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第4回 ドメインってなに? Whoisで個人情報が丸見え? ドメインの仕組みを学んでトラブルを回避しよう

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「Whois情報」は登録しないといけないもの?

ドメインを購入できてほくほくの広報担当者が,そのまま「次へ」ボタンを押すと,今度は属性型JPドメインのWhois情報を登録してくださいというメッセージとその登録画面が表示されます。

お名前.comのWhois情報登録画面

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Whois情報登録画面の「登録者情報」「技術担当者情報」などのメニューには,それぞれ組織名や氏名,住所などを入力する項目が並んでいます。住所や氏名などは,先ほど購入手続きの際に記入したばかりなのに,なぜまた聞かれるのでしょう。項目も多く面倒ですが,このWhois情報は絶対登録しなければいけないのでしょうか。

はい,Whois情報は必ず登録しなければいけないものです。ではこの「必ず登録しなければいけないWhois」とは,一体なんなのでしょうか。

Whoisは何のためにあるどんなもの?

Whoisとは,そのドメイン名を所有している組織や担当者の氏名,連絡先(住所,電話番号,メールアドレス⁠⁠,ドメインの有効期限などがインターネットで誰でも見られるサービスのことです。Whoisで検索すると,Whois情報が見られるサイトがいくつも出てきますので,皆さんも試しに自分が担当しているサイトのWhois情報を見てみてください。

このWhoisこと,ドメイン名の所有者が誰でも見られるサービスは,一体だれが運営しているのでしょう。Whoisは,先ほど「TLD1つにつき1つ存在している」と話した,あの「レジストリ」が管理・提供しているサービスです。TLDの唯一の生産元であるレジストリが,そのTLDのWhois情報を管理・公開しているのです。

たとえば「jp」を管理しているJPRSが提供する「Whois情報確認サイト」JPRS WHOISです。それではgihyo.jpを例に,実際にWhois情報を見てみましょう。

JPRS WHOISでドメインの所有者情報を見てみよう!

JPRS WHOISで,検索キーワードに「gihyo.jp」といれて検索してみると,gihyo.jpのWhois情報が表示されます。住所や電話番号,メールアドレスなどの連絡先も出てきました。有効期限の項目を見ると,現在の「gihyo.jp」というドメインの有効期限が「2015年3月31日」までであることも分かります。

gihyo.jpのWhois情報

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でも一番上のドメイン名が全部大文字ですね。⁠gihyo.jp」ではなく,⁠GIHYO.JP」になっています。これは間違いではありません。ドメインは大文字小文字の区別をしないので,⁠gihyo.jp」「GIHYO.JP」も同じドメインなのです。

ためしに大文字小文字混ぜこぜにした http://GiHyO.jP/を開いてみても,きちんとgihyo.jpのサイトを見ることができます。例えばサイトのプロモーションで,チラシにURLを書いて配るときに,http://GIHYO.JP/のようにドメイン部分を全て大文字にして表記しても,サイトには問題なくアクセスできます。さらに最近は,ブラウザが勝手に大文字を小文字に置換するため,ドメインを大文字小文字を混在させて指定しても影響はありません。

話が脱線しましたが,このようにWhoisを使えば,ドメインから所有者を調べることができます。それだけではなく,「所有者名」から,所有しているドメインの一覧を調べることもできます。プルダウンメニューの検索タイプを「ドメイン名情報(登録者名⁠⁠,検索キーワードを「株式会社技術評論社」にして検索してみましょう。

Whoisで技術評論社が所有しているドメインを検索した

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株式会社技術評論社が所有しているドメインの一覧が表示されました。⁠技術評論社.jp」という日本語ドメインも持っていることが分かります。

では続いて「yahoo.com」のWhois情報も見てみたいと思います。プルダウンメニューの検索タイプを「ドメイン名情報」に戻して,検索キーワードに「yahoo.com」と入れ,再びドメイン名から所有者名を調べてみましょう。するとなんと「該当するデータがありません」と表示されます。なぜでしょうか。

yahoo.comは「該当するデータがありません」となってしまう

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なぜならば,このサイトは「JP」のレジストリであるJPRSが管理・提供している,⁠jpドメインのWhois情報が検索できるサイト」だからです。「jp」以外のTLD,つまり「com」「net」は対象範囲外なので,ここで検索しても出てきません。

先ほど話ししたとおり,Whoisはレジストリが管理・提供しているサービスです。⁠jp」のレジストリはJPRS,⁠com」のレジストリはVeriSign,Inc.,⁠nagoya」のレジストリはGMOドメインレジストリ株式会社と,TLDごとにレジストリは異なるため,TLDごとにWhois情報を確認できるサイトも別々です。Whoisに登録しなければいけない項目も,TLDごとに微妙に異なります。

Whoisは確認してみたいけど,TLDごとに確認するサイトがばらばらなのは面倒だなと思った方は,aguse.jpというサイトがお勧めです。このサイトであればTLDに関わらず,Whoisやその他の情報が簡単に調べられます。

aguse.jpならどんなTLDでもWhoisが調べられる

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しかしaguse.jpではレジストリのサイトほど詳しい情報は出てきませんし,情報が若干古い場合もあります(更新されたWhois情報が,最長で一か月くらい経たないと反映されません⁠⁠。最新のWhois情報をすべて正確に知りたいときは,やはり先ほどのようにレジストリのサイトで確認するのがお勧めです。

Whois情報を正確に入力しなければいけない理由

このようにWhoisとは,そのドメイン名を所有している組織や,連絡先,ドメインの有効期限などが誰でも見られるサービスです。しかし,なぜ個人情報の取り扱いが厳格化しているこの時世に,ドメインの所有者をインターネットで全公開にさせているのでしょうか。

それはトラブルが発生したときに,インターネットの利用者同士が連絡しあって,自律的にトラブルを解決できるようにするためです。ここでのトラブルとは,例えば「あなたが持ってるそのドメインは我が社の商標を侵害しています。裁判を起こされたくなければ,30日以内にドメインを譲渡してください」というようなものです。

もしWhois情報がきちんと登録されていなければ,トラブル発生時に,そのドメインの持ち主に連絡することができません。ですのでICANNは,ドメインを販売するレジストラに対して「最低年1回,登録者にWhois情報を最新化してもらうように」という確認を義務付けています。

Whoisに正しい情報を登録しなかったり,嘘の情報を登録すると,場合によってはドメイン名の登録を抹消されてしまいます。ですのでドメインを購入したら,Whois情報はできるだけきちんと登録してください。

しかし「個人でドメインを買ったけれど,個人名や自宅の住所をWhoisに載せるのはちょっと抵抗がある……」という人もいると思います。お名前.comでは,そうした「プライバシーの面から個人情報をWhoisに載せたくない!」という人のために,⁠Whois情報公開代行」というサービスを提供しています。これはWhoisで表示される組織名や連絡先を,代理でお名前.comの情報にしてくれるサービスで,一般的にはプロキシサービスやプライバシーサービスと呼ばれています。

このプロキシサービスを使うと,Whois情報を調べたときに「このドメインの持ち主はお名前.comです」と表示されるため,個人名や自宅住所をさらさなくて済みます。ただし,これは主として個人向けのサービスですので,co.jpのように,会社向けのドメインでは利用できません。

著者プロフィール

堀越良子(ほりこしよしこ)

株式会社アイ・エム・ジェイのインフラエンジニア。ウェブインテグレーションの下支えとなるサーバホスティングサービスの構築と運用を担当している。

モバイルサイトのエンジニア,SIerとソーシャルゲームの広報を経て,2013年より現職。「分からない気持ち」に寄り添える技術者になれるように日々奮闘中。