いま,見ておきたいウェブサイト

第40回 Flipboard for iPad,Follow Team HTC - Columbia on Google Maps,プログラミン

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スポーツを面白くする“見えない情報”

Follow Team HTC - Columbia on Google Maps

2010年7月3日から25日まで開催された自転車のプロロードレース「ツール・ド・フランス2010」に参加した,Team HTC - Columbiaの選手たちのデータをフィーチャーしたウェブサイト『Follow Team HTC - Columbia on Google Maps』です。

図5 選手たちのデータがGoogle Maps上に表示される

図5 選手たちのデータがGoogle Maps上に表示される

チームのスポンサーである台湾のスマートフォンメーカーHTCと,ドイツの自転車部品メーカーSRMの協力を得て,GPS(衛星利用測位システム)のデータをGoogle Maps上に自動記録するMy TracksのガジェットをインストールしたAndroid端末を所属選手に持たせ,レース中における各選手のデータを収集します。

動画2 大会期間中には,選手に関するさまざまなデータがリアルタイム表示された

通信回線を使って転送された各種データ(選手の位置や心拍数,ペダルの回転数やスピードなど)は,リアルタイムでGoogle Maps上に表示されていきます。さらにGoogle Mapsを使用することで,実際のコースの様子や高低差なども確認できるなど,⁠ツール・ド・フランス2010」をより楽しめるウェブサイトになっています。

情報の視覚化で変わるスポーツ観戦

「このチームは3連敗中か」⁠あの選手,ケガだって」…インターネットやテレビ,新聞などを通じて,実際の試合に関連する情報を事前に入手することで,スポーツ観戦を楽しめることはみなさんも経験済みでしょう。

中でも⁠目に見えない情報⁠は,試合状況と重ね合わせることで,さまざまな要因が複雑に絡み合うスポーツの奥深さを感じさせてくれます。⁠Follow Team HTC』でも,参加選手たちがどの程度のスピードで走っているのか,心拍数はどこまで上がるのかなど,今まで見えなかった情報によって競技をより深く楽しむことが可能となりました。

さまざまな方法でスポーツ観戦が可能になっている現在でも,観客に提供されない情報は数多く存在しています。今までにない情報を観客に提供することで,スポーツ観戦がどう変わっていくのか。今後もスポーツ好きの一人として,情報で変化するスポーツ観戦の質に注目していきたいと思います。

たのしいプログラミングの世界

プログラミン | 文部科学省

プログラムを通じて,子どもたちに創ることの楽しさと方法論を提供することを目的とした,文部科学省によるウェブサイト『プログラミン』です。

図6 プログラミングの楽しさを体験できる『プログラミン』

図6 プログラミングの楽しさを体験できる『プログラミン』

credit:Bascule Inc.

マウスを使った簡単な操作で,絵と単純な命令(⁠⁠動かす」⁠音を鳴らす」⁠くりかえす」といった簡単なもの)を組み合わせながら,作品(プログラム)を完成させていきます。用意された絵だけでなく,自分で絵を描いて動かすことも可能で,作成した作品は保存や一般に公開ができます。

図7 単純な命令を組み合わせて作品を作っていく

図7 単純な命令を組み合わせて作品を作っていく

サンプルプログラムや命令の使い方を説明した動画が用意されていたり,他の人が作った作品のプログラムの中身を確認できたりと,プログラミングを少しずつ確実に学べる工夫もされています。

図8 基本的な命令の使い方が詳しく説明されている

図8 基本的な命令の使い方が詳しく説明されている

すでにさまざまな作品が公開されており,それらをまとめたウェブサイトも登場するなど,対象となる子どもだけでなく,大人をも熱中させているウェブサイトです。

“対象は子ども”から生まれる特長

子どもたちを対象としている『プログラミン』には,いくつかの特徴があります。例えば,通常のプログラム言語に用意されている,変数やランダムなどの命令がありません。ですが,その不便さが「使える命令の組み合わせで,どう表現するか」という,試行錯誤と表現の工夫を生み出すきっかけとなるでしょう。

また,プログラムを実行した時に,ただ文字や数字が表示されるだけでは子どもの興味は続かないでしょう。⁠絵と命令の組み合わせでプログラムを作り,すぐ動きを確認できる」という仕組みによって,子どもが創作する楽しさをすぐに体験できるのも素晴らしいと思います。

筆者がウェブサイトに関する技術を学び始めたのも,ウェブサイトを見て感動し,⁠自分でもやってみたい」と思ったことがきっかけです。⁠プログラミン』で作られた作品を見て,興味を持ち,これからプログラミングを始める人が増えていくことを期待しています。

近い将来,⁠プログラミン』がプログラミングを始めたきっかけです」というスーパークリエータ(情報処理推進機構によって,ソフトウェア関連分野で優れた能力を有すると認定された開発者のこと)も,出てくるのかもしれません。

というわけで,今回も最後まで読んでいただき,ありがとうございました。それでは次回をおたのしみに。

著者プロフィール

Lançamento(ランサメント)

国内外のウェブサイトを日々紹介する Blog『Lançamento』を運営する,自称“フリーランスという名の無職”。目指すは“エクスペリエンスデザイナー”(O'REILLY『Web情報アーキテクチャ』11ページ参照)。2008年の“ジェフの奇跡的な残留”を目の前で見たサッカー好き。