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独学で極める “Webデザイン”の技と心

第2回 自分なりの強みを活かしたWebデザイナーになるための考察

多様化・高度化するWebデザイナーのお仕事

近年,Webデザイナーへ求められるスキルは多様化,そして高度化しています。 スキルを細かく分類しても,多岐にわたってしまうことがわかります。

Webデザイナーに求められるスキルを細分化する

  • グラフィック(ビジュアル)デザインスキル
  • (X)HTMLマークアップスキル
    文書構造を適切に意味付けする
  • CSS技術スキル
  • HTML/CSSオーサリングソフト操作スキル
    代表的なツール:Dreamweaver
  • 目的にそって情報を配置(レイアウトやマッピング)
  • インターフェースデザインを行うスキル
  • 配色スキル
  • JavaScript技術スキル
  • Flashオーサリングスキル
  • グラフィックソフト操作スキル
    代表的なツール:Photoshop/Illustrator/Fireworks
  • アクセシビリティ配慮のスキル
  • ユーザビリティ配慮のスキル
  • インフォメーションアーキテクトスキル
  • SEO/SEM 知識と実装スキル
  • マーケティング知識と実践スキル
  • 企画/提案スキル

もちろん,いろいろな分類の仕方があるかと思いますので,このように分類するとは限りません。

また,挙げれば挙げる程,「Webデザイナー」とひとくくりにして良いものかどうかという問題もでてきてしまいますし,(もちろんすべてに長けているに越したことはないのですが)たくさん身につけるべきスキルがありすぎて,この先大丈夫なのだろうかと不安に陥るかもしれません。私もその一人でした。

それぞれの分野のスペシャリストがいるという組織もありますが,どちらかというと小規模な組織ほどあらゆる役割を兼務せざるを得ません。そうして,一人のWebデザイナーへ求められるスキルが高まっていると言えます。

Webデザイナーである前に,まず自分の仕事をデザインする人でありたい

「プロのWebデザイナーとしてお金をいただき仕事する以上,自分がどのようなの力をだして社会貢献できるのか」

「何でもできるわけではないけれど,その中でも自分が誇れる仕事ってどういう仕事だろうか」

日々進歩する技術の中で,自分がどれだけ役にたてるのかという壁にぶつかってしまったときこそ,冷静に今の自分を認識する必要があります。

良い仕事を続けるには,自分を高めるモチベーションを維持しなければなりません。その原動力になるのはお客様の喜ぶ顔かもしれませんし,もしかしたら,昨日よりも成長した自分に対する喜びかもしれません。いずれにしましても,

現状をしっかり見つめた上で自分なりのキャリアパスをデザインしてみると,次の目標が見え,着実にWebデザイナーとしてのステップアップができるようになるのではないかと思ったのです。

今の自分のできること,やりたいことなどをしっかり見つめる

これらのスキルのうち,

  1. 今,どんなスキルが身についていて,何が強みなのか
  2. 現状できているかどうかは別として,好きで打ち込める分野はどれなのか
  3. スキルは一応身についているが,満足するスピードやクオリティのだせない(いわゆる,苦手)分野や弱点は何なのか

というように,一度立ち止まって現状の自分を知ることができると,次のステップが見えてくるようになります。

私の事例で言うと

私がWebデザイナーになる前は,少しDTPデザインに携わっていた経験が偶然にもあったので,

  • グラフィックソフトが扱える

というのがスタート地点でした。また,興味本位で取得した

  • カラーコーディネート検定資格(※1

これも強みであると考えるようにしました。

さらに偶然にも,Web標準方面の知識をもった友達や関連書籍に恵まれたことが,

  • 人にも機械にも理解しやすい(X)HTMLを書くことや,見栄えと構造を分離すること(X)HTML+CSSへの関心

につながりました。関心を持つことによって,好奇心が加速し,好きな分野に変わっていきました。これに加え,オーサリングソフトを使うスキルなども,サイト規模や案件によって必要になってくるかもしれません(実は私,Dreamweaverなどのオーサリングソフトを使ったことがない立場ですが,その分,エディタによって自分で書けることが強み,と思うようにしています)。

