表紙の人

第7回 河原宏昭さん

この記事を読むのに必要な時間:およそ 1.5 分

組込みプレス Vol.11

組込みプレス Vol.11

写真:平野正樹

開発チームのメンバーと(写真:平野正樹)

プロフィール

所属宇宙航空研究開発機構(JAXA) 宇宙実証研究共同センター
趣味読書,睡眠
主な出没地つくば近郊,秋葉原,上野
座右の銘年年歳歳花相似 歳歳年年人不同
―劉希夷「白頭を悲しむ翁に代わる」の一節より

本誌表紙で手に持っている機器は,宇宙航空研究開発機構(略称:JAXA)が開発している小型人工衛星に搭載し,人工衛星全体を制御するデータ制御装置です。人工衛星開発の際に数多く製作する電子機器のうち,実際に宇宙へ飛ばすフライトモデルと呼ばれるもので,真空や放射線に代表される宇宙環境と,打ち上げ時の過酷な振動環境に耐えることを試験などで検証したものです。

人工衛星は民生機器と違い,不具合があっても修理することができません。したがって,PCとして実績のあるCPUを選定し,放射線に対する耐性を評価しました。そのCPUを用いて開発したMPUボードに,アナログやシリアルなどの入出力回路を付加して作成した物です。人工衛星に搭載した各機器との間でデータを収集,編集して地上へ送る通信機へ出力します。また,地上から来た衛星の動作を指令するコマンドを通信機を介して受信し,解読して人工衛星に搭載の各機器へと指令信号を振り分ける機能を持っています。

この機器は,私がJAXAに入ってから初めて担当した装置です。人工衛星全体のシステムや,姿勢制御,電源などの各系と調整しながら設計を行いました。現在はデータ制御装置の取りまとめとしてハードウェアの観点から搭載ソフトウェアチームと一緒にシステム試験を行っている最中です。

この装置の開発にあたり,以前に製作した衛星の実績を活用したのですが,先輩の設計意図を十分理解できていなかったために,テストの段階になって非常に痛い目に遭うこともありました。以前の人工衛星で動いていた回路と,その実績を活用して設計したこの回路の間に,人工衛星固有の変更個所があるにもかかわらず,思いこみから見過ごしてしまいトラブルを長引かせ,当初想定していた作業日程に余裕がなくなる事態もありました。この装置の開発の中で得た経験を今後の仕事に生かしていきたいと思います。

表紙モデルをやってみて

撮影スタッフのお仕事を見せていただきました。表紙を作る作業として,写真を撮り,構図を考える様子を,間近に見ることができたいへん興味深かったです。珍しい経験をさせていただきありがとうございました。

Making photo

最後まで笑顔で撮影に臨んでいただきました!

最後まで笑顔で撮影に臨んでいただきました!

カラフルな色のテープたち。
黄色のテープは宇宙でも耐えられる仕様のようです。

カラフルな色のテープたち。黄色のテープは宇宙でも耐えられる仕様のようです。

開発中の人工衛星に付けられる太陽電池パネル。

開発中の人工衛星に付けられる太陽電池パネル。

表紙に登場した人工衛星は,クリーンルームのさらにビニールに囲まれた中。

表紙に登場した人工衛星は,クリーンルームのさらにビニールに囲まれた中。

コメント

コメントの記入