Windows 8に学ぶ次世代ユーザエクスペリエンス

第4回あらゆる画面に対応したレスポンシブOS

Windows 8のOSとして最も特筆すべき点としてあげられるのが、あらゆるタイプのデバイスとスクリーンサイズ、解像度等に対して一貫したエクスペリエンスを提供しているという事です。以前にもWindows 8はスマートフォン、タブレット、ノートブック、デスクトップ等のあらゆるデバイスに対応している事を説明しました。

今回はWindows 8のレスポンシブOSとしての側面を掘り下げて行きたいと思います。

Windows 8は設計初期の段階からさまざまなディスプレイサイズとデバイスに対応するように作られました。それは今までのWindows OSのように単純に縦横の幅を広けるような単純な方法ではなく、ユーザが利用するデバイスに最適な表示方法が選ばれるようになっています。

たとえば、これまでもAppleが提供するiOSを搭載したiPhone, iPad, Mac等の各種デバイスがありますが、Mac OSとその他のiOSデバイスではOSの基本的な表示方法や動きが異なるのに対し、Windows 8ではモバイルもタブレットもPCも全て一貫したユーザエクスペリエンスの提供を念頭に置いています。

また、Appleは原則的にデバイス自体も自社製作で行うことで、それぞれのハードウェア上でのOSの動作確認が可能であるのに対し、Windows 8の場合は不特定多数のメーカからさまざまなデバイスがWindows 8を搭載するため、Microsoftはそれぞれのデバイスに対して臨機応変に表示方法が自動的に変わるレスポンシブOSの概念をWindows 8に盛り込みました。

画像

世界中にある“10億台超のデバイス”を想定した設計

Windows 8が実装されている具体的なプラットフォームデバイスとしては、モバイル、タブレート、スレート、ノートブック、デスクトップ、大型タッチスクリーン等が想定され、それぞれに対して下記の点において異なるスペックに対応可能となっています。

  • スクリーンサイズ
  • アスペクト比(縦:横)
  • 解像度
  • ピクセル密度(DPI)

多くのユーザは未だ比較的ピクセル密度の低いノートブックおよびデスクトップモニタを利用しています。最も一般的なディスプレイは解像度が1280×800の13インチでピクセル密度が116DPIです。

その一方で、これから出荷されるWindows 8を搭載したタブレットPCの多くが135DPIのピクセル密度を採用しています。また、HDタブレットの解像度は11.6インチのスクリーンサイズでも1920×1080になり、ピクセル密度が190DPIになります。Quad-XGAのタブレットにもなると同じ11.6インチのスクリーンでも253DPIで解像度が2560×1140に上がります。このようなさまざまな可能性に対応するために、Windows 8は設計されています。

また、ユーザの中にはデバイス本体の画面の他に外部ディスプレイを利用するケースもあり、Windows 8のユーザエクスペリエンスチームは、世の中の10億台を超えるデバイスに同OSが実装されることを念頭に置いて設計を行いました。彼らはユーザのニーズ、嗜好、スタイルごとに異なるあらゆる画面サイズのデバイス上で違和感無く動くレスポンシブOSを提供することで、ユーザに一貫して予測可能なユーザエクスペリエンスを提供し、Windows 8を搭載したさまざまなデバイスを利用してもらうことを推奨しています。

たとえば、学生ユーザは大画面デスクトップPCとタッチ対応のノートパソコンを併用するケースが想定されます。彼らは授業中にはノートパソコンを利用し、家では映画の鑑賞やゲームを楽しむために大画面PCを利用します。その一方で、通勤時間の長いビジネスマンユーザは、電車内で読書をしたり、仕事をこなすためのタブレットを中心に利用しながらも、オフィスではマルチスクリーンのPCを利用している可能性もあります。それぞれのユーザで異なる利用スタイルに対して、Windows 8はレスポンシブOSを提供することで、ストレスの無い一貫したユーザエクスペリエンスを提供しています。また、Windows向けアプリ開発者には1回のアプリ開発でWindows 8を搭載したすべてのデバイス上でアプリが見栄え良く表示されることも実現しています。

まとめ

異なるユーザがそれぞれのライフスタイルに合わせて異なるデバイスを利用していることに対応し、MicrosoftはWindows 8がレスポンシブOSのコンセプトを導入する事で下記のポイントを狙っているのではないかと思われます。

  1. 異なるスクリーンサイズに対応する
  2. 異なるアスペクト比に対応する
  3. 異なる解像度に対応する
  4. 異なるピクセル密度に対応する
  5. それぞれのデバイスで一貫したユーザエクスペリエンスを提供する
  6. アプリ開発者の負担を減らす
  7. 全てのデバイス上でWindows 8を使ってもらう
画像

クラウド連携スキルを高める無料ハンズオントレーニング開催!

クラウド環境でのアプリケーション開発事例が増えつつある現状を踏まえ、開発者向けに Windows Azure をテーマとした無料のハンズオントレーニングを連続開催します。
詳細、ご参加はこちらから↓

おすすめ記事

記事・ニュース一覧