  • 試行錯誤に時間のかかってしまう作業は,情報のレイアウトにかかる部分だった
  • そもそもWebデザイナーとしての経験値が低い

これは私の弱点の一つでした。

その中で,私はまず,好奇心の強いものから勉強していくことにしました。一つの分野を深く追求することによって,あらゆる分野が相互に密接にかかわり合っていることがわかり,次の好奇心に繋がっていき,違う分野の学習意欲も湧いてきました。

※1 文部科学省認定 カラーコーディネート検定試験
実務を経験するとわかるのですが,こういった試験で得る知識以上に,実践で試行錯誤して得た知識のほうが役にたっています。Webは色見本や理論のとおりにはならないし,情報の大きさ,大切さ,配置などによって色の分量も変化しますし,それらを総合的に料理するスキルが要求されるのがWebデザインの楽しいところでもあります。

たとえば,単純でわかりやすい例ですと

例1)

HTMLを正しく/妥当にマークアップする必要がある理由は,正しくマークアップをすることで,人間だけでなく機械にも文脈・内容を適切に伝えることができ,地道な結果がSEOとなるから…というように,HTMLのマークアップを突き詰めることでSEOへの作用にも関心が集まり,立体的に学習したくなってきてしまうものです。

例2)

Webサイトの配色を決定するにあたり,配色に関する基礎知識は最低限必要ですが,それだけではなく,Webで発信するテキストなり画像なり音声なりの情報を,重要度によって色分けする(色で情報を分類する)というスキルも必要になってきます。このことは,ただ色分類するだけでなく,情報の設計・ナビゲーション・導線などを設計することにつながり,広い意味ではインフォメーション・アーキテクトの分野になってくるでしょう。

(参考)
IA(アイエー)の必要性について - コラム - セミナー・ナレッジ | ネットイヤーグループ

このように,それぞれの分野が密接に関わり,Webデザインを行う人にとっては,それぞれが重要なスキルになっていきます。強み,弱みを冷静に分析すると,Webデザイナーとしての自分の個性のようなものが浮き上がってくるのではないでしょうか。

特に好きな分野,得意な分野を認識してのばして行くやり方は,モチベーション維持にも繋がりますし,結果的に良い結果を生み出すと思います。

Webをデザインする目的を忘れない

どれだけのスキルを身につけても,大切なことを忘れてはなりません。

ほとんどのWebサイトにおいては,何かしらの目的(例えば顧客を増やす/認知度を向上させる/ブランド力を高める)があり,特に企業サイトであれば,Webサイトが存在することにより,ビジネスを成功に導く役割を担っています。

特別な利益の伴わない場面においては,「センスが良い」「美しい」という,どちらかというとアートのような観点だけでWebサイトを評価して終わる場合もあるかもしれませんが,利益や集客等を目的とするWebサイトにおいては,ビジネスを成功に導かなければ,Webデザイナーとしての役目を果たしたことにはならないと申し上げても過言ではありません。

これは,Webデザイナーに求められるスキルや能力が多様化・高度化してきても変わらないことです。私たちの持つスキルを効果的に活かして,よりお客様を喜ばすことができるように磨きをかけていきたいものです。

著者プロフィール

山田あかね(やまだあかね;purprin)

エスカフラーチェLLC,デザイナー。名古屋出身。Web業界とまったく関係ない業種で独立して働く傍ら,Web/XHTML/CSS等技術を独学。2005年「コトノハ -○×ソーシャル」のデザインリニューアルを行ったのをきっかけに上京し転職。株式会社paperboy&co.で主にソーシャルブックマークサービス(POOKMARK Airlines)等の Webサービス開発に携わる。2007年1月,エスカフラーチェLLC の設立に参画し,デザイナーとして幅広く活躍中。

URLhttp://purpr.in/blog/

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