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第88回 Outlook.com,Web Lab,NHK ロンドン 2012 オリンピック ネット生中継

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強烈な蒸し暑さに,ついつい木陰や日陰を選んで歩いてしまう今日このごろ,皆様いかがお過ごしでしょうか。今回も個人的に感じた,素晴らしいサイトの特徴をいくつかお話したいと思います。

すべてが変わる,新しいメールサービス

Outlook.com

Microsoftが開始した,無料で利用できる新しいメールサービス『Outlook.com』です。

図1 Microsoftが開始した,新サービス『Outlook.com』

図1 Microsoftが開始した,新サービス『Outlook.com』

「Outlook.com」は,FacebookやTwitterなどのSNSと,Microsoftの各種ウェブサービス(⁠SkyDrive」⁠Office Web Apps」⁠をメールに統合したサービスになっています。このため,友達の最新情報が確認できたり,メールに添付された写真をOutlook.com上でスライドショー表示したり,WordやExcelなどの添付ファイルを,直接編集・共有できます。

図2 スッキリとしたデザインが特徴の「Outlook.com」の画面

図2 スッキリとしたデザインが特徴の「Outlook.com」の画面

また,他のメールアカウントの管理や,各種SNSと連携することで自動的に記録されるアドレス帳「People」⁠受け取ったメールを自動的に分類するフィルターなど,サービスをより便利にする機能も追加されています。

『Outlook.com』の機能を説明した動画

「Outlook.com」では,⁠Metro UI」を基調としたユーザーインターフェースが導入されており,今年10月にMicrosoft自身がハードウェアの設計・販売を行うタブレット端末Surfaceの登場を意識した作りとなっています。

"ライバル"を明確にした戦術

Microsoftによる「Outlook.com」の説明では,⁠Compare(比較)⁠というコンテンツが用意されており,⁠Gmail」⁠Hotmail」との比較が行われています。画面内には「Gmail」のメールを「Outlook.com」へと転送させて,ユーザーが実際の使い勝手を比較できるようにするためのリンクも用意されています。

図3 ⁠Outlook.com」と他のメールサービスとを比較している

図3 「Outlook.com」と他のメールサービスとを比較している

ここでは「Outlookを勧める3つの理由」として,SNSやMicrosoftの各種ウェブサービスへの連携とともに,⁠メールの内容を広告会社に売り渡すことはありません」と書かれており,明らかにGoogleが提供しているメールサービス「Gmail」を強く意識したものとなっています。筆者も,今まで使い慣れたウェブサービスをいきなり変えようとは思いませんが,自らの優れた点をアピールして,まずは使ってもらおうとするこの方法は面白いと思います。

公式Twitterによれば,⁠サービス開始からわずか1日で,登録したユーザーが100万人を突破した」とのこと。ライバルを明確にすることによって,これからも多数のユーザーを獲得して「Gmail」を脅かすことができるのか。機能の追加も含め,新たなメールのありかたを打ち出した「Outlook.com」がどうなっていくのか,注目していきたいと思います。

最新技術を使った実験室

Web Lab

Googleによる"ウェブの魔法を生き返らせよう"とするアートプロジェクト,⁠Web Lab」のウェブサイトです(※Google Chromeが必要)⁠

図4 Googleによるアートプロジェクト,⁠Web Lab」のウェブサイト

図4 Googleによるアートプロジェクト,「Web Lab」のウェブサイト

credit:B-Reel

ウェブサイトでは,Google ChromeとWebSocket,Node.js,WebGL,Canvas,JavaScript,Three.jsなどの技術を使った5つの実験(⁠Universal Orchestra」⁠Teleporter」⁠Sketchbots」⁠Data Tracer」⁠Lab Tag Explorer」⁠をユーザーが体験できます。

図5 最新の技術を使った,5つの実験が楽しめる「Web Lab」

図5 最新の技術を使った,5つの実験が楽しめる「Web Lab」

つながっている"現実"と"インターネット"

ウェブサイトでさまざまな実験が体験できる「Web Lab」ですが,このプロジェクトは,オンラインだけでなく,実際にイギリスのロンドン科学博物館で,2013年6月まで展示(無料)が行われています。もちろん,ただの展示ではなく,実際に博物館を訪れた来場者と,世界中のインターネットを利用している世界中のユーザーとが,一緒になって楽しめる展示になっています。

図6 ⁠Universal Orchestra」では,博物館の来場者とネットのユーザーによる楽器の合奏が行われる

図6 「Universal Orchestra」では,博物館の来場者とネットのユーザーによる楽器の合奏が行われる

例えば,⁠Universal Orchestra」では,博物館の来場者とウェブサイトを訪れたユーザーによって,リアルタイムに楽器が合奏されます。また,顔写真をアップロードすると似顔絵を描いてくれる「Sketchbots」では,博物館ではロボットが砂の上に似顔絵を描き,アップロードしたユーザーはその様子をYouTubeのライブ配信で確認できます。

"現実とインターネットはつながっている"という,いかにもGoogleらしいテーマと表現が素晴らしい「Web Lab」は,この連載でも紹介している「Chrome Experiments」シリーズ(⁠The Wilderness Downtown」⁠3 Dreams of Blackなど)の一つです。このシリーズに,これからもこうした素晴らしいプロジェクトが続々と加わっていくことを期待したいと思います。

著者プロフィール

Lançamento(ランサメント)

国内外のウェブサイトを日々紹介する Blog『Lançamento』を運営する,自称“フリーランスという名の無職”。目指すは“エクスペリエンスデザイナー”(O'REILLY『Web情報アーキテクチャ』11ページ参照)。2008年の“ジェフの奇跡的な残留”を目の前で見たサッカー好き。

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