セッションとはユーザの訪問単位のことで, 一般的にはサイトの訪問から退出までは30分間アクセスがなくなるまでをひとつの訪問とする場合が多いようです。

もう一度以下の図で示します。

 セッションの計測

図 セッションの計測

セッションとは同一ユーザがウエブサイトを訪問してから退出するまでの一連の流れをまとめた単位です。訪問とも言います。同一ユーザの識別には主としてクッキーが利用されます(PCサイトの場合。携帯サイトの場合は別の回で説明します)⁠

セッションとユーザの識別が正確でないと,コンバージョン率の測定も不正確になります。 タグ方式の場合はユーザの識別を独自のクッキーを利用して行う場合が多いので問題になることはあまりありませんが,ログ方式,パケットキャプチャ方式の場合はウエブサイト側でクッキーの実装が必要になる場合が多いので確認が必要です。

直接コンバージョンはユーザがサイトを訪問して,そのセッション内でコンバージョンすることを指します。 間接コンバージョンはセッション内ではコンバージョンしなかったがその後の訪問でコンバージョンした場合を指します。広告測定の場合では,広告をクリックした後の効果という意味でポストクリック測定と呼ぶ場合もあります。

例に以下に挙げてみましょう

 直接コンバージョンと間接コンバージョン

図 直接コンバージョンと間接コンバージョン

5月3日にバナーAから流入したユーザAはセッション内でコンバージョンしています。これは直接コンバージョンです。

5月3日にバナーAから流入したユーザBはサイト離脱後,ブックマークからサイトを再訪問して,コンバージョンしました。これは5月3日のバナーAの間接コンバージョンです。

測定ツールによってはセッションではなく,同じ日にコンバージョンした場合を直接として,異なる日にコンバージョンした場合を間接としているものもあります。 最近のインターネットユーザの行動はAISASモデル注1で示されるように,サイト訪問後にすぐにアクション(コンバージョン)せずに,他サイトや比較サイト,検索エンジンで情報を調べた後,再訪問してコンバージョンするユーザが増加していることが判明しています。

事実,当社の事例でもコンバージョンの50パーセント以上が間接コンバージョンであるお客様サイトが少なくありません。 直接コンバージョンのみをサポートしている測定ツールの場合,上記の5月5日のコンバージョンは直接流入(リファラーなし)とレポートされるでしょう。これは効果測定において,大きな違いです。

直接コンバージョンだけではわからなかったコンバージョンのきっかけとなった媒体(流入元)を知ることができると,本当の媒体効果を算出することができます。間接コンバージョンについては,間接測定の範囲(期間)は測定ツールによって仕様が異なりますので,ツールベンダー(サービス提供事業者)に確認しておきましょう。

広告測定専用ツールの場合は直接・間接の区別がなく,クッキーの有効期間内(14日~90日が多い)を対象として,訪問者が最初にクリックした広告または最後にクリックした広告を対象としてコンバージョン(直接・間接の区別がない)とするものがあります。

直接・間接効果を測定できるツールではクッキーの有効期間内(14日~90日や10年以上のCookieの場合もある)を間接効果の対象として,期間内に訪問者が最初にクリックした広告または最後にクリックした広告を対象として直接コンバージョンを除いた広告を間接効果とする場合が多いようです。

注1)AISAS
Attention(認知)⁠Interest(興味)⁠Search(検索)⁠Action(購買)⁠Share(情報共有)⁠ 従来の広告による購買心理形成プロセス「AIDMA」に対し,マス広告がそのまま購買行動を引き起こすのではなく,ネットでの検索などの情報取得によって比較検討を行い購買に至るインターネット特有の行動プロセス。
AISASは⁠株⁠電通の登録商標。

第6回(「コンバージョンの測定」 後編)ではもう少し詳しくコンバージョン測定について見ていきましょう。

著者プロフィール

山田賢治(やまだけんじ)

(株)アクティブコア 代表取締役社長。パッケージベンダーにてRDBMSのカーネルの開発,海外勤務を経て,データウエアハウス専用DBMS事業の立ち上げ,分析アプリケーションの設計・開発に携わる。

その後,インターネット系ベンチャーの技術部長を経て2005年に(株)アクティブコアを設立し,代表取締役社長に就任。現在は同社の経営全般および製品の設計・開発に奮闘中。

URL:http://www.activecore.jp/

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