MetaGatewayに見る次世代Webサービス

第1回MetaGatewayのサービス

『MetaGateway』というサービスをGoogle App Engine上で構築し、12月1日にローンチしました。

MetaGateway

『MetaGateway』とは一言でいえば、ブログ、SNS、マイクロブログ、ストレージ、ブックマーク、カレンダー、メールなどの各サービスサイトを一元的に管理するためのサービスです。

図1
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たくさんの便利なサービスある中、ユーザがたった1つのサービスしか使っていない状況など、もはやほとんどありえません。ブログを書いているユーザは、Twitterをはじめとするマイクロブログも利用しているでしょうし、MixiやGREEなどのSNSも利用しているでしょう。flickrやpicasaなどでフォトアルバムも作りますし、はてなブックマークなどで興味のあるものをブックマークしたりもします。日々のスケジュールはGoogleカレンダーなどに書き込むでしょう。

複合ポスト

現状、ユーザはそれぞれのサービスサイトへ行き、いちいちログインし、それぞれ異なる専用の投稿画面から投稿しなくてはなりません。コンテンツを追加する、編集する、削除する等、どれも人間にしてみれば非常にシンプルな行為なのですが、それが快適に行えているとは到底思えません。MetaGatewayはそれらのサービスの本質をシンプルに抽象化し、すべてのサービスに対して共通で直感的なインターフェースを提供します。これによりユーザは面倒な作業をすべてスキップし、人間の成すべき作業だけを快適に行える環境を得ることができるのです。

たとえば、どういうことができるのかを具体的に示すと、以下のようになります。

  • ブログとSNSにカンファレンスの記事を同時に投稿し、その予定をカレンダーにも登録する。
  • コメントを収集しやすいように投稿した記事をブックマークしたり、画像は後でアルバム等として参照しやすいよう別ストレージに保存したものを利用する。
  • さらには、マイクロブログへも更新通知も行う。

上記のすべての作業が、MetaGatewayを使うとたった1回の操作で実現できます。

こうした作業は通常、人間がいろいろなサービスを行き来して実現していることですが、本来そのような不毛な作業は不要です。人間は「コンテンツを生成し投稿する」というシンプルな作業だけに専念すればいいのです。

MetaGatewayではすべてのサービスをフラットに扱うことが可能なため、このような操作を機械的にも単純に行うことができるわけです。私はこれを複合ポストという名前で呼んでいます。カレンダーとブログのような、異なる概念のサービスをまたいで投稿できる機能です。それに対して、全く同じ概念のものに対して投稿することはマルチポストと呼んでいます。

MetaGatewayでは複合ポストを行えることを第一に設計していますが、すべての組み合わせをユーザが自由に決められるようにしているので、結果としてマルチポストやクロスポストも許していることになります。最近ではMovableTypeを提供するSix Apartでさえも、BlogITというマルチポストするツールを提供しましたし、これだけたくさんのサービスが氾濫しているのですから、そのような使い方をしたいユーザがでてくるのは当然のことだと思います。

単純にマルチポストと聞くと、スパムなどと同一視して拒否反応を示す方もいますが、実際にはほとんどのユーザは節度をもっていますし、自分の書いた記事をたくさんの人に読んでもらいたいという欲求は誰にでもあるのではないかと思い、基本的には許可しています(もちろん他のだれかに実質迷惑をかけるような行為であれば排除します⁠⁠。

私が問題と思っているのは、RSSなどから記事を自動生成(自分の言葉で書いた記事ではなく、ただ単に被リンクを生成するため)したり、同一のブログサイトへ負荷を考えずに連続投稿したりすることです。MetaGatewayではどのサービスサイトのデータでもexportすることができますが、importはできないようにしています。縦型の連続投稿をしたいのであれば、各サービスサイトのルールに従って投稿を行ってほしいからです。私自身は機能優先で考えるのではなく、サービスサイトとのWin-Winの関係を常に意識して設計を行っています。

抽象化ゲートウェイの例-ブログエディタの場合

MataGatewayという名前は、⁠抽象化された上位概念そのもの』『他のさまざまな要素に注入するゲートウェイ』という意味を込めて名づけています。わかりやすい要素の例の1つにブログエディタがあります。

すでに世の中にはすでにさまざまなブログエディタが出回っています。WindowsLiveWriter、ecto、ScribeFire、Zoundry Raven、blogWrite、xfyBlogEditor等、それらのエディタはブログという狭い領域ですが、いちいちログインして管理画面から投稿するよりも格段に投稿を便利にしてくれるツールです。画像編集、エディタとしての機能、バックアップ、パフォーマンス、安定性など、Webの管理画面ではなかなか実現できていないことをどのブログに対してもいとも簡単に実現しています。頻繁にブログを更新する人や、複数のブログを運営している人にとっては、もはや必須のツールといっても過言ではないでしょう。

では、そのブログエディタで現状満足できているかというと、決してそんなことはないように思います。事実、ブログエディタはブログという非常に狭い領域でさえ完全には処理できていないのです。

ブログエディタというもの自体は、日本より海外の方でたくさん使われているようで、進化に関しても海外の方が早く機能も充実しています。そのため通常のユーザはWindowsLiveWriterやScribeFireなどの海外の製品を利用したいと考えるはずですが、使えない人がたくさんいます。

なぜなら、アメブロやLivedoorブログ、はてなダイアリーなどのブログに対応できないからです。これらはAtomPubで実装されているのですが、ドラフト段階で実装が進んだことなどが起因して、海外製品はうまく解釈できません。特にアメブロなどはひときわ特殊ですので、その存在を理解しないかぎり、まず処理することは不可能です。では、日本製品に目を向けてみると、アメブロなどに投稿できるエディタは少なからずあります。ただし、今度は逆にBloggerに投稿できなかったり、機能的にも劣っていたりします。

さらに基本となるXMLRPCのAPI自体も、微妙な解釈によって投稿できなかったり、そもそもサービスサイトが完全に実装していなくて処理できないものもあります。要するに各ブログエディタとも制限が多く、触ってみて投稿できるかどうかを試してみないとわからないのです。

これに対し、MetaGatewayをゲートウェイとして利用すると、ブログエディタの能力を解放することができます。MetaGatewayがサポートするブログや、それ以外のあらゆる投稿先へ投稿可能になります。また、どのようなストレージとの組み合わせも可能になり、どのような複合ポストもできるブログエディタへ進化させることが可能になるのです。もはやユーザは「アメブロに対応しているから」などのつまらない理由でエディタを選択する必要はないのです。

ScribeFireのようにブラウジングしながら、好きなタイミングでTwitterやSNSやブログに投稿したユーザもいれば、はきだされるHTMLがvalidでないといやというユーザもいるでしょう。WindowsLiveWriterのプレビュー機能がすきな人もいれば、xfyのような高機能でストラクチャードブロギングにこだわる人もいるでしょう。UIなどの見た目が気に入っているユーザもいるでしょう。MetaGatewayはすべてのブログエディタの基本となる機能を同一まで押し上げてくれるので、ユーザの好きなものを利用すればいいのです。

MetaGateway自体のブックマークレットはWeb型に特化した投稿機能を提供しています。もちろんこれを利用してもかまいません。MetaGatewayは投稿基盤としてユーザの選択肢を無限に広めることが可能なサービスなのです。

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