WEB DESIGN WORKSHOP「正しいウェブデザイン」

第16回 Buzz Marketing through CRM「CRMを通じたバズ・マーケティング」

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具体的な抽出方法と項目

抽出方法は消費者からの自主的な申告に頼る他ない。顧客に響くインセンティブを提供し,アンケートを実施する。日本人はなぜか「アンケート」という言葉に弱い印象がある。⁠アンケートで当たる」などの件名のメールは高いCTRと登録者の情報を獲得できる。

抽出する項目として,以下のものが挙げられる。

(1)製品・サービスに対する好み

できるだけ詳細にユーザーの好みを把握すると共に,対象となる製品の特徴に対する意識を把握する必要がある。例として,以前行ったファンデーションのキャンペーンでは対象となったリキッドファンデーションは透明感や軽さにが売りであったが,カバー力に欠けていた。⁠ファンデーションを購入する際に重視する特徴」という質問項目から「透明感⁠⁠,⁠軽さ⁠⁠,⁠カバー力⁠⁠,⁠キープ力」などの特徴に5段階の点数を付けてもらった。結果,商品特性に最もマッチする好みを持った消費者を抽出することができた。

(2)情報発信力の有無

次にその消費者が情報発信力を持っているかを問う※1⁠。ブログを公開しているか,そしてその更新頻度,主なテーマ。SNSへの参加,参加頻度,接続人数,コミュニティーへの参加。クチコミ投稿サイトへの参加,投稿頻度,主な投稿ジャンル。Q&Aサイトへの参加,参加頻度,等々…可能な限り具体的に,またプロモーション活用可能な項目を全て聞いておこう。

※1
ブロガーの抽出を行う際はブログパーツやシールなどを配布し,その実際の影響力を測定することも消費者の選別に有効である。
(3)モティベーション

インセンティブを設けることでクチコミに対してモティベーションがそこまで高くない消費者の参加も増える。インセンティブが大きければ消費者のモティベーションを計測する項目が必要となる。ひとつの効果的な方法はアンケート内にフリーワードの項目を設けることである。アンケート投稿に対し,考え,文章を構成する機会があればモティベーションの高い消費者ほど熱心に応えてくれる。企業に対するメッセージなど,フリーワードかつフリーテーマの項目があっても良いだろう。

(4)行動パターン

上記3つの項目で,バズ・マーケティングを行うための消費者は抽出できる。この顧客情報を更にダイレクトマーケティングに活用するには購買に対する消費者の行動パターンを獲得するべきである。化粧品を例にすれば購入場所が薬局,コンビニ,百貨店,専門店などに分かれる。また,購入のタイミングも出勤前後,平日,週末などに分かれる。購買がいつ,どこで行われるかを把握し,製品の好みとクロスすることで,最も購買の可能性が高い顧客を抽出することが可能となる。目的のコンバージョンがECなどPC上で完結できるものでない限り,外出先でのコンタクトを可能とするためにモバイルのメールアドレスも取得する必要がある。

アンケート取得時にメール,携帯,郵送などのパーミッションを取得することで,上記取得項目を今後のプロモーションに二次活用することが可能となり,さらなるコストカットを実現することができる。

CRMはWebマーケティングの最重要課題

今回はCRMの少し変わった活用方法を紹介した。しかし今後,企業のCGM活用が本格化する中でこのような活用方法は当たり前のものになるだろう。広告費用が見直され,販売促進に役立つ消費者のデータベースを企業が自ら保有するようになる。広告のコストをカットするということは効果を上げることにも繋がる。

次回は見直されつつあるメールマーケティングについて説明する。

著者プロフィール

荻野英希(おぎのひでき)

FICC inc. 代表。ファッションブランドのアートディレクターを勤め,ウェブプロデューサーとして様々なブランドや企業のウェブプロモーションを手がける。デザインポータルAnotherbookmarkの運営や雑誌連載の執筆など,幅広い活動を行っている。

URLhttp://www.ficc.jp/