ソフトウェア開発の必須アイテム,BTSを使ってみよう

第10回 その他のバグ管理手段・他のアプリケーションとの連携

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BTSに類似するシステム

ITS(Issue Tracking System)

BTSに近い使い方が出来るものにITSがあります。

BTS中心に開発を行うようになると,バグのみならずタスクも登録して管理したくなります。ITSは,管理の対象をより広く想定したもので,タスク的なもの全般を扱うように考えられています。ITSを使用しても,バグを管理することは可能です。

導入に当たっては,BTSのように決め打ちの項目がないので,項目立てから考えることになるでしょう。ツールの使い勝手としては,どうしてもフォーカスが緩慢になるので,専用のBTSのように直感的に取り扱うのは難しいかもしれません。

代表的なITSにはscarabなどがあります。

scarab 

scarab

URL:http://scarab.tigris.org/

プロジェクト管理ツール

プロジェクト管理ツールは,開発プロジェクト全般を管理するためのツールです。

いくつかの機能の集合体で,そのうちのバグ/タスク管理の機能をBTSとして利用することができます。本連載で以前ご紹介したTracは,正確にはこのカテゴリのツールになります。

前述のITSと同じようにバグ処理にフォーカスしたものではないので,バグ管理そのものの機能としては劣るケースが多いようです。逆にバグ管理に特化する必要があまりなければ,プロジェクト管理ツールで十分なことも多いでしょう。

他のアプリケーションとの連携

テスト管理システムとの連携

テスト管理システム(Test Managemet System)とはテストを実施する際のテストケースを管理するシステムです。

BTSは顕在化した不具合を管理しますが,その前段階であるテストの実施内容については触れません。テスト計画書などが別に存在し,不具合が発生するたびにBTSへ書き写しているようであれば,テスト管理システムとの連携を検討してみましょう。BTSとテスト管理システムを連携させることにより,よりスムーズにテスト&デバッグが行えるようになり,評価作業も楽になります。テスト管理システム自体,バージョン管理などの便利な機能を持っていますので,導入のメリットはほかにもいろいろあります。

多くのBTSと連携できるフリーのテスト管理システムにTestLinkなどがあります。

TestLink.JP - TEF有志によるTestLink日本語化プロジェクト

SCM(ソフトウェア構成管理)との連携

ソフトウェア構成管理でよく利用されるSubversionには,BTSとの連携するためのプロパティが存在しており,連携が可能になっています。バグ管理と構成管理を結びつけることで,何かあったときに問題の追跡が容易になります。両方を使っているときはぜひ連携させておきましょう。

終わりに

BTSについて選定から運用まで一通りご案内してきましたが,いかがでしたでしょうか。BTSの導入はそれなりに手間が掛かるものですが,使い始めてしまえば非常に便利で,さまざまな効果が期待できます。興味はあるけれどまだ導入していないという方はこの機会にぜひ導入してみてください。

この連載が皆さんのBTS導入の一助になれば幸いです。

著者プロフィール

山本健(やまもとたけし)

ウノウ株式会社 QAエンジニア。パーソナルコンピュータ黎明期にPCを使い始めるも,若気の至りか芸術の道へ大きく寄り道し東京芸術大学大学院で油画を専攻。在学中から始めたサイト制作・携帯コンテンツ運営などを経て2003年より株式会社BEATにて受託開発のテスト業務に携わる。2006年4月よりウノウに参戦し,より早くより深いWebアプリケーションの品質管理を目指して奮闘中。画家としても活動しており,見た目からは連想できない繊細な画風で世間の注目を集めている。白日会会員。