いま,見ておきたいウェブサイト

第81回 Hello, we are Holler (weareholler) on Pinterest,Wind Map,smart Argentina (@smartArg) on Twitter

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待ちに待ったゴールデンウイークも無事終了し,⁠次の大型連休はどうしようか」と早くも妄想が浮かんでは消えている今日このごろ,皆様いかがお過ごしでしょうか。今回も個人的に感じた,素晴らしいサイトの特徴をいくつかお話したいと思います。

待つだけのウェブサイトは,もういらない

Hello, we are Holler (weareholler) on Pinterest

オンラインピンボードサービス「Pinterest」を利用した,オーストラリア・シドニーを拠点とするデジタルクリエイティブエージェンシー,⁠Holler Sydney」による『Hello, we are Holler (weareholler) on Pinterest』です。

図1 ⁠Hello, we are Holler (weareholler) on Pinterest』

図1『Hello, we are Holler (weareholler) on Pinterest』

通常であれば,ウェブサイトを使って提供される会社の哲学や制作実績,採用情報やオフィスの様子までもが,⁠Pinterest」を利用して公開されています。

図2 ニュースなども,画像として公開されるという徹底ぶり

図2 ニュースなども,画像として公開されるという徹底ぶり

また従来,テキストで紹介されるような項目(例:ニュースなど)も画像として提供されるなど,⁠Pinterest」に対応するための工夫もされています。

広がる「Pinterest」への対応

好みの画像や動画などを手軽に共有できることから,急激にユーザー数が増加している「Pinterest」ですが,⁠Hello, we are Holler (weareholler) on Pinterest』は,その特徴をうまく生かして,ウェブサイトという形で利用しています。

すでに海外では,企業がプロモーションなどで「Pinterest」を利用する場合も多く,最近では,Amazon.comやeBayが商品を共有するためのボタンを設置するなど,⁠Pinterest」への対応を進めています。

図3 資生堂のメーキャップブランド「MAJOLICA MAJORCA」もPinterestにページを開設した

図3 資生堂のメーキャップブランド「MAJOLICA MAJORCA」もPinterestにページを開設した

日本でも,モリモトのSUMAU」⁠資生堂のMAJOLICA MAJORCAのように,さまざまな業種の企業が「Pinterest」でページを開設する例が増えており,福岡市のような自治体のページも登場しています。

以前この連載で紹介した,YouTube上に自社のウェブサイトを作ったBooneOakley.comの例もありますが,単にウェブサイトを制作して待つのではなく,多くのユーザーが集まるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に企業自身が進出していくことは珍しいことではなくなっています。こうした流れの中で,今後,企業が多数のソーシャルメディアをどう利用していくのか非常に興味深いところです。

見とれるほど美しい,風の道筋

Wind Map

Fernanda ViegasMartin Wattenbergの2人で構成された「HINT.FM」による,視覚化アートプロジェクト『Wind Map』です。

図4 ⁠Wind Map』はアメリカの風の動きを視覚化するプロジェクト

図4 『Wind Map』はアメリカの風の動きを視覚化するプロジェクト

credit:HINT.FM / Fernanda Viegas & Martin Wattenberg

アメリカのNational Digital Forecast Database(国内デジタル予報データベース)で提供される風向や風速などの最新データを元に,アメリカ国内の風の動きを視覚化するというプロジェクトです。

図5 マップ上をクリックすると,マップが拡大される

図5 マップ上をクリックすると,マップが拡大される

地図上をクリックするとその範囲を拡大できます。通常目に見えない風の流れが,非常に美しく視覚化されており,思わず見とれてしまうウェブサイトです。

目的が変える,データの姿

図6 左:NWS(アメリカ国立気象局)による,アメリカ本土の風向・風速のグラフィック
右:日本の気象庁による,国内の風向・風速のグラフィック

図6 左:NWS(アメリカ国立気象局)による,アメリカ本土の風向・風速のグラフィック/右:日本の気象庁による,国内の風向・風速のグラフィック

風向きや風速を表現する場合,アメリカや日本の天気予報などでよく使われるグラフィック表現は,風向きと風の強さを矢印の方向と色(または数字)を使って表現するというものです。面白みのある表現ではありませんが,そのかわり風向きとその強さを素早く認識できるようになっています。

このように同じデータを利用しても,⁠何を伝えるのか」によって,表現の形は大きく変化します。最近では,情報を視覚的に表現したインフォグラフィックを多用するウェブサイトも多いですが,⁠データの視覚化には,必ず目的がある」ことを意識し,見た目だけの表現にとらわれないよう注意する必要があるでしょう。

データをわかりやすく,そして美しく表現することは非常に難しいことと思いますが,単なる数値を興味深く,感動させるものへと転化させるため,試行錯誤することから生まれる新しい表現をこれからも期待したいと思います。

著者プロフィール

Lançamento(ランサメント)

国内外のウェブサイトを日々紹介する Blog『Lançamento』を運営する,自称“フリーランスという名の無職”。目指すは“エクスペリエンスデザイナー”(O'REILLY『Web情報アーキテクチャ』11ページ参照)。2008年の“ジェフの奇跡的な残留”を目の前で見たサッカー好き。

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