WebSig1日学校~未来のあなたとWebを変える1日

第4回 マネジメントのための国語

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清水誠先生
(楽天株式会社)

清水誠先生(楽天株式会社)

清水先生(楽天)による「マネジメントのための国語」では,ご自身が経験された豊富な実例を交えながら,Web制作に携わる会社や個人の価値を高め,それを的確に伝えるためのコミュニケーションスキルと戦略について講義されました。

考えを整理する方法

マネジメントに携わる人にとって,相手の言葉をきちんと理解し,考えを整理して戦略的に伝えていくという能力は,今後ますます重要なものとなってきます。⁠まずは考えを整理する方法です。1点目は図解で整理するという方法です。なかでもコンセプトダイヤグラムというのがお勧めです」このコンセプトダイヤグラムについては,清水先生のブログ実践CMS*IAの中で詳しく紹介されています。

2点目は帰納と演繹を繰り返すことです。⁠つまり概念的にざっくりと考えることと,具体的にブレイクダウンすることを繰り返すことで,概念としての整合性,具体性としての整合性,両方の精度が上がります」⁠ここでは,コンテンツマトリックスに書き出して整理する方法を紹介されました。その作業の中で必要に応じて項目を書き足すことで抜け漏れを防ぎ,またサイトの目的自体の精度を高めることにもつながります。

3つ目は,前提を確認することです。決めたことや提案したことの根拠となる前提をきちんと伝えることで,間違った意思決定を防ぐことができます。⁠組織の中では,たとえ間違っていたとしても一度決定されてしまうと,後でそれを覆すことは非常に難しいです。前提を伝えるということは,理解し判断してもらう材料をきちんと伝えることで,提案先の意思決定プロセスに踏み込むことになります」ここでは,ウォーターフォール逆流アプローチを紹介されました。これは,あるサイト構築の前提となる想定ユーザ像がぶれているならペルソナを作ってみるという具合に,ある意思決定の前提となるデータの検証に,必要に応じて遡っていくという方法です。

伝えるべき方法と内容は相手次第

プロジェクトを進めていく上で,誰が今どのような情報を持っているのかを把握し,その上でどのように動いてほしいのかを頭の中でイメージしてコミュニケーションをとることは非常に重要なことだと清水氏は話します。そして,そのときに伝えるべき内容と方法は相手によって変える必要があります。

「たとえば,あるプロジェクトのメリットを先方に伝えるときに,資金繰りをする経営者の人には費用対効果を伝えました。チームの管理をするマネージャーに対しては部下のミスが減ることを伝えました。担当に対しては手作業のつまらない仕事が減るといったメリットを伝えました。同じことを伝えるのでも,相手にとって意味があり,それを伝えることで相手が動いてくれる情報を伝えていくことが大事です」⁠

結果を出せる仕事をするためには,理論と実践のバランスをとること,設計プランを立てて実行した結果をきちんと現場にフィードバックしていくことが重要となります。また,仕事の価値を出すためにはデータを根拠に仕事を進めていくこと,また一般論や技術ではなく体験とデータを根拠に語れるストーリーを増やしていくことも必要です。

「具体的なストーリーとして話せないノウハウは,可能性でしかなく,ノウハウとは呼べません。やった結果どうなったかというフィードバックを得ることで,結果を出せる状態にならないと仕事に価値は生まれません。ビジネス結果がわからないようなモノづくりを続けることは,時間の無駄ではないかとさえ思います」と清水先生は指摘します。

個人の価値とキャリアのパンくず

最後に個人のキャリア形成について講義されました。⁠キャリアのパンくず」とは,過去を振り返ることで自分が行くべき未来の指針を立てることができる,という考え方です。⁠キャリア形成については,整合性を取りつつ,過去の経験を活かしながら価値を足していって行きたい方向を目指すのが大事だと思います。面接などで過去の職歴を説明するときも,最終的に自分がどこに行きたいのかを見据え,次に何を経験しないといけないのかを明確にした上で,⁠だからこそ,このときはこの仕事をしていたんです』と説明できるようにすることが,自分のキャリアを築く上で大切なことだと思います」⁠

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著者プロフィール

木村早苗(きむらさなえ)

フリーランスライター。滋賀県出身。ギャラリー勤務,Webデザイン専門誌の編集を経て,現在はデザイン,ファッション,音楽,IT系など幅広い分野で執筆を行う。著書にWSE BOOKSシリーズ『社内ブログ導入・運用ガイド』(技術評論社)。お笑い&音楽好き。


高橋未玲(たかはしみれい)


馮富久(ふぉんとみひさ)

株式会社技術評論社クロスメディア事業室室長。

1975年生まれ。横浜市出身。1999年4月株式会社技術評論社に入社。入社後から『Software Design』編集部に配属され,2004年1月に編集長へ就任。同2004年9月に『Web Site Expert』を立ち上げ,同誌編集長に就任,現在に至る。その後,2008年9月に設立したクロスメディア事業部(現クロスメディア事業室)に配属。現在,社外活動として電子書籍を考える出版社の会の代表幹事やWebSig 24/7のモデレーター,TechLIONプロデューサーなども務める。過去にIPAオープンソースデータベースワーキンググループ委員やアックゼロヨン・アワード他各賞審査員などの経験を持つ。

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