スマホ時代のCGMサイト 企画・UI/UXのポイント

第3回 スマートフォンCGMの代表的な問題点/Yelpの事例とともに

この記事を読むのに必要な時間:およそ 3 分

前回まで,CGMの構造について解説してきました。

今回はそれらを踏まえ,スマートフォン(スマホ)でCGMの企画/デザインをする際に起きる問題を具体的に紹介していきます。

今回は,4月から日本に上陸したことでも話題の「世界最大の口コミサイトYelp」と,著者の運営するRettyを題材にしていきたいと思います。

「世界最大の口コミサイトYelp」のスマホ画面

「世界最大の口コミサイトYelp」のスマホ画面 「世界最大の口コミサイトYelp」のスマホ画面

Yelpとは何か

飲食店,ホテル,小売店など,店舗の口コミ(レビュー)サービス。

2004年にアメリカでスタートし,現在世界25ヵ国で展開,世界最大級の口コミ数。筆者の運営するRettyと同じく「実名投稿」による信頼性が強み。

参考記事:
「世界最大級の口コミサイトが日本上陸 米「Yelp」⁠

スマホCGMの問題1:とても多い機能

CGMでは「投稿者のニーズ」の種類が多く,機能が肥大化する傾向があります。多すぎる機能は削るのが理想ですが,そうも言っていられないのが現実です。

CGM特有のニーズの例
  • コミュニティ機能
  • オフ会の告知・募集機能
  • ユーザ間のメッセージ
  • 掲示板
  • 特定ユーザ同士のコミュニケーション履歴を見る機能
  • 過去のログを整理して見る機能
  • マイページと,それをリッチに装飾する機能,自己紹介機能の充実
  • ランキング
  • 季節的なキャンペーン

とくにPCサイトも同時に運用しているCGMの場合は,PC版にある機能がスマホに無いことで,利便性が著しく低下するがあります。

そこで,必要となる機能を残したまま整理するのですが,

  • 階層が深いと,必要な機能の場所がわからない
  • 使わない人が多い機能が,メイン導線にある
  • 主要機能ではないが,気づいてほしい機能に気づいてもらえない

などの問題が発生します。

以下,Yelp,Rettyでどのように問題を解決しているのかをご紹介します。

右下に「全部」ボタンがある

右下に「全部」ボタンがある 右下に「全部」ボタンがある

多い機能への対処方法(Yelp)

右下に「全部」というボタンを作って,主要な4つ以外の機能を追いやっています。

「あの機能はどこにあったっけ?」と迷ったユーザに,とりあえず押してもらえるようなイメージで設置したのだと思います。

しかし,押す機会が少なそうで,ここにある機能はほとんど認知されないのではないかと思います。

自分も実際にいくつかレビューを書いていますが,いまのところこのボタンを押したことはなく,どんな機能があるのかも本稿執筆までは理解していませんでした。

「左上にプルダウンのボタンがある」

「左上にプルダウンのボタンがある」 「左上にプルダウンのボタンがある」

多い機能への対処方法(Retty)

ホーム画面の左上にプルダウンメニューボタンを設けて,そこに優先順位の低いメニューを置いています。

主要ではない機能を追いやる狙いとしてはYelpと同様ですが,このプルダウンメニューは「お知らせ」の導線も兼ねていて,新しいお知らせがあると赤丸が灯り,このメニューを開くことになります。

メニューを開く機会が増えることで,優先順位は高くないものの,便利な機能があるのを認知してもらう狙いがあります。

スマホCGMの問題2:テキストの投稿がしづらい

画面の狭いスマホは,一般的にテキストが入力しづらいです。

とくに考慮すべき点は,端末ごとに入力枠の高さが異なる点です。iPhone 4~5系と5S以降の端末は高さが異なりますし,Androidも端末によっては極端に入力枠の高さが狭くなってしまうものもあります。

スマホのCGMは投稿機能周りのデザイン・機能の検討は非常に重要です。

テキストの投稿がしづらい問題への対処(Yelp)

Yelpの投稿機能周りのデザイン

Yelpの投稿機能周りのデザイン

画面の左右と上下いっぱいまで,テキスト入力エリアを広げています。

また,同じ画面でもテキストを入力中とその他の操作をしているときでは,表示されるボタンやアナウンスが入れ替わるので,テキスト入力エリアを確保しつつも,1つの画面でいくつもの操作をすることができます。

これは操作してみないと伝わりづらい点なので,ぜひご自身で試していただくことをお勧めします。

テキストの投稿がしづらい問題への対処(Retty)

Rettyの投稿機能周りのデザイン

Rettyの投稿機能周りのデザイン

入力フォームは,広すぎもせず,狭すぎもせずという面積にしています。

操作感を低下させず,ぎりぎりの広さにすることで「文字をたくさん入力しなくても大丈夫ですよ」というメッセージを伝えています。

著者プロフィール

内野友明(うちのともあき)

現在,グルメサイトRetty(200万ユーザーのCGM)でディレクターをしています。前職はコミュニティ・ファクトリーで,現在2,000万ダウンロードのDECOPICをディレクターとして立上げました。

「グルメサイトRetty」

ユーザーからの口コミを,スマートフォンを中心に閲覧することのできるサービスで,2011年から現在までに80万件の口コミが集まっています。飲食店の口コミ件数では食べログについで業界2位,スマートフォンから集まった口コミに限れば業界1位と言えると思います。

「DECOPIC」

DECOPICは,スマホで撮影した写真をかわいくデコレーションできるアプリで,リリースから順調にユーザー数を伸ばして,2013年に2,000万ダウンロードを突破しました。

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