サンフランシスコ/シリコンバレー 最新Webトレンドレポート

第1回 Govit.com - 政治もオンラインの時代に

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2.5 分

Webサービスの最先端を走る,アメリカサンフランシスコより,ベンチャー企業が参加するイベントや,関係者のインタビューなどから得られるホットな最新情報をお届けいたします。

ネットとリアルをつなげるWeb 3.0の波

2006年ごろから2008年上旬ごろまでは,サンフランシスコ市内を中心に,Web 2.0系のWebサービスを提供するネットベンチャー企業が多く見られましたが,2008年後半あたりから,オンライン上のみで提供されるサービスの多くが淘汰されはじめ,それに代わり,ネットとリアルな生活をつなげるWeb 3.0とでもいうべきサービスが注目され始めています。

最新のネットベンチャーが集うイベント SFNewTech

ここサンフランシスコでは,月に一回,町外れにある倉庫を改造したクラブを貸し切り,スタートアップによる発表会が行われています。毎回5~7社の,オンラインサービスを通じ世界を変えようとしているネットベンチャー企業の若き強者たちが,5分間の制限の中でプレゼンを行い,自社のサービスをアピールします。

写真 SFNewTech。会場となる倉庫と会場風景。

SFNewTech。会場となる倉庫と会場風景。 SFNewTech。会場となる倉庫と会場風景。

プレゼン後5分間の質疑の時間が与えられ,白熱した雰囲気の中,観客とのやり取りが行われます。かつてこのイベントにはTwitterやTechnoratiも参加しており,今後ヒットしそうなサービスをいち早くキャッチすることが可能です。ちなみに参加希望者は,オンラインで申し込みを行い,その中から主催者の厳しい審査に通った企業だけが発表の場を与えられます。

この連載においては,上記のイベントで見つけた,今後世界的にヒットしそうなネットサービスをご紹介します。

写真 SFNewTechの風景。写真からも熱気が伝わってくる。

SFNewTechの風景。写真からも熱気が伝わってくる。 SFNewTechの風景。写真からも熱気が伝わってくる。

SFNewTechの風景。写真からも熱気が伝わってくる。 SFNewTechの風景。写真からも熱気が伝わってくる。

Govit.com

最近大統領に就任したオバマ・アメリカ大統領。最近行われた就任式はテレビやネットにて全世界に放送され,日本でも大きな話題になったと思います。ここアメリカでは,国民の政治に関する興味や意識がとても高いうえ,日本と違いインターネットを活用した政治活動も活発に行われています。たとえば,それぞれの候補者や政治家が自分のサイトを活用し,有権者へのアピールを行いプロモーションに活用しています。現にオバマ大統領の当選理由の1つとして,ネットを活用した若者たちのとりこみが大きかったと言われています。

今回紹介するGovitはそのような政治に関心の高いユーザに向けて作られた,総合政治サイトです。サイト名であるGovitは政府を意味するGovernmentitを加えた造語で,ゴヴィットと発音します。意味としては,政府・政治に関わろうと言ったところでしょうか。

 Govit.com

Govit.com

このサイト政治サイトとは言っても堅苦しいものではなく,デザインもきれいで使いやすく,誰でもが簡単に使えるものとなっています。中央政府から地方自治体に至るまでのさまざまな統計や情報を得られるだけでなく,ユーザ同士の意見交換や,法案に関しての人気投票,そしてフォーム上から直接それぞれの政治家へのメッセージを送ることができます。たとえば,現在活躍している政治家のプロフィールを確認したり,審議中の法案を他のユーザと議論したり,また自分のアイデアなどを市議会議員に送ったりする事が可能です.また,掲載されているアメリカ全土の地図にて各州における支持政党の分布図が表示されます。

 Govit.comの特徴は,その見やすいビジュアルデザイン。

Govit.comの特徴は,その見やすいビジュアルデザイン。 Govit.comの特徴は,その見やすいビジュアルデザイン。

このサイトを運営するのは,サンフランシスコ在住のテイラー・ノリッシュ(Taylor Norrish)さん。彼は元々IT関連の会社に勤めていましたが,政治に大変興味があり,約1年ほど前よりこちらのサイトの作成をはじめ,約半年後にBeta版を公開しました。Govitサービスを思いついたきっかけを「政治に関するサイトは結構あるけど,使いやすく,わかりやすいものがなかったからね」と語ります。

写真 Taylor Norissh氏。

Taylor Norissh氏。

photo by Matthew Silvery

氏の言うとおり,このサイトは使いやすさを最優先にデザインされており,若者からお年寄りまで,簡単に使えるようになっています。機能面では,Ajaxを至るところで活用し,スムーズなユーザビリティを実現しています。バックエンドのテクノロジは.NETを採用,デザイン面では,アメリカの国旗,そして民主党と共和党のそれぞれのシンボルカラーである,赤と青を貴重としながらも,かなり洗練されたインターフェースになっています。

また,特筆すべき点として,アメリカ最大級のSNSサイト Facebook用のアプリも公開していることが挙げられます。これにより,Facebookユーザたちの間での意見交換や,Facebook上からの人気投票が可能になっています。また,現在,iPhone用のアプリやブログツール,デスクトップ用ウィジェットも開発中で,さらなるユーザの獲得がみこまれます.アメリカはインターネットビジネスだけではなく,ネットと政治の融合に関しても,世界をリードしているといえるでしょう。

 Govit.comのFacebook用アプリ。

Govit.comのFacebook用アプリ。

ちなみに,ノリッシュ氏に現在の日本の法律(公職選挙法)では,このようなサイトを公開することも違法になる可能性があることを説明すると,「冗談だろ?先進国の日本がネットを政治に使えないのは,とても残念に思うよ。僕の奥さんも日本人だからね」とのことでした。

著者プロフィール

Brandon K. Hill(ブランドン・ヒル)

サンフランシスコに本社を置くグローバルクリエイティブエージェンシー, btrax(ビートラックス)CEO。

Website:http://www.btrax.com/jp
blog:http://blog.btrax.com/jp
Twitter:@BrandonKHill

コメント

コメントの記入