サイバーエージェントを支える技術者たち

第38回 北欧のIT先進国からやってきたエンジニア[前編]

この記事を読むのに必要な時間:およそ 1.5 分

フェルト・クリスチアン氏

フェルト・クリスチアン氏

現在サイバーエージェントでは,外国籍を持つエンジニアの採用を強化しており,すでに多くの外国人エンジニアが活躍しています。今回は,スウェーデンからやってきたエンジニアであるフェルト・クリスチアン(Kristian Faeldt)氏に,サイバーエージェントの雰囲気や,現在携わっているサービスについてお話を伺いました。

大きな会社なのにベンチャーのような雰囲気

IT産業の中心地として,多くの人がまず思い浮かべるのはアメリカ合衆国でしょう。昨今では,インドにおいてもIT産業は急成長を遂げており,注目している人は少なくありません。一方,ヨーロッパにおいてIT産業をリードしている国の1つがスウェーデンです。同国には,多くのIT企業が研究開発センターを置く「シスタ・サイエンスシティ」があるほか,世界経済フォーラムが発表したNetworked Readiness Index(世界138ヵ国を対象としたITの整備/活用指数)の2012年度版においてトップにランキングされている国でもあります。

そのIT先進国から来日し,サイバーエージェントで働いているのがフェルト・クリスチアン氏(以下,フェルト氏)です。大学では日本の平安時代の古典文学を専攻し,東北大学に1年間留学していた経験も持つなど,大の日本好きとのこと。もともと母国のIT関連企業で働いていましたが,スウェーデンに留学していた現在の奥様と結婚したことをきっかけに来日し,サイバーエージェントで働くことになりました。

ただ,フェルト氏が日本の企業に対して持っていたイメージはけっして良くなかったようです。

「これは私だけではなく,多くの外国人が感じていることだと思いますが,日本企業というとまず思い浮かぶのは『残業』ですね。無駄なミーティングが多くて,残業しないと仕事が間に合わない,しかも上司が帰る前には帰れない。そういう会社では働きたくなかったのです(笑)⁠転職を相談していたエージェントに,働く環境を重視していることを伝えたところ,それならこの会社がいいと紹介してくれたのがサイバーエージェントだったのです。⁠フェルト氏)⁠

サイバーエージェントは,それまでに抱いていた日本の会社のイメージとは大きく違ったと話します。

「サイバーエージェントで働き始めて数ヵ月が経ちましたが,連日の残業や1日に何本も開かれる会議といった,働き始める前にもっていた日本の会社のイメージとは大きく違う環境がここにはありました。⁠フェルト氏)⁠

そのサイバーエージェントのどういった点が気に入っているかを聞いたところ,次のように答えてくれました。

「サイバーエージェントはグループの社員数が2,000名を超える大きな企業ですが,実際に一緒に作業を進めるチームはとても小規模なんですね。私が担当しているチームも現在4人しかいません。しかも,それぞれのチームにきちんと権限が委譲されているので,自分たちの裁量で物事を決めていくことができます。こういったベンチャー企業的な部分は,サイバーエージェントの良いところだと考えています(フェルト氏)⁠

注目のチャットサービス「cubie talk」を開発

さて,フェルト氏は現在,アメーバ事業本部 スマートフォンディビジョン サービスディベロップメントグループに所属し,⁠cubie talk」図1というスマートフォン向けのサービスに携わっています。どういった経緯から,このcubie talkに携わるようになったのかを伺いました。

図1 cubie talk

図1 cubie talk

「私がサイバーエージェントに入社したときは,スマートフォン向けのチャットサービスに注目が集まっていたのです。それで上司から,スマートフォン向けのチャットサービスの概念実証を行ってくださいと言われたのがプロジェクトの始まりですね。それで2ヵ月ほど開発してみて,実際にサービスとして提供できると判断できたので,本格的に開発を進めることになったのです。⁠フェルト氏)⁠

このように開発が始まったcubie talkは,先にリリースされていた「cubie house」の世界観を踏襲したチャットサービスです。ログインするとその時点でチャットできるユーザが表示され,その中の1人を選んでコミュニケーションを楽しめるというもの。チャットは同時に3人まで掛け持ちができるほか,「Ameba」のブログなどでお馴染みの機能「ペタ」を使って気になるユーザにあいさつするといったしくみも盛り込まれています。

「開発自体は,意外とすんなり進みました。ただ,cubie talkはサーバ側にNode.jsを使ったWebアプリケーションとして開発しており,クライアント側の挙動の違いに悩まされることがありましたね。具体的には,AndroidとiOSではWebブラウザの仕様が異なり,またAndroidではモデルによっても挙動が異なるケースもあり,それを調整するのがたいへんでした。ちなみにスウェーデンでは,サムスンとHTCくらいしかAndroid端末がありません。一方日本では,たくさんのAndroid端末がリリースされていてビックリしました(笑)⁠⁠フェルト氏)⁠

次回は,具体的にどのような苦労があったのか,またcubie talkではどういった技術が使われているのかなどについて,引き続きフェルト氏に伺っていきます。

サイバーエージェント公式エンジニアブログ
URL:http://ameblo.jp/principia-ca
エンジニアの生の声を週替わりでお届け中!

著者プロフィール

川添貴生(かわぞえたかお)

株式会社インサイトイメージ代表取締役。企業サイトの構築及び運用支援のほか、エンタープライズ領域を中心に執筆活動を展開している。

メール:mail@insightimage.jp

コメント

コメントの記入