いま,見ておきたいウェブサイト

第34回 The Official Levi’s Jeans Store,Lexus Dark Ride,Jason Richardson Foundation

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さわやかな風と青葉の季節が過ぎ,いよいよ⁠ジメジメ⁠⁠シトシト⁠の嫌な時期の訪れを感じ始めた今日このごろ,皆様いかがお過ごしでしょうか。今回も個人的に感じた,素晴らしいサイトの特徴をいくつかお話したいと思います。

つながりを意識させるオンラインストア

Levi.com: The Official Levi’s Jeans Store

2010年4月にFacebookが開発者向けカンファレンス「F8」で発表した新機能を導入した,Levi'sのオンラインストア『The Official Levi's Jeans Store』です。

図1 Facebookが発表した新機能が導入されている

Facebookが発表した新機能が導入されている

ウェブサイトの各商品には,Facebookの新機能「Social Plugin」で実現された「Likeボタン」が配置されています。ユーザーはその商品が気に入れば「Likeボタン」をクリックして,コメントを加えることが可能です。この「Likeボタン」が押されると,⁠このユーザーは○○に関心を持っています」とFacebook経由で通知されることで,友人がどのジーンズに興味を持っているのかがわかります。

図2 扱っている各商品にFacebookの「Likeボタン」が用意されている

扱っている各商品にFacebookの「Likeボタン」が用意されている

さらに「Friends Store」では,友人が興味を持っているジーンズを一覧できます。このため「あの人が買っているんだ。じゃあ,私も買おう」⁠Aさんが購入しているなら,私は違うジーンズを買おう」⁠誕生日には,Bさんが好きなこのジーンズをプレゼントしよう」というように,ソーシャルグラフ(人と人とのつながり)を意識させることで,今まで体験したことのない商品購入の仕組みを作り上げています。⁠トップページには,この仕組みを簡単に紹介した動画も用意されています)

Levi's Jeans Storeを説明した動画も用意されている

発表からわずか1週間で「Likeボタン」を導入したウェブサイトの数は5万に達しておりこれからどんなウェブサイトが「Likeボタン」を採用したサービスを展開するのか,非常に興味深いところです。

購入の決め手となる“口コミ”

Amazon.comに代表される,顧客の好みや購買履歴,商品の類似性に基づいて商品を推薦するようなパーソナライズは今までもありましたが,⁠The Official Levi's Jeans Store』では「Likeボタン」の導入によって,商品の購入と販売をより魅力的なものにしています。

特に,筆者自身の実体験(商品購入時に友人の薦めるものを最終的に購入するなど)や,2009年のNielsen Companyの調査(インターネットを利用する消費者の90%が,商品を選択する基準として友人・知人の口コミを信頼するという結果)から考えれば,商品の購入において,より身近でつながりの深い,親しい友人の意見や好みを取り入れたこの仕組みは,非常に強力だと感じています。

日本におけるFacebookの利用は,実名で登録している人が多いということもあり,まだまだ一般的ではありません。しかし,商品購入に至るまでの過程を大きく変えるこの仕組みが,日本のSNSなどに与える影響はかなり大きいと思います。

アメリカで検索サイトの代替として,そして,企業の新しい広告プラットフォームとして注目されているFacebookの利用が日本でも拡大していくのか。それとも既存のSNSやオンラインストアなどがこの仕組みを新たに取り入れるのか。今後,海外だけでなく,日本での動きにも注目していきたいと思います。

著者プロフィール

Lançamento(ランサメント)

国内外のウェブサイトを日々紹介する Blog『Lançamento』を運営する,自称“フリーランスという名の無職”。目指すは“エクスペリエンスデザイナー”(O'REILLY『Web情報アーキテクチャ』11ページ参照)。2008年の“ジェフの奇跡的な残留”を目の前で見たサッカー好き。

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