Web標準とその周辺技術の学び方

第3回 HTMLとXHTML,HTML5

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HTML5 ― 互換性に重きにおいた,新しいWebのプラットフォーム仕様

「拡張はXHTMLで」という仕組みが機能しない一方で,機能の追加に関する要望は増えていきました。こうした流れを受け,HTMLの拡張を行うのが「HTML5」になります。

HTML5の策定は,今から5年前の2004年に,ブラウザーベンダーを中心に始まりました。以前よりHTMLを段階的に拡張するアプローチの方が現実的でよいと考えていた彼らは,WHATWGという団体を設立し,HTML5の前進となる「Web Forms 2.0」「Web Applications 1.0」という仕様を策定していました。

その後,2007年にW3Cが「HTMLの拡張もする必要がある」と方針を改め,新しいHTML WGを設立してから,WHATWGはW3Cと合同でHTML5の策定にあたっています。

Note:
その名前からか,⁠アンチXML/XHTML」として見られることもあるHTML5ですが,決してそうではありません。ややこしいのですが,HTML5はXML構文を利用して記述することも可能です(便宜上,XHTML5と呼ばれています)⁠
ただし,XHTML5な文書をtext/htmlで公開することはできません。XHTML5は,application/xhtml+xmlなど,XMLとしての公開が前提なのです。

機能拡張も一つのテーマではあるのですが,HTML5が重きを置いているのは「互換性」です。ブラウザーの実装同士の互換性,現在のWebとの互換性など,さまざまな面から互換性の確保・向上を目指し,仕様を定義しています。

HTML5のスケジュールですが,HTML WGの作業計画では2010年の第三四半期に勧告という予定になっています。しかしこれはまず起こりえないでしょう。第一回目の最終草案は2009年の10月と予想されていますが,それからの実装や互換性の確保,仕様の修正などを考えると,勧告までには年単位の時間がかかるからです。

ただし,だからといって何年もHTML5が使えないわけではありません。今は時期尚早ですが,数年経てば実装も広がり,CSS 2.1のように勧告でなくても広く使われる状態になるのではないかと予想しています。

HTMLか,XHTMLか

HTML5という「HTML再開」の動きが出てきたことで,⁠HTMLか,XHTMLか」という議論が少しずつですが見られるようになってきました。中にはXHTMLで公開していたブログやWebサイトを,HTMLとして書き直したという例も見かけます。

しかしながら,今後XHTMLが廃止されることやブラウザーのサポートがなくなるわけではありません。ですから,今後の移行を見越してHTMLに書き直すといった作業を行う必要はありません。

「XHTMLに慣れていたので書きづらい」という方がいるかもしれません。先ほども書いたように,HTML5ではXHTMLとして書くことができます。また,HTML5のHTML構文では,<br />といったXML由来の構文も利用できるようになりました。

もちろん「XSLTを使いたい」⁠XMLでの書き方に慣れている」などの理由があれば,XHTMLを使うことの意義は当然存在します。しかし,XMLであることに利点を見出せなければ,HTMLを使うことも問題は全くありません。

著者プロフィール

矢倉眞隆(やくらまさたか)

株式会社ミツエーリンクスにて、品質向上に関する業務やWeb標準の啓蒙などに取り組む。HTMLやCSS,WebAppsなどWeb技術の最新動向を追いかけ,「Web標準Blog」にて情報を公開中。