スマホ時代のCGMサイト 企画・UI/UXのポイント

第4回 成功のカギ/投稿者の集め方・投稿の集め方

この記事を読むのに必要な時間:およそ 3 分

前回はスマートフォンのCGMが陥りがちな失敗例をいくつか紹介しましたが,それらの失敗を上手く回避したとしても,成功するとは限らないのがCGMの難しいところだと,実際に運営をしながら痛感しています。

では,CGMを成功させるためのカギとは一体何なのでしょうか?

  • コンセプト
  • デザイン
  • きめ細かな運営
  • メディア戦略
  • チーム体制
  • 雰囲気づくり

など,カギになりそうな事を挙げると切りがありません。

そこで今回はその中でも,筆者が最も重要と考えている2つに絞って,掘り下げてみたいと思います。

成功のカギ1
投稿者を集める仕組み
成功のカギ2
投稿したくなる仕組み

成功のカギ1:投稿者を集める仕組み

CGMの根本は投稿です。

サービス開始当初から投稿がないサービスは成り立ちませんし,ある程度成長したサービスでも常に新しいコンテンツを生み出し続けないとサービスが廃れて行ってしまいます。

しかし投稿者の1人当たり投稿量にも限界がありますし,一定の割合で投稿をやめてしまうユーザもいます。投稿を生み出すためには常に新しい投稿者に使ってもらう必要があるのです。

そのため,投稿者にCGMを知ってもらって,興味を持って,試してみる,というサイクルを仕組みとして用意するのがサービス開始当初から成熟期まで続く,成功のカギではないかと考えています。

そこは「マーケティング」の領域でこの連載とは無関係,と感じる方もいらっしゃるかもしれません。あえて取り上げるのは,CGMの「企画」「マーケティング」が切っても切り離せない関係にあるためです。

知ってもらう仕組みを意図的に作る

最近のバズワードで「AISAS(アイサス)⁠という言葉を聞いた事があるかもしれません。

  • Attention(注意)⁠Interest(関心)⁠Search(検索)⁠Action(購買)⁠Share(共有)

の頭文字で,インターネット時代の購買行動とマーケティングのモデルと言われています。

詳しい説明は割愛するとして,ここで取り上げたいのは,⁠消費者はインターネットで共有するという行動が定着しつつあるので,口コミされるような話題性があって本当に効果のあるサービスを作りましょう」という考え方です。

さて,口コミされるような話題性があって,本当に効果のあるサービスを作れば,ユーザは本当にShare(共有)をしてくれるのでしょうか? ここにひとつの落とし穴があるように思えます。

そもそもCGMは投稿者が集まってから発展するもの,最初からShare(共有)をしたくなるようなコンテンツを用意することは,ほとんどの場合難しいのではないかと思います。また,競合も多く,可処分時間も少ないユーザが自発的にShare(共有)してくれるのを待つだけでは,流行する前に廃れるということも現実問題ありうるはずです。

そこで,意図的に Share(共有)してもらえる仕組みを企画してサービス内に準備しておくのが,成功するCGMのカギだと思うのです。

口コミを公開するのと同時に,FacebookやTwitterでも公開することができる

口コミを公開するのと同時に,FacebookやTwitterでも公開することができる

たとえばRettyではお店の口コミを書いたとき,Retty上に口コミを公開するのと同時に,FacebookやTwitterでも公開することができるようにしています。Facebookなどで美味しい料理や気に入ったお店について,投稿している人を見かける事も多いと思いますが,それをRettyへの口コミと同時に投稿できるようにしているわけです。

FacebookにShareされた投稿にはRettyのリンクが設置してある

FacebookにShareされた投稿にはRettyのリンクが設置してある

FacebookにShare(共有)された投稿にはRettyのリンクが設置してあり,それを見た投稿の素質がある人(投稿者の卵)は,⁠自分も口コミを書いてみたい」と思い,Rettyをインストールしてくれる,という仕組みです。

同じような仕組みを取り入れているCGMはありますが,あまり上手くいっていない例が多いようです。原因はそもそもShare(共有)をしない情報をShareしてもらう仕組みにあるようです。

たとえば500文字もあるような本格的なお店の口コミや特定の業界についての専門知識などは,そもそもFacebookやTwitterに投稿するのがはばかられるので,いくら仕組みを作ってもShareされにくいのです。

つまり,ユーザが自発的にShareしたくなる仕組みにすることが大事なのです。

Rettyの仕組みが上手く行っている理由としては,サービス開始当初からFacebookやTwitterでシェアしてもらうことを念頭において,口コミの内容を自分の私的な感情や感動を伝えやすい雰囲気にしていたのが理由と考えています。

そもそもShare(共有)を狙わずに,GunosyやSmartNewsのようにTV広告を使って一気にユーザを獲得するほうが効率的ではないか? という意見もあると思います。

これに反論すると,TVのようなマス広告で獲得できるユーザは,多種多様雑多な人種でその中で投稿者となる素質のあるユーザは数が限られています。そのため投稿者に使ってみたいと感じてもらうためとしては,TV広告は効率的ではないと思っています。反対に誰でも投稿者になることのできるサービス(メルカリやanswerなど)は,TV広告のような手法で投稿者を集める事が有効かもしれません。

使ってみたくなる内容

投稿者に使ってみたいと感じてもらうためには,Shareして届けてもらう内容も重要です。当然と言えば当然ですが,見た人が自分も使ってみたい(投稿してみたい)と感じる内容でないといけません。

たとえばあるソーシャルゲームで「○○三国志をはじめよう,いまなら300Gプレゼント!」と言ったShareをさせているのですが,これでは「自分も使ってみたい」と感じませんね。もしこれが「○○三国志で遊びつつ,歴史の勉強もできました」なら,⁠お,遊びだけじゃなくて勉強にもなるんだな。やってみようか。」となるかもしれません。

Shareするコンテンツは口コミであると同時に,口コミのリンクの先には友達が貯めたお店のリストが見られる

Shareするコンテンツは口コミであると同時に,口コミのリンクの先には友達が貯めたお店のリストが見られる

Rettyの場合には,Shareするコンテンツは口コミであると同時に,口コミのリンクの先には友達が貯めたお店のリストが見られるため「便利そうだから自分も投稿してみたい」と感じてもらえるように工夫をしています。

著者プロフィール

内野友明(うちのともあき)

現在,グルメサイトRetty(200万ユーザーのCGM)でディレクターをしています。前職はコミュニティ・ファクトリーで,現在2,000万ダウンロードのDECOPICをディレクターとして立上げました。

「グルメサイトRetty」

ユーザーからの口コミを,スマートフォンを中心に閲覧することのできるサービスで,2011年から現在までに80万件の口コミが集まっています。飲食店の口コミ件数では食べログについで業界2位,スマートフォンから集まった口コミに限れば業界1位と言えると思います。

「DECOPIC」

DECOPICは,スマホで撮影した写真をかわいくデコレーションできるアプリで,リリースから順調にユーザー数を伸ばして,2013年に2,000万ダウンロードを突破しました。

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