組み合わせテストをオールペア法でスピーディに!

第6回 PICTをより使いやすくする

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PICT活用シートのカスタマイズとTips

PICT活用シートは,ExcelのBookであることから使いやすいようにカスタマイズすることが可能です。

1~7行目は自由にレイアウトしてかまいません。

PICT活用シートのファイル名,シート名は任意の名前に変更してかまいません。

PICT活用シートで新しいワークシートを挿入し,そこへPICT活用シートの全体をコピー&ペーストすることで,異なるテストケースを生成するシートを任意の枚数設けることができます。

テスト対象の大きな機能ごとにPICT活用シートのBookを設け,そのいくつかの組み合わせテストケースのモデルを複数のシートに分けて管理するという方法がよいかもしれません。その場合,⁠PICT活用シート」という名称はテスト対象を表す大機能などの名称に変更することになるでしょう。

カスタマイズする際,パラメータ,値の並び,サブモデル,オプション,および制約条件の文字が記入されたセルの行番号と列番号は変えないで下さい。VBAがモデルを認識できなくなりますので。

制約条件が複雑になった場合は,制約条件欄の1桁目に⁠#⁠を入れてコメントをつけたほうがよいでしょう。

警告メッセージで比較的よく現れるのが,⁠Constraints Warning: All or no values satisfy relation ~」というメッセージです。これは制約条件の定義で,パラメータ定義に存在しないパラメータや値を指定したことを意味しています。パラメータ定義に書かれたパラメータや値の名前と,制約条件で記述した名前が一致しているか確認してください。

⁠Constraints Warning: Restrictive constraints. Output will not contain following values:」という警告メッセージも比較的よく現れます。これは制約条件を定義したとき,制約条件が強すぎて組み合わせに1回も現れない値があることを意味しています。各制約条件の間にこのような関係がないか調べてください。

エラー(警告)メッセージがメッセージボックスに表示されている間は,PICT活用シートを操作することができません。そのためエラー(警告)メッセージの内容を見ながらパラメータ定義や制約条件の間違いを調べたいといったことができないことがあります。

実は,エラー(警告)メッセージが表示されている間はそのメッセージ内容が記述されているファイル e.txt が存在するので,秀丸エディタでe.txtのファイルを開くことができます。ファイルを開いた後で,エラー(警告)メッセージのOKボタンをクリックすれば,秀丸エディタでエラー(警告)メッセージを見ながらPICT活用シートのパラメータ定義や制約条件の間違いを調べることができます。

また警告メッセージの場合は,警告メッセージのOKボタンをクリックしても,テストケースは生成されているのでa.xlsのファイルを開いて生成結果を確認することができます。

終わりに

これまで6回にわたって掲載してきたこの特集も今回が最終回となりました。この特集で,オールペア法とPICTが組み合わせテストの実施に強力な武器となることがおわかりいただけたでしょうか。

PICTが現れるまでは,組み合わせテストの技法というと,直交表かオールペア法かということが話題になりましたが,いずれも実際のテスト業務で実用的に使用できるツールは事実上存在しなかったといってよいでしょう。それは業務で実用的に使用するためには制約条件の指定が容易にできる必要があったからです。たとえできたとしても,Webベースでしか使用することができないか,非常に高価か,ツールは存在すれども非公開という状況でした。

この状況はPICTの出現で大きく変わったと言えるでしょう。PICTのおかげで誰もが容易に組み合わせテストのツールをテスト業務に実用的に使えるようになりました。

ただし,組み合わせテストは奥が深いです。簡単だといいながら矛盾するようですが,的を射たモデルを作成するにはある程度の経験が必要となります。やればやるほど奥の深さが見えてきます。その意味で,PICTによる組み合わせテストの導入はひとつの挑戦と言えるでしょう。

最後に一言。テスト技法は組み合わせテストだけではありません。テスト対象の性質にふさわしいテスト技法を適用することが最も重要ということを終わりの言葉とさせていただきます。

長い間この特集をご覧いただきありがとうございました。今回で更新は終わりですが,今後もアクセスして読み直してください。

PICT活用シートのダウンロード

今回の記事で紹介した「PICT活用シート」をご提供します。以下からダウンロードしてください。

インストール方法や詳しい使い方は,解凍したフォルダに入っているテキストをお読みください。

なお,このツールは今回の記事の理解のために公開されているもので,今後のバージョンアップなどには必ずしも対応するものではありません。あらかじめご了承ください。

著者プロフィール

鶴巻敏郎(つるまきとしろう)

岩崎通信機株式会社でビジネスボタン電話機,構内PBXなどのソフトウェア開発を担当。

デジタルコードレス端末(PHS)のソフトウェア開発を経て,2002年より岩通ソフトシステム株式会社に出向。以来,統合テストを中心に組込み系機器のテスト業務にあたる。

URLhttp://www.iwass.co.jp/index.html