WEB DESIGN WORKSHOP「正しいウェブデザイン」

第13回 CAMPAIGN PLANNING「キャンペーンプランニング」

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キャンペーンの応募条件

キャンペーンの応募に対して応募者に要求する条件の設定もキャンペーンの成功を左右する。通常はクイズやアンケート程度のものを設け,マーケティングに必要な情報収集や,目的のコンテンツを読ませるなどの施策を行い,応募数を最大限に確保するためにハードルを低くキープする。先に述べたようにアンケートのフォーマットによってハードルを上げる事もできるが,中にはもっと高いハードルを立てるキャンペーンも多く存在する。投稿系のキャンペーンはユーザーにコンテンツ活用できるものを投稿させることが多いが,その内容によっては全く応募がされないものも多い。簡単なコメントや文章であればその場で書くことができる。しかし,画像などの投稿となるとその場で対応することは困難である可能性が高い。応募に対して一度ユーザーをキャンペーンページから離脱させる必要があるものは転換率を大幅に下げるため避けたほうが良い。重要なのはユーザーの行動オアターンをしっかりと把握し,ハードルの設置をユーザーのセグメントやフィルタリングのためだけに設け,応募に対する無意味な障害を作らないことだ。

図1

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ユーザーを離脱させないために

キャンペーンへの応募はユーザーが個人情報を運営者に届ける事が出来れば成立する。その応募方法はユーザーによって異なるだろう。後のデータベース管理を考慮するとモバイル,PCに限定するべきであるが,アナログな応募を処理し,後にCRMとして活用することができるのであれば設けても良い。重要なのはユーザーが「いつ⁠⁠,⁠どこから」でも応募できる自由を与えることである。

ユーザーは離脱すれば忘れる。一度応募を検討したユーザーを離脱させないためにリマインダーを提供することも考えるべきである。PCのキャンペーンページからはモバイルのページへの誘導を設け,QRだけでなくURL,空メールも記載するべきだろう。後に応募するために自身に,知人にメールを送れ,ブックマークできるようにするのも有効だ。

図2

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媒体の選別

限られた媒体予算の割り振りはとても慎重に行わなければいけない。キャンペーンページの露出を確保できるアセットがなければ,媒体の選別によりキャンペーンの結果が決定してしまう。バナー,ターゲティングメール,ブログ記事,タイアップ,リスティングなどWEBの媒体には様々な種類と特性があるが,その有効性はキャンペーンによって大きく異なる。どのようにキャンペーン告知に最適な媒体を選別するべきか? WEBには豊富な媒体の数や種類が存在し,とても難しく感じる。しかし,シンプルに考えるとWEBの媒体はすべて安定したトラフィックや一定数のユーザーデータベースを持っているもので,キャンペーンを通じてその一部をこちらに取り込む(オプトインさせる)だけなのである。すなわち,ターゲットとしている層のユーザーをより多く抱える媒体の中で費用対効果を比較検討すれば良いだけである。種類の選別はキャンペーン自体の内容に合わせ,どのような露出が最適なのかを検討する。ポイントは限定された露出からいかにユーザーに次のアクションを取らせるかに加え,その媒体の選別によって二次的な効果を期待できるかである。

媒体の露出をシミュレーションし,バナー等の小さな画像での露出や,ターゲティングメールの件名だけの露出でユーザーをキャンペーンページへと誘導できるようなプランニングが必要である。

コンテンツの提供,製作費と媒体費のバランス

キャンペーンサイトへの誘導率は適切なインセンティブに加え,話題性やエンターテインメント性の提供により大幅に高まる。また,CGMで話題として取り上げやすい内容であれば,キャンペーンページへの入り口も増える。単純にインセンティブと媒体を組み合わせればキャンペーンは成り立つが,懸賞ばかりに応募しているユーザーの集客に留まりかねない。⁠有効なユーザー」の獲得にはキャンペーン自体を面白いと思ってもらえるような「中身(コンテンツ⁠⁠」が必要である。そのため,キャンペーンを企画する際は費用対効果を上げるため,制作と媒体にかける金額のバランスを取らなければいけない。

制作費をかけなければ,有効ユーザーの獲得率は低く,口コミ等による二次的な拡散も期待できない。しかし,製作費を増やし,媒体費を圧迫してしまうと集客が行えない。ある程度の製品自体の話題性やメディアサポートが期待できる案件がリッチな製作を必要とするのはこのためだ。キャンペーンの中身を考える前にターゲットの設定とアセットの確認が必要不可欠なのである。

次回は,コンテンツのソーシャル化とそのメリットとリスクについて説明する。

著者プロフィール

荻野英希(おぎのひでき)

FICC inc. 代表。ファッションブランドのアートディレクターを勤め,ウェブプロデューサーとして様々なブランドや企業のウェブプロモーションを手がける。デザインポータルAnotherbookmarkの運営や雑誌連載の執筆など,幅広い活動を行っている。

URLhttp://www.ficc.jp/