いま,見ておきたいウェブサイト

第31回 voice of awareness #kizuku,Ole! Ole! CR-Z,日本経済新聞 電子版

この記事を読むのに必要な時間:およそ 3 分

お花見シーズンのウキウキした気分が終了したにもかかわらず,今度はゴールデンウィークの休日数が気になって仕方がない今日このごろ,皆様いかがお過ごしでしょうか。今回も個人的に感じた,素晴らしいサイトの特徴をいくつかお話したいと思います。

つぶやきから生まれる“気づき”

『voice of awareness #kizuku』

Twitterを利用して「いま,みんなが気づいたこと」を共有するプロジェクト,⁠voice of awareness #kizuku』のウェブサイトです。

図1 Twitterのハッシュタグを使ってユーザーの⁠気づき⁠を共有する

Twitterのハッシュタグを使ってユーザーの“気づき”を共有する

credit:伊藤 直樹, 株式会社CGMマーケティング

ウェブサイトでは,Twitterで使われるハッシュタグ(#で始まる話題やイベントについてのタグ)⁠#kizuku」を利用して,ユーザーの⁠気づき⁠がまとめられた「日刊気づき新聞」が毎日発行されます。Twitterの公式アカウントをフォローしておけば,新聞の発行が1日1回通知されます。

図2 ⁠日刊気づき新聞」はiPhoneでも閲覧が可能

図2 「日刊気づき新聞」はiPhoneでも閲覧が可能

「日刊気づき新聞」の見出しは,Twitter上のリプライやリツイート,ユーザーの共感(ウェブサイト上での「たしかに」ボタンの押された回数)によって決定される仕組みになっています。また,Twitterのアカウントを使ってサインインすると使える,便利な機能(“気づき⁠の投稿や共感した⁠気づき⁠の一覧など)も用意されています。

ハッシュタグとリアルタイム検索が変えるもの

最近ではハッシュタグを使い,短歌や俳句を集めた『ついっ短歌』Twitterで本の名言を共有する『Inbook.jp』検索と分析に便利な『hashtagsjp』など,Twitterのつぶやきをより楽しめる多彩なウェブサービスが登場しています。

気になった言葉・テーマ・モノに関する情報を探したり,テレビで今どんな内容の番組を放送しているのか確認したり,各種イベントに関連するつぶやきをまとめて見たり…私自身にとって,すでに時系列に沿ってまとめられた情報が入手できるハッシュタグの利用は欠かせません。

図3 Googleの「リアルタイム検索」では,数秒前のつぶやきも検索対象となる

図3 Googleの「リアルタイム検索」では,数秒前のつぶやきも検索対象となる

2010年2月にはGoogleの「リアルタイム検索」が日本語に対応したこともあり,Twitterなどのソーシャル・メディアへの投稿がリアルタイムに検索結果に反映され,今行われていること,誰かが今感じていることを,すぐ知ることができるようになりました。

Twitterの特徴といえる⁠ユーザーの現実との同期⁠によって,コミュニケーション速度が加速し,人々の思考や情報発信,行動や生活をどう変えていくのか。それを積極的に利用している自分自身がどう変化するのか,今から楽しみです。

つながり,広がるソーシャルアプリ

『Ole! Ole! CR-Z』(すでにキャンペーンは終了)

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のmixiで,Hondaが提供しているソーシャルアプリケーション「mixiアプリ」のひとつとして,⁠Ole! Ole! CR-Z』というキャンペーンが行われました。

図4 ⁠CR-Z」などの豪華賞品が当たるソーシャルアプリケーション

図4 「CR-Z」などの豪華賞品が当たるソーシャルアプリケーション

2010年2月26日に発売された,Hondaの新型ハイブリッドカー「CR-Z」のプロモーションとして始まった『Ole! Ole! CR-Z』は,mixiのユーザーがニックネームを変更する(自分のニックネームの中に⁠CR-Z⁠というキーワードを入れる)と,⁠CR-Z」をはじめとする豪華賞品が当たるというアプリケーションです。

図5 最終的には80万人以上のユーザーが参加した

図5 最終的には80万人以上のユーザーが参加した

アプリケーションでは自分に「CR-Z」が当たる確率が表示されるのですが,毎日アプリケーションにログインしたり,マイミクと協力する(マイミクがニックネームに⁠CR-Z⁠を追加したり,マイミクをアプリケーションに招待するなど)ことで当選確率を上げることができるため,3月末の終了までに⁠mixiのユーザー80万人以上が参加する⁠という,爆発的な広がりを見せたプロモーションとなりました。

SNSへと移動するユーザー

調査会社のNielsenによる調査で,2010年1月のFacebookにおけるユーザー1人当たり滞在時間が7時間へと増加(Google,Yahoo!の3倍以上)していることや,Facebook がGoogleを抜いて最もアクセス数の多いウェブサイトになったことが調査会社Hitwiseによって発表されるなど,アメリカではウェブサイトを利用するユーザーが,検索中心のポータルサイトからSNSへと利用の中心を移し始めているデータが挙がってきています。

こうしたユーザーの動きの変化に,PepsiがFacebookなどのソーシャル・メディアへの広告に2000万ドルを投入することを決定したり,Coca-ColaとUnileverもFacebookやYouTubeといったコミュニティへと マーケティング活動の重点を移すことを表明したりと,アメリカでは企業側も敏感に反応しています。

日本でもmixiが2009年8月から「mixiアプリ」を導入後,ユーザーの利用時間を伸ばしている例もあり,今後,企業が積極的にSNSでのプロモーション活動を行うのは間違いありません。従来のキャンペーンサイトなどでは実現できない企画が,ソーシャルアプリを利用することで次々と生まれる可能性もあり,しばらく目が離せない状況が続きそうです。

著者プロフィール

Lançamento(ランサメント)

国内外のウェブサイトを日々紹介する Blog『Lançamento』を運営する,自称“フリーランスという名の無職”。目指すは“エクスペリエンスデザイナー”(O'REILLY『Web情報アーキテクチャ』11ページ参照)。2008年の“ジェフの奇跡的な残留”を目の前で見たサッカー好き。

コメント

コメントの記入