いま,見ておきたいウェブサイト

第38回 Burberry Eyewear Spring Summer 2010,富士急ハイランドTOP,PilotHandwriting.com

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猛烈な暑さによる寝苦しい夜や,突然のゲリラ豪雨によるずぶ濡れの連続など,自然の力を体で感じている今日このごろ,皆様いかがお過ごしでしょうか。今回も個人的に感じた,素晴らしいサイトの特徴をいくつかお話したいと思います。

ユーザーを魅了する“首の動き”

Burberry Eyewear Spring Summer 2010(Burberry - Burberry - Content)

イギリスを代表するファッションブランド,Burberryの最新アイウェアを紹介するコンテンツ, ⁠Burberry Eyewear』です。

図1 Burberryの最新アイウェアを着用したモデルたちが並ぶ

図1 Burberryの最新アイウェアを着用したモデルたちが並ぶ

credit:KOKOKAKA

ウェブサイトのトップには,Burberryの最新アイウェアを身に着けた6人のモデルが並びます。一見,画像を中心としたカタログ風のコンテンツかと思ってしまいます。

図2 マウスの動きに合わせてモデルの首が回る

図2 マウスの動きに合わせてモデルの首が回る

ところが,各モデルの画像にマウスを重ねると,その動きに気づいたかのようにモデルが正面を向きます。さらに個別の製品紹介では,マウスの左右の動きに合わせて,モデルが首を回しながら製品を紹介します。⁠モデルの首が回る⁠という動きに,思わずびっくりしてしまうウェブサイトです。

“価値”を伝える秘けつとは

企業側には,熱意を持って作り上げた製品を,⁠価値あるものとして,よく見せたい⁠という部分が少なからずあると思います。最近では,製品のディテールだけでなく,完成までの過程や製作者のこだわりなどをコンテンツとして用意するウェブサイトが多く見られるようになりました。

図3 ⁠Burberry Eyewear』の製品紹介は非常にシンプル

図3 『Burberry Eyewear』の製品紹介は非常にシンプル

ただし,実際に製品を購入する側としては,自らがそれらを身に着けた時,⁠見た人にどんな印象を与えるのか」⁠自分がどう見えるのか,どう際立って見えるのか」が,製品の価値以上に重要なポイントとなるのではないでしょうか。この『Burberry Eyewear』では,製品の詳細を前面に押し出すことなく,あくまで製品を身に着けた時の見た目を,生々しい動きと共にフィーチャーしています。

製品に関して,企業がユーザーへと伝えたい情報を用意することはもちろん重要です。それ以上に,ユーザーが気にする部分を上手に突くコンテンツを提供することが,本来,企業が伝えたかった製品の価値を,自然とユーザーに受け入れさせる秘けつなのかもしれません。

常識外の大胆な仕掛け

富士急ハイランドTOP

山梨県富士吉田市にあるアミューズメント施設,富士急ハイランドのウェブサイトです。

図4 各アトラクションの説明が並ぶトップページ

図4 各アトラクションの説明が並ぶトップページ

ウェブサイト上では,富士急ハイランドを代表するアトラクションである「ええじゃないか」⁠FUJIYAMA」⁠ドドンパ」⁠鉄骨番長」を紹介した動画が連続で再生されます。

図5 動画の動きに合わせ,ウェブサイトのバナー部分が動く

図5 動画の動きに合わせ,ウェブサイトのバナー部分が動く

やがてウェブサイト上にあるロゴや各バナーが,動画中の動きや傾きに合わせて,回転を始めます。通常のウェブサイト表現では考えられないような突然の動きに,おもわず驚いてしまいます。

ユーザーが納得する企業イメージ

冷静に考えれば,このウェブサイトにある情報は見づらいですし,各バナーが一度に回転する様は騒がしいと感じることもあるでしょう。しかし,ネット上の評判を調べてみると,おおむね好意的な意見が目立ちます。

富士急ハイランドは,以前からさまざまなメディアで,実験的とも思えるような表現方法を採用しています。今回のリニューアル以前のウェブサイトでは,漫画的な表現を行っていましたし,テレビで放送されるCMも非常に個性的なものが多いです。そして,この通常の枠には収まらない表現が,常に話題となっています。

富士急ハイランドが自らのイメージをきちんと設定し,ウェブサイト上やテレビなどのメディアを通じて継続的に伝えているからこそ,今回のような大胆な表現もユーザーに受け入れられるのでしょう。明確な企業イメージを作り上げるのはなかなか難しいことですが,この事例から学べる部分は少なくないのではないでしょうか。

著者プロフィール

Lançamento(ランサメント)

国内外のウェブサイトを日々紹介する Blog『Lançamento』を運営する,自称“フリーランスという名の無職”。目指すは“エクスペリエンスデザイナー”(O'REILLY『Web情報アーキテクチャ』11ページ参照)。2008年の“ジェフの奇跡的な残留”を目の前で見たサッカー好き。

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